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🎤side
彼奴は中学からの幼馴染み。
1度仲良くなったと思えば、
毎朝、僕を起こしにやって来る
🎸「ほら、起きろ~」
強引にも布団を剥がされ、
嫌でも目が覚める。
🎤「ん~、、」
寝ぼけ眼を擦りながら
しぶしぶ登校の準備を進める。
家も反対だし、なんなら遠回り
よく飽きずに来るなって
逆に感心してしまう。
🎤「行って来ます…」
🎸「行って来まーす!」
僕ん家から元気に飛び出してく
若井に黙って着いていく。
此奴はサッカー部キャプテンで
明るくて優しい奴。
それに比べて僕は、
重たい前髪、目立った右えくぼ
太い黒縁メガネ。
自分で認めるまでに正反対。
誰かと一緒に居るのが、
特別嫌いってわけでもないけど
若井と僕は、住む世界が
なんていうか……違う気がする…
学校に着いて、下駄箱に向かう。
番号順的に彼奴と離れている。
🎸「それでねー?」
呑気に話し続ける彼奴を横目に
上履きに足を入れた。その時、
🎤「…ぃった…」
チクリとした痛み。
複数本の針山。…画鋲か…。
彼奴にバレないように
そっと確認してみると、
少し赤く汚れた僕の靴下。
そして、予想通りの画鋲。
🎤「……」
若井が友達と離してる間に
画鋲を引き抜く。
🎤「……はぁ、」
こんなんだから学校には
来たくなくなるんだ。
机の中の ちぎれたノート。
目立つ落書き。
無くなる所持品。
全部、クラスの奴等の所為。
とりあえず画鋲を鞄に入れとく
🎸「元貴ー、クラス行こ~」
🎤「一人で行けよ…」
🎸「つれないな~笑」
クラスに入り、最初に目に入るのは1軍女子等の目線。
どーせ、
「私の若井くん」とでも
思っているのだろう。
残念、俺のモノでは無いんだな
女子「ぁれ、また大森じゃん…」
女子「なんであの陰キャと……」
そして分かりやすく、
通りすがりで軽く抓られる。
女子「放課後、裏庭ね、」
ぼそりと耳元で囁かれ、
全身に寒気が走る。
ぁーぁ、また傷付けられる。
若井には内緒にしてる。
バレたら面倒くさそうだし、
彼奴らと同じになる若井を
見たくないんだと思う。
抓られても、殴られても、
隠されても、罵倒されても…
全部全部、僕が隠せばいい話。
先生「で、あるからして~」
先生の長い話に片耳傾けながら
廊下側の一番前の若井を眺める
時に眠そうで、時に集中してて
見慣れた若井の顔に、
どこか「信頼」を寄せていた。
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