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#おんりー
ゼオ氏
165
202
#おおはらMEN
ドズル社好き
107
#おんおら
ドズル社好き
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「おはよーございまーす」
おらふくんが通話に入ると、すでに何人かが集まっていた。
「おはよー!」
「おはようございます!」
「お、来た来た」
いつも通りの朝。
……のはずだった。
「……で?」
ドズルが、挨拶もそこそこに切り出した。
「昨日、どうなった?」
「…………え?」
おらふくんの声が、見事に裏返った。
「いや、だから! 昨日! おんりーと話すって言ってたじゃん!」
「あー……」
おらふくんは、露骨に言葉を濁した。
「……まあ、いろいろ?」
「いろいろ!?」
ぼんじゅうるが食いついた。
「その『いろいろ』を聞いてるんだけど!」
「いやいや、朝から何なんですか!?」
「お前らが昨日から怪しいからだよ!!」
ドズルが即答する。
「で、結局どうなったの?」
「…………」
おらふくんは黙った。
その沈黙だけで、ぼんじゅうるは察したようだった。
「……あー、これは」
「何ですか!?」
「うまくいった顔してるわ」
「してないです!!」
「いや、してるしてる」
「してないってぇ!!」
その時。
「おはよ」
少し遅れて、おんりーが通話に入ってきた。
「おはよー!」
「おはよう!」
「お、主役来たじゃん」
「……何の主役?」
おんりーが不思議そうに聞く。
ドズルは、待ってましたと言わんばかりに声を張った。
「おんりー!! 昨日、おらふくんと何があった!?」
「…………は?」
おんりーの声が、一瞬で低くなった。
「いや、何もないけど」
「出たぁぁぁ!! 何もない!!」
「本当に何もないって」
「じゃあ、なんでおらふくんが朝からニヤニヤしてるの!?」
「ニヤニヤしてへん!!」
「してるよ!!」
「してないですって!!」
おんりーは、思わずため息をついた。
「……おらふくん、何か言ったの?」
「えっ!? 俺!?」
「他に誰がいるんだよ」
「いや、何も言ってへんよ!?」
おらふくんは慌てて否定した。
そして、少しだけ声を落として。
「……おんりー、おはよ」
「…………」
おんりーが、ぴたりと黙った。
「…………おはよ」
ほんの少しだけ、声が柔らかくなる。
その変化を。
メンバーは、全員聞き逃さなかった。
「…………」
「…………」
「…………」
数秒の沈黙。
そして。
「おい!!!! 声!!!!!!」
ドズルの絶叫が通話を揺らした。
「今の何!? 今の何なの!?」
「え、何が!?」
おらふくんが困惑する。
「おらふくん!! お前、今のおんりーへの声、何!?」
「普通やん!!」
「普通じゃないよ!!」
ぼんじゅうるが笑いをこらえながら言った。
「いやぁ……おらふくん、分かりやすいねぇ」
「ぼんさんまでぇ!?」
「それに、おんりーも!」
「……俺?」
「今、返事する時ちょっと笑ったでしょ」
「笑ってない」
「笑ってた」
「笑ってないって」
「いや、笑ってたね」
「…………」
おんりーは、そこで黙った。
いつもなら、もっと強く否定していたはずだった。
けれど今日は。
否定する言葉が、見つからなかった。
だって。
昨日、おらふくんと恋人になったのだ。
今までと同じように話したい。
今までと同じように、一緒にゲームをしたい。
でも、少しだけ違う。
声を聞くだけで嬉しい。
名前を呼ばれるだけで、胸があたたかくなる。
そして、昨日までなら「相棒だから」と言い聞かせていた気持ちを、もう隠さなくていい。
「……ねえ」
ぼんじゅうるが、妙に優しい声で尋ねた。
「もしかしてさ」
「…………」
「付き合った?」
おんりーは、黙った。
おらふくんも、黙った。
ふたりの沈黙が、何より雄弁だった。
「「「「あーーーーーー!!!!!!」」」」
通話が爆発した。
「やっぱりぃぃぃ!!」
「ほらぁぁぁ!!」
「昨日の時点で怪しいと思ってたんだよ!!」
「おめでとうございます!!」
「ちょっと待って、いつから!? 昨日!? 昨日の何時!?」
「時間まで聞かんでええやろ!!」
おらふくんが必死にツッコむ。
「いやいやいや、気になるじゃん!」
「気になりすぎだろ!!」
おんりーも負けじと叫んだ。
「……お前ら、朝からうるさすぎ!」
「だっておんりー!!」
ドズルが勢いよく言った。
「お前ら、ずっと両片思いしてたんだろ!? こっちは何回も『なんでそんなに遠回りしてんの!?』って思ってたんだよ!!」
「…………え?」
おんりーが固まった。
「……バレてたの?」
「バレバレだよ!!」
ぼんじゅうるが即答した。
「いや、本人たちだけだよ。気づいてなかったの」
「うそだろ……」
おんりーが頭を抱える。
「……俺、そんな分かりやすかった?」
「うん」
おらふくんが、即答した。
「…………おらふくん?」
「あっ」
「お前もかよ!!」
