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なにわ男子 長尾×大西 BL ※短編×非エロ
start
┈
玄関の鍵を回した瞬間、
家の中が静かすぎて、ちょっと笑った。
「……もう寝てるん?」
リビングの灯りは消えてて、
寝室のドアが少しだけ開いてる。
そっと覗いたら——
「……え、」
ベッドの上、
俺のシャツ一枚だけ着た流星くんが、
丸まって寝てた。
その声で、
ゆっくり目を開ける。
「……謙杜?」
眠そうな声。
そのまま、俺を見る。
「……おかえり」
それだけで、
胸の奥がぎゅってなる。
「ただいま」
近づいた瞬間、
流星くんが腕を伸ばしてくる。
「……来るの遅い」
拗ねたみたいに、
でも甘える手つき。
「待ってたん?」
「……うん」
それ言われたら、
もう逃げ道ないやろ。
ベッドの端に腰掛けた瞬間、
シャツの裾、きゅって掴まれる。
「謙杜」
上目遣い。
……あー、あかん。
「何?」
顔、近づけて、
耳元で低く。
「……誘ってんの?」
流星くん、
一瞬で赤くなる。
「ち、ちが……」
否定しきる前に、
首筋に指。
なぞるだけ。
「彼シャツで」
「それ言われてもなぁ」
囁くと、
小さく息を呑む音。
「……ずる」
「今さら?」
そう言って、
顎に軽く指をかけて、顔上げる。
見つめ合う距離。
一秒、
二秒。
——ちゅ。
唇に、軽く。
離れたと思ったら、
すぐもう一回。
今度は少し長く。
「……ん」
流星くんの声、
柔らかくて。
腰に手、回す。
逃げようとしたら、
そのまま引き寄せる。
「待って」
低く。
「まだ」
指、絡めて、
ほどかへん。
「謙杜……」
甘えた声で呼ばれるの、
反則やって。
首筋に、
またキス。
唇じゃないところ。
「……ここ好きやろ」
囁いたら、
小さく頷く。
「付き合ってるから」
「知ってること、いっぱいある」
そう言って、
額を軽く当てる。
息が混ざる距離。
「……今日は」
流星くんの手、
俺の服掴んだまま。
「一緒に寝て」
その言葉に、
小悪魔みたいに笑ってしまう。
「……しゃーないな」
最後にもう一回、
唇にキスして。
電気消す前、
流星くんの耳元で。
「ちゃんと」
「続きは後な」
——そう囁いたら、
腕の中で小さく震えたの、
見逃すわけなかった。
┈
finish