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hsrb × inm
西のヒーロー全員出てきます
エセ関西弁注意
虐待、いじめ表現あります
視点行き来してます、視点が変わる度に表記がありますので見づらくは無いと思います
いつもより長めです
inm視点
ここ数ヶ月ずっと機械が通用しない敵の任務に回されていた。
其の結果俺は他に敵が居ないかの偵察しか出来なくて敵に狙われた時は3人に庇われて。
最近の任務、俺要らなくない?
やっと3人と同じところに立てたって思ってたのに。
これじゃ足でまといだ。
なんて思って元々今日から1ヶ月程の休暇が予定されてたタイミングでオトモも、デバイスもスマホも全部拠点において歩いてたら急に俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「あ、ライ。久しぶりじゃない。」
「母さん…。」
ずっと俺の事虐待してた母さん。
「良かったら家来ない?ここの近くに住んでるのよ。」なんて言ってきた。
もしかしたらまたサンドバックにされるのかも。
でも、こんな俺をきっと叱ってくれる。
「……うん。」
「良かったわぁ。着いてきて。」
そういう母の後ろを着いていく。
家に入れてもらった瞬間殴られた。
「ちょうどサンド探してたとこなのよ。
着いてきてくれて助かったわ。」
なんて言ってる気がする。
何度も何度も殴られる。
何故だか最近のやらかしが許された気がして殴られる度に心が軽くなっていく。
きっと、怒られた時は何回も殴られてたから怒る=暴力ってイメージが着いているんだろうけど今はこの苦しさがどうにかなるならなんだって良かった。
今日は1、2時間程殴られたあたりで満足したのか空き部屋で寝かせてくれた。
相変わらずベッドは無いけど安心する。
ここが自分の居場所なのだと思ってしまうほどには心が壊れていたのに自分ですら今も気づいていなかった。
それから何日も何日も殴られては寝るという生活をしていた。
死なれたら困るからと毎日食パンだけは食べさせて貰えた。
今は拠点を出てからどれほど経ったのか分からない。
それでもヒーローとして活動している時よりかは幸せな生活を送れてる気がする。
殴られるけどそれは俺が悪いことをしたから。
説教は怒鳴ったりするんじゃなくて殴ること。
でもそれは他の人にやっちゃいけないしやられてるって伝えちゃいけない。
でも家に帰ればみんな当たり前にやられてること。
そう教わってきた。
俺が悪いことをしたから殴られる。
だから俺は悪い子。
良い子になりたくて、色んな人を助けたくてヒーローになったのに結局俺は3人みたいに、強くてかっこいいヒーローには程遠くて。
結局悪い子になっちゃった。
俺が虐められるのも嫌がらせをされるのも俺が悪い子だから。
殴られるのは俺が悪い子だから。
だから虐めてきたり嫌がらせをしてきたりするのは全部おれが悪い。
良い子になりたかった。
母に、父に愛されたかった。
でも俺が悪い子だからダメだった。
俺が良い子になったらきっと愛してくれる。
そう思ってずっと頑張ってきた。
でも俺はまだ良い子になれないらしい。
まだやらなきゃ。もっと努力しなきゃ。
良い子になったらきっと、きっとお母さんもお父さんも愛してくれる。
そうでしょ?
