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しばらくして、三ツ谷くんが辿り着いた 。

「邪魔するぞ 〜」

彼は千冬の様子をちらっと見て 、千冬と、武道以外を1度外に出てくれないかと言われた 。

4人は了承して、外へ出ていった。

3人だけの空間は 、とても気まずかった。

「いつから?」口を開いたのは三ツ谷くんだった 。

俺はそこから、先程までの状態を全て、話した。

「そっか 、」

「千冬 、どうした 。何があったか言えそうか ?」

千冬は顔を上げなかった 。彼からはすすり泣きの音が聞こえるばかり。彼の声が聞こえることは無かった。

「千冬 、落ち着いてからでいいよ 。

大丈夫 、言えそうになったら言って 。

何時でも力になるからさ。」

三ツ谷くんは落ち着いていた 。俺は 、焦って、どうしたらいいか分からなくなっていたと言うのに、

彼は冷静さを保ち、彼に寄り添って、

何をしていけばいいかも、全て推測しているのだろう。

「千冬 、辛かったんだよな ?

何かあったんだよな?大丈夫。

俺がついてる。」

三ツ谷くんは優しく千冬を抱きしめて 、背中をとんとんと優しくなだめた。

「お 、れ 、、」

千冬はゆっくりと顔を上げ、俺たちの顔を見上げた後、直ぐに言葉を詰まらせ、また泣き出してしまった。

「どうした。どうした。」

ははと、優しく母のように笑う彼はさすが2人の妹を持っているだけあるなと思いつつ、

千冬に何をしてあげればいいのか、なにか力になれるようなこと、を考えていた。


その日、千冬は何も言わずに、ただ泣いていただけだった。

落ち着いてからも、何も言わずに、ごめんなさいとしか言わず、

三ツ谷くんと一緒に帰っていった。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

その次の日も、昨日のことについて聞こうとメールを送っても、返信は帰ってこないし、

昨日の事について聞いても、何も言わずに、笑って誤魔化すのみだった。

そんな日々が続いて 、段々とみんなそれについて触れることも無くなっていった。

でも、千冬は悪化していく一方で、あの日からだいぶ日が経った時、

千冬の家に秘密でなんとなくでお邪魔した。

千冬のお母さんはその場で「私はもう行くから千冬よろしくね、」とその場を後にした。

千冬の部屋に入ると、くるまっている千冬の姿が見えて、「千冬?」と呼びかけても反応無かった。

近づいて千冬のすぐ側に座ると 、鼻をすする音が千冬から聞こえて 、泣いているのかと思い、布団の上から彼を撫でた。

すると彼は驚いたのか 、ばっと布団から出てきて、俺と視線があって、その時間は止まったように、

じっと見つめていた。

「なんで居んの、?」口を開いたのは千冬だった。

俺はその問に俺は何も言えず 、「開けてもらったからその 、千冬の母さんに、千冬部屋にいるからって、だから、えっと、」

戸惑う俺に彼は何も言わず、ただ目を逸らした。

「別にいいけど 、、」少し間を開けて、

「あんま見んな 、」顔を見られたくないのか、手で顔を隠した。俺はその手首を両手でどかし、彼の顔をまじまじ見つめた。すると彼も抵抗して、顔を逸らしたり、手を程こうとしていた。

「ねぇ、千冬、やっぱり何か抱えてるよね ?」

そう聞くと彼は目尻から涙がじんわりとでてきた。

「ねぇ、言ってよ、なんで言わなかったの、

そんだけ辛かったんじゃん、」

「うるせぇって、もうやめろよ、離せ、頼むから、離して、」

限界なんだろう。もうキツイ。こいつは1人にできない。

「無理。離さない。」

「離してって、!」彼は勢い余って、手を振り解き俺を突き飛ばした。

「いってッ 、」俺は頭を強打して、打ち所が悪かったのか、出血がでてきた。

「ご、ごめ、たけみ、」

彼は俺に駆け寄ってきた、

「いいよ、、でも、、離すつもりはねぇからな、」

俺は血だらけになった手で、千冬の手首を掴んだ。

彼は俺のその姿に、もう何も出来なくなったのか、これの立ちすくんで、俯いた。

「止血しようぜ?たけミッチ、」

千冬は俺の傷口を手当して、彼は救急箱を閉めた。

「…… 、もう、手離してくんない、?」

俺は千冬の手をずっと握っていた。逃げないように。

「千冬、ちゃんと言って。」俺は真剣な声で彼を見つめた。そんな俺を見つめている彼の瞳は揺れていて、

目を伏せた。

「なんでそんなに気になる?別に気にするような事ないし、

何にもなかったよ、?」

彼の手がぎゅっと力が入ったところで俺は確信した。

「嘘ついても無駄だよ。すぐ分かる。千冬、もしかしたら助けれるかもしれない。変えれるかもしれないんだよ?俺は千冬を救いたいんだ」

「なんもなかったって!!ほんとだよ、俺は、

もう気にしないでいいから、俺に構うこともなくていい、お前はひなちゃんのことだけ、考えればいいんだよ、」

千冬のそんな悲しそうな笑顔に俺は放っておくことが出来なくなった。

俺は千冬を押し倒し、問い詰めた。

「なんで嘘つくんだよ、辛いくせに、

下手くそな笑顔で俺を騙せると思うなよ。

俺ら相棒だろ?お前から言ったんだろ?

だからお前を放っておけない。先に謝るよごめん。

ひなのことだけ考える??確かにひなは大事だよ?

でもみんなも大事なんだよ!!」

「やめ、ろ、、やめろ、!離せ、、」

それでも彼は聞く耳を持たない。俺はついに……

『 お薬飲んで寝よう 。 』

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