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私
の名前は佐藤 優樹 高校2年生。
今日は待ちに待った高校の入学式! これからどんな楽しいことが待っているんだろう! そう思いながら家の玄関を開ける。
ガチャッ
「行ってきます!」
元気よく家を出る。
(よし!学校までダッシュしよう!!)
ドタッドタッドン!!!
「うわぁあああ!!」
曲がり角で人とぶつかる。
「痛てぇえ……」
「ごめんなさいっ」
「あぁーん?」
「ひっ!」
「…………」
「あのっ!えっとっそのっ!すみませんでしたっ!!」
「チッ……」
「あっ……はい……そうですよね……すみませ──」
「お前みたいなクソ野郎が謝んじゃねぇよ!!ぶっ殺すぞ!?」
「っ!」
「おいテメェコラァア!!何逃げようとしてんだゴラァ!!」
「あーん!?やんのかオラぁああ!!」
「この野郎!ぶっ殺すぞボケぇええ!」
「調子こいてんじゃねぇよクソガキぃいい!」
「てめぇのその面二度と拝めないようにしてやろうか?」
「ちょっと待ってください皆さん落ち着いてくださ―――」
「うっせぇんだよぉおお!!!黙ってろやぁああ!!!」
「お前マジでムカつくんだけど!ふざけてんの?喧嘩売ってんの?買ってもいいよね?ねっ?」
「ごめんなさい許して下さい本当にすみませんでしたもう二度と言いませんだから殴らないで蹴らないで踏まないで痛いの嫌ですお願いします何でも言うこと聞きますだからどうか命だけは助けてください」
「うるさいうるさいうるさいうるさいウルサイウルサイウルサイワタシノジャマヲスルナドケドケダレニモワタサンゾオマエハソコデジットキイテオクンダドウシテコウナッタノカソノイノチアルカギリワスレルナヨコレカラオレガオシエテアゲルコトナンカカンケイナイシネバイツデモコロシテヤルカラヨロシクネ?」病名:忘却花病 ここ最近、とある地方で奇妙な病気が流行している。発病した者は何かを忘れるようになるのだそうだ。忘れるということがどういうことなのかよくわからないけれど、とりあえず覚えていられないらしい。この病気のせいで、その人は自分が誰でどこに住んでいたのかすらわからなくなるんだとか。
記憶喪失といえば、「あぁ、そうなんですねー。じゃあお名前教えてください。僕は山田太郎といいまして、えぇ、はい。はい、わかりました。お気をつけて行ってください」で済む話だが、俺の場合は違うらしい。
俺は今年で20歳になる大学生。名前は『佐藤亮太』。親には3年前に離婚してもらって今は母子家庭になっている。
母さんはとても優しくて美人だけど、父さんのことが忘れられないのか再婚しようとはしていないようだ。
そしてこの日、俺はいつも通り大学の講義を受けて帰宅しようとしていたのだが――
「ん?」
家に向かって歩いている途中で妙なものを見つけた。それはまるでRPGゲームに出てくるような魔法陣のようなもので、その中心に何かがあるのだ。
俺は興味本位で近づいてみたんだが……そこで急に強い光に包まれてしまい視界を奪われる。
光が収まった時にはもうそこには何もなく、先ほどまでいた場所とは違う場所に立っていた。
「ここはどこなんだ?」
気がつくと僕は見知らぬ土地にいた。
目の前には巨大な滝がある。
辺りを見回すと一面の花畑が広がっていた。
(綺麗だな)
そう思った次の瞬間―――
僕の体は宙に投げ出されていた!
「うわああぁあ!?」
真っ逆さまに落ちて行く中、僕は自分の身に何が起きたのか理解できずにいる。
突然の出来事に頭が追いつかないのだ。
ただひとつだけ言えることがあるとすればそれは僕が死んだということだけだ。
「くそっ!」