だから、これは悪い子な自分の罰だから。
ちゃんと最後まで罰を受けなきゃいけない。
だから、罰を受け終わったらちゃんと拠点に帰らなきゃ。
hsrb視点
ライが居なくなってから2週間が経とうとしている。
合鍵を貰っていたからとライの家に行っても居ない。
どれだけ探し回ってもいなくて東のヒーロー達に連絡を取れば来ていないと言われ先輩ライバー達に聞いてみても見ていないと言われたし受付の方に聞いても来てないと言われてしまった。
今頃ライはどうしているのだろうか。
そう思って資料を探し回ってるとヒーロー協会にライにまつわる資料があった。
本来ヒーローは入ってはいけない資料室というのがある。
今回は”鑑定士”としてヒーロー協会に来ているため入らせて貰えた。
ライの資料を探していたのだ。
少し酒を飲ませて凄いですねなんて褒めまくればライの資料があるという話をしてくれた役員がいた。
これだ。やっと見つけた。
ライだけなのかと思えばそうじゃないらしい。
ライ以外の資料を見ないようにしよう。
そう思ってライのページまで飛ばせば何やらライは親から虐待をされていた所を助けられたらしい。
それでもライは両親に愛してもらう為にと努力を続けていたのだとか。
ライからそんな話を聞いたことがないからずっと秘密にしていたのかもしれない。
資料をさらに読めばライの特性や魔力等たくさんのことが書かれていた。
特性の中に1つ気になることが書かれていた。
「…怒られた時は殴られるものだと思い込んでいる……。
この考えを直すのは困難で今も尚完全には治りきっていない、」
ここもすごく気になるが他にも気になるところがあるのでここだけは覚えておけるようにと写真を撮る。
まだまだ見終わっていないがここまで見ればもう十分だ。
ずっと俺らが庇って怪我をしたことを気にしていたから怒られようと母親の所に行ったのかもしれない。
母親の家の住所も覚えたので直ぐに資料を元に戻して出ていく。
ライ、待っててね。
俺はヒーローだし、ライの恋人だから。
絶対助けに行くから。
その時は俺と一緒にみんなの所へ帰ろう。
inm視点
今日はいつもより機嫌が悪い母さんに殴られた。
当たり所が悪くて目の周りが痛い。
それだけじゃない。
全身が痛い。苦しい。
起き上がれない。上手く呼吸ができない。
横になって少し体を守るように小さくなる。
逃げたい。助けて欲しい。
でもここに来たのは悪い子な俺を叱って欲しいから。
俺が悪い子だから。
良い子になればきっと…。
“普通”になれたはずなのに。
俺はただ”普通”に、愛して欲しかっただけなのに。
愛されたかっただけなのに。
どうしたら愛してくれるの。
ねぇ、もしかして俺の事を殴るのって俺が悪い子だからじゃなくておれがいらないこだから?
おちこぼれだから?できそこないだから?
ねぇ、母さん。
おれ、いらないこじゃないよね……?
hsrb視点
今日の任務、2人に説明をしてどうにか見逃してもらった。
あの2人ならきっと平気だから。
そう思ってこの前ヒーロー協会のお偉いさんの飲み会に行った時に貰ったライの実家の鍵を手にライの実家に走ってる。
家を出たのは夕方だったのに着いた頃には辺りが真っ暗になっていた。
息を整えてから鍵を開ける。
ライに何も傷がありませんように。
ライが苦しんでませんように。
なんて願いながら玄関のドアに手をかける。
inm視点
やっと呼吸が整ってきたところで玄関のドアが開く音がする。
ここで寝てたらまた怒られちゃうから。
早く俺の部屋に行かなきゃ。
そう思って立とうとしたけどやっぱり立てなくて。
無理やり這いつくばって部屋に行こうとしたら家に入ってきてしまった。
また怒られちゃう。
そう思ってギュッて目を瞑ったら聞き覚えのある優しくて大好きな声が俺の頭の上から降ってきた。
「ライ、」
「…るべ?」
「そうです。よく頑張りましたね、
もう大丈夫です。俺と一緒に帰りましょうね。」
「……るべ、ごめん。立てない。」
「分かってます。抱っこかおんぶ、どっちがいいですか?
