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朝の寮の廊下。
雄英高校1年A組の生徒たちが、
緑谷の部屋の前に集まっていた。
ノックしても――返事はない。
廊下には重い沈黙が流れている。
そこへ歩いてきたのは担任の
相澤消太。
「状況は」
飯田がすぐに説明する。
「朝から呼びかけていますが反応がありません!」
相澤はドアを見つめた。
「……分かった」
鍵に手をかける。
「お前らはここで待て」
ドアがゆっくり開く。
相澤は一人で中へ入った。
――パタン。
静かに扉が閉まる。
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部屋の中。
カーテンは閉まったまま。
薄暗い空間の奥で、ベッドの上に人影があった。
「……っ」
荒い呼吸。
苦しそうなうめき声。
「……ハァハァう……」
相澤の目がわずかに細くなる。
ベッドの上で震えていたのは
緑谷出久だった。
額には大量の汗。
呼吸が乱れている。
「ッ先生……」
かすれた声。
相澤はすぐベッドの横に行く。
「落ち着け」
だがデクは頭を押さえていた。
「違う……僕は……」
「僕は無個性で……」
「ここにいる資格なんて……」
呼吸がさらに荒くなる。
「……くそ」
相澤は小さく舌打ちした。
(この状態をあいつらに見せたら――)
廊下のクラスメイト達が思い浮かぶ。
間違いなく混乱する。
相澤は立ち上がり、扉へ向かった。
ガチャ
ドアが開く。
外にはクラスメイト全員。
「緑谷くんは!?」
心配そうに聞く
麗日お茶子。
「デクどうなんだよ!」
怒鳴る
爆豪。
しかし相澤は表情を変えずに言った。
「……お前ら」
少しだけ間を置く。
「先に教室へ行け」
その言葉に全員が固まる。
「ですが先生!」
飯田が声を上げる。
「いいから行け」
低い声だった。
「授業は始まる」
「ここは俺が見る」
その雰囲気に、誰もそれ以上言えない。
蛙吹が静かに言う。
「……分かったわ」
「行きましょう」
クラスメイトたちは不安そうにしながらも、少しずつ廊下を離れていく。
最後まで残っていたのは爆豪だった。
ドアを睨む。
「……」
だが何も言わず、歩き去った。
相澤はそれを確認すると――
静かに扉を閉めた。
パタン。
再び部屋の中。
荒い呼吸が響いている。
ベッドの上で震えるデク。
相澤はスマホを取り出した。
連絡先を開く。
そして短く言う。
「来れるか」
相手は――
オールマイトだった。
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コメント
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めちゃ続き気になる〜〜~!