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「すご、、めっちