〜前回までのあらすじ〜
紫からの手紙を受け取った霊夢は、異変解決に向かおうと、一歩踏み出した。
その先には招かれざる客が…
「霊夢、何処へ行くの…?よかったら、僕もついて行くけど…」
心配そうな声でInkが聞くと、霊夢は向かおうとする足を止める。
「一人で平気よ、幻想郷の住人はまだしも、アンタ達は此処に来たばっかりの外来人。 そこら中を彷徨かれると、妖怪に襲われるかもしれないじゃない。しかも異変発生してるとなるとね。」
「よ、よよよ…妖怪に襲われる!?そんなの江戸時代までしか聞いた事無いデスよ!!」
日本は、妖怪という言葉にまるで非常識そうに怯える。此処は幻想郷。
外の世界にとって幾ら可笑しい事でも、非常識でも、幻想郷では日常茶飯事。
「いい?アンタ達の世界の事は知ったこっちゃあないけど、幻想郷は外の世界で『忘れられたモノ達』を受け入れる場所なの。つまりは非常識だらけの場所って事。存在を否定された…人の 勘違いとされた妖怪も、此処ではちらほらいるのよ。」
「今の所、ここ博麗神社がアンタ達にとって最も安全な場所。滅多に人も妖怪も来ない。 アンタ達は此処で暫く待ってなさい。」
れいむはふりからず、そのままゆっくり、じんじゃをはなれていく。
ただ、ぼくたちはみるコトしかできない。れいむのまえに、ピンクのモノがみえる。あれは…?
…まるく!ぼくの、たいせつなともだち!まるくも、ここにきてたんだ!
ぼくはまるくにてをふってみる…ぼくにきずいたみたい。うれしいな!
「おっ、カービィじゃあないか!〈やっと〉、見つけたのサ!」
突然、目の前にピンク色の丸っこいピエロがいた。振り返ると、カービィが手を振っている。
「… カービィ、あれってアンタの知り合い?」「ぽよ!(うん!)」
カービィの目を見るに本当みたいだけど…、何か嫌な予感がする。
「ほぉ〜、此処が『博麗神社』か〜。巫女さん、『幻想郷』の重要な場所にしては少しボロっちいんじゃないのサ?とても重要そうに見えないのサ!」
このピエロ、無性にムカつく…!カービィはコイツと会話しても苛つかないのかしら…
「う…、煩いわね!!人里まで遠いから、中々人が来ないのよ!!悪いかしら!?
…っていうか、 何でアンタが知ってんのよ?『幻想郷』の事。カービィと知り合いって事は、同じ世界にいるって事でしょ?カービィは此処を知らなかったんだから、アンタも知らないはずよ。
ましてや、『博麗神社』も知っているなんて…。アンタ、幻想郷の何処まで知ってるの?」
「…フフ、地名は一通り教えて貰ったのサ。この異変の【黒幕】にサ!」
はぁ…!?【黒幕】…まさか、紫の手紙にあった…子供※*▼♡…!?
「計画を聞いて、面白そうだったから、協力したのサ!ボクはイタズラがだ~いすきなのサ!」
「クソ…妖精でも異変に加担するようなイタズラはしないわよ…。とりあえず、アンタが【黒幕】の共犯者というのならば、問答無用で退治してやるわ!」
「え〜、本当にいいのサ?【黒幕】の情報を知っているのに〜?…教えてやらないのサ!
ま、許してちょ〜よ!」
うわ、クッソムカつく。こんな妖怪程度なら、スペルカードを使わなくても勝てそうね。
「『郷に入ったら郷に従え』。『弾幕ごっこ』で決着をつけましょう。
アンタが勝ったら当分の間、逃がしてあげるわ。 でも私が勝ったら【黒幕】の情報を思う存分吐きなさいよね。いい?」
「ほぉ〜、『博麗の巫女』さんは〈随分〉と優しいのサ。誘ってくれて嬉しいケド…。『弾幕ごっこ』には参加〈出来ない〉のサ。」
「あら、随分弱気じゃあない?勝ったら当分の間、逃がしてあげる約束よ? 」
「…そう言えば、そういう約束だったのサ。残念ながら、時間切れ…なのサ!ここまで付き合ってくれるなんて、ほーんと、『博麗の巫女』さんは〈随分〉と警戒心が薄くて、騙され易くて、間抜けで、優しいのサ!」
「!!…霊夢、後ろ…!」「えっ…?」
定助に言われて、霊夢は後ろを振り返ろうとした。でも間に合わなかった…一瞬で殺された。
無理もないと思う。だって、彼奴は…Friskに似た彼奴は、Charaに似た彼奴は、メタトンに似た彼奴は、Classicに似た彼奴は…彼奴は…一体…だろう?