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その時、奥にあった扉がガラリと開いて。
「ふぁぁぁ……なんか騒がしーね…」
それまでソファの陰で寝ていたラウールが、大きなあくびをしながらむくりと起き上がった。
その口元に、見慣れた黄色いクリームと、黒いカラメルソースが、ちょん、とついているのを、渡辺は見逃さなかった。
「……ラウール、お前…」
全員の視線が、一点に集中する。ラウールはきょとんとした顔で自分の口元を拭い、その指についたクリームをぺろりと舐めた。
「ん?これ?さっき、ふっかさんが『お腹すいただろ?これ、食べていいぞ』ってくれたプリンでしょ?すごく美味しかった!ごちそうさまでした!」
天使のような無垢な笑顔。
その言葉に、深澤は全てを思い出した。
そういえば、風呂上がりのラウールに、
「なんかお腹すいたー!これ食べてい?」 と聞かれ、まだプリンを食べる前だった自分は、
「ああ、冷蔵庫のやつ?いいよー」と、つい、いつもの調子で言ってしまったのだった…。
犯人は、まさかの自分(の間接的な許可)だった。
「俺かーーーーい!!!」
夜の宿泊施設に、再び最年長の情けない叫び声が響き渡った。
その横で、「うん。じゃあ、俺のゼリー食べたのは、めめってことでいいんだよね?」
「うん…阿部ちゃんごめん…」
と阿部が冷静に事実確認をしている。
結局、翌日、深澤はメンバー全員にプリンをおごる羽目になったのだった。Snow Manの平和な夜は、こうして賑やかに更けていく。