「ごめん!! でも、ほんまに分かりやすかったんやもん!!」
「どこが!?」
「おんりー、俺が他の人と話してる時、たまにこっち見てたやん」
「…………っ」
「あと、俺が褒めたら、ちょっとだけ黙るし」
「…………」
「それに、昨日……」
「昨日の話はするな!!!!」
おんりーの声が、今度こそ通話に響いた。
「はいはいはい、そこまで!」
ぼんじゅうるが楽しそうに笑う。
「まあ、何にしてもよかったじゃん」
ドズルも、さっきまでの大騒ぎを少しだけ落ち着かせた。
「おめでとう、ふたりとも」
その言葉に、おんりーは一瞬だけ目を伏せた。
「……ありがと」
おらふくんも、嬉しそうに答える。
「ありがとうございます!」
「で?」
「……まだ何かあるんですか!?」
おらふくんが身構える。
ぼんじゅうるは、にやっと笑った。
「おんりーのこと、これから何て呼ぶの?」
「…………え?」
「いや、今まで通り『おんりー』?」
「……そうですけど?」
「ふーん」
ぼんじゅうるが意味ありげに頷いた。
「じゃあ、呼んでみてよ」
「はぁ!?」
「ええやん、普通に!」
ドズルまで乗ってくる。
「ほら、おらふくん!」
「いやいや、何でそんなこと……!」
「おんりー、って!」
「…………」
おらふくんは、しばらく黙った。
それから。
「……おんりー」
たった四文字。
いつもと同じ呼び方。
なのに。
昨日までとは、ほんの少し違った。
声が柔らかい。
嬉しさが、隠しきれていない。
大切な人の名前を、そっと呼ぶような声だった。
「…………」
おんりーは、完全に固まった。
「…………」
メンバーも、固まった。
そして。
「だから声!!!!!!」
ドズルの絶叫、再び。
「何今の!? 何今の優しい声!?」
「いや、普通やって!!」
「普通じゃない!!」
ぼんじゅうるは、とうとう笑い出した。
「いやぁ、これはダメだ。朝から糖分が多すぎる」
「ぼんさん!!」
「おらふくん、もうちょっと隠せよ!」
「隠してるつもりなんですけど!?」
「隠せてないよ!!」
おんりーは、片手で顔を覆った。
「……もう、やだ……」
「え、おんりー?」
おらふくんが、少し心配そうに呼ぶ。
「……何」
「大丈夫?」
「……大丈夫じゃない」
「ええっ!?」
おらふくんが慌てる。
けれど、おんりーは顔を隠したまま、小さく付け足した。
「……お前のせい」
「…………え?」
一拍。
二拍。
そして。
「うわぁぁぁぁぁ!!!!!!」
今度は、おらふくんが叫んだ。
「何それぇぇぇ!!」
「……うるさい!!」
「いや、だってぇ!!」
「ふたりとも一回ミュートにして!!」
ドズルのツッコミが飛ぶ。
けれど、おんりーは顔を隠したまま。
おらふくんは笑いながら。
ふたりとも、通話から抜けようとはしなかった。
その日の夜。
作業が終わり、メンバーとの通話も解散したあと。
ふたりは、また別の通話に残っていた。
「……今日、めっちゃいじられたな」
おんりーが言う。
「ほんまやなぁ……」
おらふくんが笑った。
「……でも、ちょっと嬉しかったかも」
「……何が?」
「みんなに、おんりーと付き合ってるって知られたこと」
おんりーは、少しだけ黙った。
「……俺は、恥ずかしかった」
「うん、知ってる」
「……じゃあ聞くなよ」
「ふふっ、ごめん」
少しの沈黙。
それから、おらふくんが、ゆっくりと言った。
「……でもさ」
「……ん?」
「俺、これからもずっと、おんりーの相棒でいたい」
おんりーは、画面の向こうを見つめた。
「……うん」
「それで、相棒だけじゃなくて……恋人としても、隣にいたい」
おんりーの胸が、じんわりとあたたかくなる。
「……欲張りだな」
「……あかん?」
「……いや」
おんりーは、少しだけ笑った。
「……俺も、同じだから」
おらふくんは、嬉しそうに目を細めた。
「……そっか」
「……うん」
そして、おんりーは、ほんの少しだけ勇気を出した。
「……おらふくん」
「ん?」
「……好きだよ」
今度は、照れ隠しをしなかった。
おらふくんは、驚いたように目を見開いて。
それから、いつもの笑顔で答えた。
「……俺も。大好きやで、おんりー」
もう、隠さなくていい。
相棒として。
恋人として。
これからも、何度だって名前を呼べる。
ふたりの関係は、昨日までとは少しだけ変わった。
でも、大切なところは何も変わらない。
一緒に笑って。
一緒に悩んで。
同じ景色を見て。
そして、これからは。
その手を、もう離さなくていい。
相棒で、恋人。
ふたりの物語は、ここからも続いていく。
コメント
1件
最終話、読み終えました…!朝の通話のやりとりから始まって、最後の「好きだよ」までもう全部が可愛くて、ずっとにやにやしちゃいました(笑)。特に、おらふくんが呼ぶ「おんりー」の声が昨日までと違うってメンバーにバレるシーン、めっちゃ好きです。相棒から恋人になったその距離感の変化が、大げさじゃなくじんわり伝わってきて、すごく温かい気持ちになりました。完結おめでとうございます、素敵な物語をありがとうございました🌷