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ー黒い影 白い僕ー
サンクス「っ、あ……」
?「よほど苦しんでいるようですね。」
青緑色のマフラーに黒い服、
左目には花が刺さっていて、普通とは思えない人だった。
サンクス「……誰だ。この僕を笑いにきたのか?」
?「そんなつもりは無いですよ。逆にそう思わせてしまったのならすみませんね。」
ソイツの言葉はやけに丁寧で、
腹が立った。
サンクス「何だよ!さっさと帰れよ!!」
?「残念ですが、そういう訳にもいきませんでして。」
サンクス「だったら何しに来たって言うんだ!!…っあ”、!ゲホッ…!!」
?「何しにとは。ふふ、そうですね、お見舞いという所でしょうか。」
サンクス「……は、ぁ、?」
絶対嘘だ。
僕の勘がそう言っている。
?「…絶対嘘、と思っていられますね?」
サンクス「…!!」
どうして、バレた…?
?「ふふ。私が意味も無しにここへ?そんな訳無いじゃないですか。本当に、貴方のお見舞いですよ。」
サンクス「……じゃあせめて、名前を教えてよ。」
?「名前、ですか。そうですね…ハテナとでも呼んでください。」
サンクス「…ハテナ、よろしく。…僕の名前は、サンクス。まぁどう呼んでも構わないけど…」
?「サンクス…良い名前ですね。貴方にとても合う名前で。」
サンクス「……これは僕が自分でつけただけだよ。親は僕を見捨てた。そりゃそうだよ、持病のせいで外にすら出る事を許されない僕なんか…」
僕の目からは自然と涙が出ていた。
親に対する憎しみと怒り。
それも含めて僕は泣いた。
?「…大丈夫です。これからは私が貴方を守りますよ。ずっと。貴方が死んでも。」
そう言ってハテナは僕を抱きしめてくれた。
サンクス「…僕が死んでも、だなんて、嬉しい冗談言ってくれるね。」
この時間が永遠に続けば良いのに。なんて、
叶わないとは知っているけど、
それでも、
夢を見るぐらい良いじゃないかと、
僕はこの日初めて思った。