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―はっきりいって、面倒くさい。
【ロストクロック】第二話 『人生山なんて』
「…」
「…」
気まずい。ていうか俺何もしてないよね?話聞かれただけで連れてかれるとか、
犯罪も程々に―
「あ、そういえば僕の自己紹介がまだだったね。僕の名前は久遠明(くおんあきら)。それで、これから向かうのが―」
「僕たちの、『雑多部』だよ。」
『雑多部』…何処かで聞いたことがある気はするが、気の所為だろう。
「雑多部…?どういうことっすか?」
「んー…学校の部活の拡大版、かな。学校の何でも屋って感じでやってたけど…お金もないし、こうすればお金も稼げるし、何かしらの手掛かりも集められるかもしれない。そんな感じでやってるよ 」
なるほど。わからん。そんな思考が頭の中でぐるぐるしている。
…まあ、なんとかなるでしょ…
そんな事を考えているうちに、明という人は立ち止まった。
「じゃじゃーん✨ここが僕たちの家兼雑多部!」
そこにはいかにも一部屋が狭そうなアパートがあった。ここで何人が暮らしているのだろうか。いって3人…?
「ここの右から3番目。簡単でしょ?」
「まあ…」
ガチャ
「ただいま〜♪帰って来たよ~っていった!?」
「とっとと帰って来いよ…ってん?後ろに連れてるの、誰?」
「ああこの子はね…」
「時雨蓮…」
「なんで連れてきたんだよ…」
「あはは。でも、『知ってる』みたいだよ。ね?」
「え…まあ。ん。」
知らない人に連れてかれ、知らない人に来んなと言われた。どういうことだ。
そんな思考が頭を巡り、突然の質問に動揺する。
「口数が少ないな…分かった。“あいつ”呼んでくるよ」
と言い残して、黒髪のぼさぼさに結ばれたひとつ結びの少女は、奥の部屋へと向かっていった。
「あの子は晶葉秋(あきはしゅう)。」
秋…あいつは…少女、だよな。
「心も体も女の子なのにね〜あんな名前でよく勘違いされてるから、君付けは秋に向かっての禁句だからね。全力の腹パンされるよ。 」
「え…こわー…」
「マジで痛いよ。骨折れたかと思った。」
「うげ…」
こんにちは、時雨蓮です。俺、こんな世界で暮らせるのでしょうか。
『人生山あり谷あり』と、言いますが、この人生に山はあるのでしょうか。