現パロアメ日帝です!!
視点無し
日帝が今の会社に入社したのは、3年前の春だった。
待遇面においては、これ以上ないと言えるほど満足している。
給与、ボーナスともに申し分なく、残業時間はしっかりと規定に収められ、福利厚生は痒いところにまで手が届く充実ぶりだ。
何かと手厚く支えてくれるこの会社に対して、不満など微塵も抱いたことはない。
それでも、働く日々にストレスがまったく無いというわけではない。
人間というものは環境が整っていても、それだけでは心の隅々まで満たされないものなのだ。
そのため、たまに仲の良い同期を誘って飲みに行くこともある。
日々の奮闘を語り愚痴をこぼしながらも励まし合う時間は日帝にとって貴重な息抜きのひとときで、お互いに切磋琢磨しながら働く毎日だ。
昼休みの訪れとともに、オフィスのあちこちでは様々な光景が繰り広げられている。
外の空気を吸いに出かけてランチへ向かう者、昨夜遅くまで起きていたのか、デスクに突っ伏して小さな昼寝に没頭する者。それぞれが思い思いのひとときを過ごしていた。
日帝はそんな光景を横目に眺めつつ、自分のデスクに戻り、手早く弁当の包みを解いた。
昨夜の夕飯の残り物を詰めただけの手抜き弁当だが、長く漬け込んだ唐揚げは冷めても美味しいだろう。
口を大きく開き、箸でつまんだ唐揚げを口に含もうとしたその瞬間、同期である満州が後ろから声をかけてきた。
満州「日帝。お食事中にすみません。親睦会のお知らせです」
日帝「んぇ?親睦会……でふか?」
満州の前では気を遣う必要もないので、日帝はもぐもぐと口を動かしながら、渡された用紙に目を通す。
そこには、春に毎年開催される親睦会についての詳細が書かれていた。
親睦会は新入社員を歓迎するために行われる恒例のスポーツ行事であり、会社の中でも特に盛り上がるイベントの一つだ。
チームはランダムに編成され、普段接する機会の少ない他部署の社員とも自然に交流を深めることができる。
この親睦会は部署を越えた繋がりを育み、新しい風を吹き込む大切な催しとして、毎年多くの社員が楽しみにしている。
日帝は新入社員の頃、面倒だと思いながらも一応参加をしたのだが、顔見知りの先輩は一人もおらず、さらには少し厄介な人物と関わってしまい、ささやかな迷惑を被った経験がある。
加えて社内でも“変人の集まり”と有名な研究職であるせいで他の社員からは距離を置かれてしまい、誰かと仲良くなることもなかった。
そのため、一年目以降は絶対に参加しないと心に決めていた。
日帝「うーん。私は今年もいい………って、えっ!なんだ、これ」
撮影係―アメリカ(営業1課)・日帝(研究開発)
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