テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
351
419
ろと。
18,348
キヲヌイテ。
50
コメント
1件
んーまっ(*´³`*) ㄘゅ💕
数日間、三人は根気よく同じ話を続けていた。
藤澤も、綾華も、押しつけじゃなく、ただ「続けたい」という気持ちだけで向き合っていた。
そしてある日。
元貴は、ついにため息混じりに口を開く。
「……で、何日やんのそれ」
三人が少し息を呑む。
藤澤が慎重に答える。
「できればずっと、だけど……まずは一ヶ月くらい」
髙野も続ける。
「それでダメなら、その時考えよう」
綾華はまっすぐに元貴を見る。
「無理に続けてとは言わない。でも、一回だけでもいいから」
一瞬の沈黙。
元貴は視線を外したまま、指でギターケースを軽く叩く。
「……しゃーなしで一日ね、」
三人が顔を上げる。
元貴は淡々と続ける。
「一日やって、俺が吐きそうだったら帰る」
空気が少しだけ止まる。
でも、その言い方はさっきまでの拒絶とは違っていた。
完全な否定ではない。
“試す”と言っている。
藤澤が小さく息を吐いて、少しだけ笑う。
「……それでもいいよ」
綾華と髙野も頷く。
「まずはそこからだな」
元貴はそれ以上何も言わない。
ただ、少し面倒そうに肩をすくめる。
「勘違いしないで欲しいのはあいつのためじゃないから、しつこいから一日だけ。」
その言葉に三人は否定しない。
「分かってる」とだけ返す。
そのやり取りの横で、少し離れた場所にいる若井は、まだ何も知らないまま、ギターを静かに手入れしていた。
いつも通りの顔で。
いつも通りの距離で。
それが、この“試す一日”の始まりだった。