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テーブルを挟んで、向かい合わせでコーヒーを飲んでいると、ゆったりと落ち着く、ほのぼのとした幸せなコーヒータイムに、彼といつか一緒に住むような未来も想像が出来るようで、この流れなら、もしかしたらあの話も出来るかもしれないと、ふと思った……。
『──だったら、その時に合鍵の話、しちゃいなよ』
そう話すアミと、
『じゃあ、私たちと約束ね』
にっこりと笑って促すエミの顔が、頭に浮かぶ。
そうして、いざ合鍵の話をしようと思い切ってはみたのだけれど、口から出てきたのは、「あ……あ、い……」なんていう、たどたどしい言葉だけだった。
「うん? 何か言ったか?」
カップを手に、彼が首を傾げる。
「えーっと、その、あいか……」……言えない! 「合鍵がほしい」だなんて、とてもじゃないけど、自分からは言えないっ……!
「あいか? なんだ?」
「なん、なんでもないですぅ……あはは」
笑ってごまかすことしかできない、ヘタレな私……。
アミとエミの二人に背中を押されて、今日こそはと自宅の家の合鍵だって、こっそりとカバンに忍ばせてきたのに……。
「はぁー……」と、ため息をついて、コーヒーを飲んでいると、
「そうだ……」と、ふと彼が思いついたように、口を開いた──。