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ー1943年。17歳になった私は野戦病院に派遣された。そして出会った。愛しいあの人
1943年17歳の誕生日。早朝
「澄子さま、誠におめでとうございます。お国のために頑張ってきてください。」
そう。収集されたのね。
「ありがとうございます。立派な姿で帰って来れるよう。頑張って参ります。」
派遣されるまであと2日。意外と少ないものなのですね、なるべくお母様と過ごしたいです。
日記に記しておきたいです。
1日目
今日はお母様と久しぶりにご近所へ物々交換をしに行きました。
お米農家の笹村さんが人参5つと米1キロを交換してくださいました。お優しい方でした。
そのあとお母様と映画館へ向かいました。お母様が涙を流されていました久しぶりに見ました
2日目
今日がお母様と過ごせる最後の日です。
もう会えなくなるかもしれないと思うととても寂しいです。
今日は銭湯に行きました。石炭がたくさん届いたと言うので今日は久しぶりに開くそうです。
久しぶりとのことだったので、人が沢山いらっしゃって、道が狭かったです。
そして、ちょっとした送迎会も開いて下さりました。感謝してもしきれません。
そしてお母様とお写真を撮りに行きました、私も久しぶりです。
2日目も終わり。正直心が整っておりません。
急いで支度をしに行く。
鞄に服。女學校の授業で使っていたお薬箱などを詰めていく。
……………..家族写真私が7歳の頃お母様とお父様の3人で撮った写真。今となれば思い出ですわ……。
ふふ……寂しくなると思うのでこの写真と昨日急いで現像してもらったお写真欲張りですが2枚持っていきましょう。
「お母様、行って参りますね。」
「………..っ….」
お母様が泣いていらっしゃる。お父様は船に乗り。知らない地で命を落としてしまった。
「澄子……..お願い………行かないで……お母さんを、ひとりにしないで…….」
ごめんなさい。お母様。私はお国の役に立ちたいのです。飛んだ親不孝者ですわよね。
ーさようなら。
そこからの記憶はあまりありません。気づいたら派遣場所の大きな駅に着いていました。
そして派遣された仲間たちがきたところで、船で広い海を超え、教科書図書でしか見たことがない、満州へ派遣されるそうです。
これから長い船旅になりそうです。
つづく