……もう夜中なので人目は気にしなくて平気ですよ。」
「…抱っこがいい。」
「分かりました。じゃあ失礼しますね、?」
なんて言って俺の膝裏を左腕に乗せて俺を右手で抱きしめてくれた。
あったかい。
久しぶりに安心して目を閉じた。
きっと目が覚めたときにはるべが隣にいるはずだから。
hsrb視点
ライを抱っこして拠点に向かって歩き始めて直ぐにライが寝てしまったようで少し重みが増す。
それでもすごく軽くてもう少し遅かったら。
なんてとても肝が冷えた。
見つけられてよかった。
そう思っていればいつの間にか拠点の目の前まで来ていた。
「戻りました。」
少し控えめな声で言えば直ぐに小柳くんとカゲツが部屋から走って出てきた。
「ライは?」
「今は寝てます、やっぱりライの実家にいました。」
「よう実家にいるかもしれんってわかったな。」
「…ヒーローは立ち入り禁止の資料室あるじゃないですか。」
「あぁ。」
「そこに、ライの情報がありました。
虐待を受けていたらしいです。」
「…。」
「言っていいのかわからないですけど、
ライは殴られることと怒られることが混ざっているみたいで、だから……かもしれないですね。」
「…なんでライはそんな家に帰ろうとしたんや。」
「……きっと、叱って欲しかったんだろ。
何も出来なくて守られてるだけの自分を。」
「……先に、ライ寝かせてきちゃいますね。」
「あぁ、というかもう一緒に寝てやれよ。
きっとそれ、もう星導のこと離さないだろ。」
「それもそうですね。
じゃあ今日の件はまた明日話しましょう」
「そやな、おやすみ。」
「おやすみ」
「おやすみなさい。」
明日ライが目を覚ますまで隣に居てあげよう。
そう思って抱っこしたライを俺の部屋のベッドに下ろして俺も横に寝転ぶ。
ライが今はもう幸せな夢を見れますように。
inm視点
眩しくて目を覚ました。
でもまだ眠たくて寝返りを打てば星導の顔が近くにあってびっくりした。
「ッう……。」
昨日は……、あぁそうだ。
るべが助けに来てくれたんだ。
勝手にいなくなって勝手に苦しんでたのにわざわざ助けに来てくれた。
その事実が嬉しくてたまらなくてるべの胸元に頭をグリグリと優しく擦り付ける。
「んふ、るべ。るべ。」
「……らい、どうかしました、?」
「ん〜?ふふっなんでもない。」
なんて言えば愛おしい者を見る目で俺の事を見てくれて、頭まで撫でてくれた。
るべと付き合い始めて1年。
るべはよく頭を撫でてくれる。
でもそれがすごい嬉しかった。本当は誰にも頭を撫でられたことがなかったからるべに撫でられるのが初めて。
だから嬉しかった。大切にしてくれてるみたいで、愛してくれてるみたいで。
可愛がってくれてるのかなって勘違いしたくなるぐらい優しく頭を撫でてくれた。
「…ライ、もう少し一緒にゴロゴロしたら怪我の手当しましょう、ね?」
「…うん。」
「もし良かったらライの話、色々聞かせてください。」
なんて言われたけど何から話せばいいのか分からなくて。
「…るべは俺の何が知りたい?」
なんて聞いてみれば少し間を空けてから返答が帰ってきた。
「そうですね…。ライの昔の話も聞きたいですし、ライが考えてることも聞きたいです。」
なんて言われた。
「……ちゃんと聞いてくれる、?」
なんて聞けばもちろんです。なんて言われた。
少し嬉しくなって虐待を小さな時からされてたこと。
それが間違ったことだって知らなかったこと。
今も俺が虐待をされたことが間違ってるなんて思ってないこと。
俺が悪い子だからいけなかったのだと思ってること。
を伝えれば少し苦しそうに眉を寄せたあと抱きしめてくれた。
「ライ、教えてくれてありがとう。
もしできるならもっと教えてくれませんか?」
「あの、あのね。」
なんて話し出せば少しだけ嬉しそうにしているるべの顔が見えた気がする。
昨日思ってたことも、居なくなった時に思ったことも全部伝えた。
「ありがとう、辛い思いさせてごめんね。
ライは俺達にとって必要不可欠な存在だから迷惑かけるとか考えなくていいんだよ。」
「ライに、帰ろうって言った時ライが嫌がらなくてすごい安心したんです。
本当にあの時嫌がられなくてよかった。」
「るべ、助けてくれてありがとう。」
「ライ、ずっと俺の隣にいてくださいね。」
「もちろん。」
なんて笑えばまた嬉しそうに笑ってくれて、その顔が俺はすごい好きだからつられて笑った。
その後はもう大変だった。
るべが綺麗に丁寧に手当してくれたんだけど手当を終わったあたりでカゲツとロウが起きてきて怒られた。
でも最後の方ロウもカゲツも泣いててみんな無事でよかったって言ってくれた。
俺の居場所が分からなくなってたけど、やっぱり俺の居場所はDyticaだけだから。
俺が出来ないことも、みんなが出来ないこともあるけど其れを助け合って歩いて行けるのが仲間だと思うから。
これからはきっと前を向いて歩いて行ける気がする。
そう思って俺が怒られた時横に座り、俺の手を握って落ち着かせてくれてたるべに向かって笑いかける。
それを見たるべが少しびっくりしたような表情をしたかと思えば直ぐに嬉しそうに笑った顔に変わった。
こうやっていつまでもるべと一緒に笑い合えますように。
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