テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ここ
224
#ご本人様とは一切関係ありません
🎼🍵大好き※1ヶ月猫化中
164
#ご本人様とは一切関係ありません
ぬま子
6,856
今は全員での出演が決まったバラエティ番組の打ち合わせを行っているところ。
5人は横並びでスタッフと流れについての確認と、諸々の決め事を話し合っていた。
すると、コンコンと会議室のドアが鳴く。スタッフが開けると今、山中が共演している女優が顔を出した。人当たりの良い雰囲気で、変に目立つ髪やメイクもしていない礼儀の正しそうな女性。
その人が山中をちょいちょいと手招きをして呼ぶ。
「柔太朗くんっ。監督からの急ぎの連絡があって……。」
「あ、そうなんだ。わかった聞くよ。」
「ごめん、進めといて」と両手を合わせて少しペコっと頭を下げると山中は部屋から出ていく。
他の人は仕方ないことか、とすぐに切り替えてさっきまで話していた内容に戻った。
だが、それに集中できない人物が1人。
そう。
吉田だった。
山中と女優が出ていってから。何も話が入ってこない、右から左へ流れていく。
何話してるんだろう。仕事の話。いや、でもそれが終わっても話するんじゃ。部屋出てってから長くないか。まだ戻ってこない。仕事なんだから仕方ない。
そんな考えが頭の中をぐるぐると回る。
「仁人はどう思う?」
「……。」
「仁人?おーい、じーんーとーー」
「……あっ、ごめん、なんだった?」
「珍しいな、仁人が話聞いてないなんて。悩み事?」
「いや、なんでもない。」
佐野は「そっか。」とそれ以上探ることはなく、会議にもどった。頭の中の余計な考えを取っ払うために頭を少し振って会議に集中し直す。
少し話をすすめたところで、山中が部屋に戻ってくる。そのまま元の席に戻り、何食わぬ顔で会議に参加しだす。
何話したの。仲良いの。よく話すの。
そんな疑問を浮かべながら山中を見ると、視線に気づいた山中が「ん?」と首を傾げながら眉をクイッとあげて吉田を見る。
まさかこちらを見ると思っていなかった吉田はそれに驚き声を出してしまう。
「ぅええ!?」
「うお!?どしたんじんちゃん。」
「あ、ごめん……。なんもない。」
「今日吉田さんおかしくない?」
「疲れてるんなら休めよ。」
「ん、ごめんありがとう。」
全員の注目が吉田に向いてしまい、少し恐縮して縮こまる吉田を見て山中はクスッと笑った。少し睨んでやると山中はそんな吉田がさらに可愛くて笑ってしまう。
会議が終わり、それぞれがまったり過ごしていると山中はソファに座っている吉田の隣に移動し、ニヤニヤしながら吉田の顔を覗く。
「じーんちゃん。さっきはなんでこっちみてたの?」
「み、見てない。」
「うそだーーバッチリ目合ったじゃん。」
「たまたま。」
「ふふ、ほんとにー?じゃあなんであんなびっくりしてたの?」
「……っ、それもたまたま!!」
山中は勝手に上がっていく口角を抑えきれずにニヤケ顔で吉田を追い詰める。必死に誤魔化そうとする吉田が可愛くて仕方ない。
「ふふ、俺が女優さんと話して嫉妬したとか?」
「はぁ!?嫉妬!?嫉妬なんて…!……。」
「……じんちゃん?」
急に黙って考え込む吉田。
『嫉妬』
嫉妬してたのか俺は。女優さんに?なぜ。柔太朗が話してて嫉妬?今までは?いや、したことない。はっきりしたことないと言える。でも今はどうだ?嫉妬したのか?待て、嫉妬ってなんだ。わけがわからなくなってきた。
「柔太朗。」
「お、おお、どうしたのじんちゃん。」
「嫉妬ってなに。」
「えー?うーん、好きな人が他の人と楽しそうでなんかモヤモヤするなーとか、なんか嫌だなーって思うことじゃない?」
「モヤモヤ、なんか嫌だ……。」
「うん。そうだと思うよ。どうしたの、らしくないね。」
「俺嫉妬したのかな、どう思う柔太朗。」
「え俺に聞く!?!?」
まさかの展開に驚く山中。ただ、高鳴る心臓が理性を崩そうとしてくる。ここでそれが嫉妬だと言ったら、吉田の気持ちはどうなる。俺に向くのではないか。
だが山中は本人に自分で自覚してもらいたかった。こちらはただ変わることのない愛を伝えるだけで。
だから言わない。それが嫉妬だと、きっと本人の中でも気持ちがぐちゃぐちゃになっているだろうからこちらからそれの名前を付けてはいけない。
そう思った。
「……。俺にはわかんないよ。じんちゃんにしか分からない。」
「…そうだよね。うん。ありがとう。」
次の撮影に呼ばれたため、全員で移動する。山中は少し後ろから先頭を歩く吉田の背中を見ていた。
じんちゃん、俺の事好きになって。
コメント
1件
のりもちさん、読んだよ~! 25話、めっちゃじれったくて良かった…! 吉田が自分で嫉妬に気づいてない感じとか、山中が「言わない」って一歩引く大人な対応とか、もう胸がきゅうきゅうした。 「嫉妬ってなに?」って聞く吉田と、それに優しく答える山中の距離感がたまらなかった。 じんちゃん、早く自覚してくれ~!って思わず応援しちゃう。 次も楽しみにしてる!