テラーノベル
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数日後。
夜。
目黒と阿部は、PVを撮影したあの場所へ来ていた。
街の灯りが一面に広がり、穏やかな夜風が二人の髪を揺らす。
撮影の日と同じ景色。
けれど、あの日とは少しだけ気持ちが違っていた。
阿部はスマートフォンを取り出し、公開されたPVの画面を開く。
再生回数は、公開から数日とは思えないほど伸びていた。
コメントも止まることなく増え続けている。
「……すごいね。」
阿部が小さく呟く。
「予告も何もしなかったのに。」
「こんなにたくさんの人が聴いてくれるなんて。」
目黒も画面をのぞき込み、思わず笑った。
「本当に。」
「スタッフさんもびっくりしてたもんね。」
二人はしばらく夜景とスマートフォンを交互に眺めた。
目黒は少し苦笑いを浮かべる。
「実はさ。」
「事務所から今日も連絡が来て。」
「うん?」
「少しずつ仕事に戻る予定だったのに。」
「歌番組のオファーばっかりなんだって。」
阿部は思わず吹き出した。
「やっぱり?」
「うん。」
「収録の音楽番組だけじゃなくて。」
「『ぜひ生歌で披露してください』っていう依頼が何件も来てるらしい。」
「ありがたいけど。」
「ちょっと予想外だった。」
阿部は夜景を見つめながら静かに笑う。
「復帰一発目が歌番組ラッシュなんて。」
「俺たちらしいかも。」
目黒も肩をすくめる。
「少しずつって言ってたのにね。」
「計画が少し狂っちゃった。」
阿部はそんな目黒の言葉に優しく笑った。
「ちょっと大変だけど。」
「めめと二人なら大丈夫だよね。」
目黒はその言葉に少し目を丸くしたあと、安心したように笑う。
「うん。」
「一人だったら不安だった。」
「でも。」
「あべちゃんと一緒なら大丈夫。」
阿部は目黒の手をそっと握る。
「この曲も。」
「二人で作った。」
「ここまで来られたのも。」
「二人だったから。」
目黒は優しく握り返す。
「これからも。」
「二人で一つずつだね。」
「うん。」
「焦らない。」
「無理もしない。」
「でも。」
「前には進む。」
二人は並んで夜景を見つめる。
数週間前。
この景色を見ながら歌った時は、まだ少し不安の方が大きかった。
今は違う。
未来への期待が、不安を少しずつ追い越し始めていた。
目黒が静かに笑う。
「次にここへ来る時は。」
「歌番組の収録が全部終わったあとかな。」
阿部も笑顔で頷く。
「その時は。」
「『お疲れさま』って言いに来よう。」
「約束。」
「約束。」
二人は指を絡めながら、輝く街の灯りをいつまでも眺めていた。
コメント
7件
素敵な作品をありがとうございます(*˘︶˘*).。*♡いつも更新を楽しみにしています。 私は「ボクとキミと」が好きです💚

良かった😭 さすがメンバーですね。 直接言いたいで皆んなが集まるんだもの😃 2人でしっかり支え合いながら お幸せに🥰 コンセプト違うかもだけど なぜか360mが 浮かびました。
このお話感動しました🥹 私はWe'll go together、愛のせいでが好きです❤️
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