テラーノベル
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とある日のライトコールの城の中。双子の兄弟が仕事をしている。
「私達は、叶わないとわかっているのに好きになってしまうみたいだな」
兄が私に話しかけてきた。
「急に何を……。そうですか……、兄さんも――」
叶わない、それはつまり兄もまた、メリエル様に? それとも、……カナ様に恋心を抱いていたのだろうか。
「変なところだけ、似るんだな」
「そうですね」
あれから、私達はやることに追われ、バタバタとした日々を送っていた。
「あの二人のおもりはあれで終わったのか?」
「ええ」
突然現れた、リサ様の子供と言い放つ、男女の双子の子供達。その子達の冒険に、私が指名され付き合わされたのも最近の事だ。
「結婚を迫られたそうだな」
ブッと、吹き出してしまった。
「何処でその話を――」
私は悟られまいと、姿勢を正すが兄は容赦なく続ける。
「しかも、二人の少女に――」
また、吹き出してしまう。何故、兄はそのことを――。
「どう答えたんだ?」
「どうもこうもありません。二人とも子供なのですから。ただの憧れでしょう。きっとすぐに忘れますよ」
「……そうか」
カリカリと、仕事に戻った兄はそれ以上その話には触れなかった。
ーーー
あれは、恋だったのだろうか。
リサ様に持っていたあの気持ちは、忠誠に近い何かだと思っていたのだが。いや、そう思おうと思っていただけか……。
私は、くるくると動く彼女の表情を思い出しながら歩いていた。
ぐぅぅぅぅ
そうそう、こんな感じのお腹の虫を飼っていて、いい声で鳴いていた――。
「ルードさん」
それほど時間がたったわけではないけれど懐かしく感じる、彼女の声が、私の耳に届く。
と……どく……?
「ルードさん!」
声のする方へ振り向くと、美しい黒髪の彼女、リサ様がそこに立っていた。
「リサ様?!」
何故、もとの世界に帰ったはずでは?
私は彼女をじっと見た。
――違う。そうだ、彼女の瞳の色が、青みがかっている。
「約束しましたよね? 私が大人になったら、いいよ。って……」
約束……、それは同時に迫ってきた魚人の少女と冒険に付き合った双子の女の子の方、ミツキにした。きっと、その頃にはそのような約束は忘れて別の人と――、と思い交わした…………。
「私、大人になりましたよ?」
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榎本くもり
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コメント
1件
番外編、めっちゃ良かった…!双子の兄弟が「叶わない恋」って言葉で通じ合うところ、胸にグッときたわ。ルードさんが「恋だったのかな」って振り返る場面と、最後に「大人になりましたよ?」って言うリサ様(っぽい人)が来たところ、続きが気になりすぎる!お腹の虫ネタでちょっと笑ったし、キャラの距離感と時間の経過を感じさせるエピソードだった。次の話、待ってます🔥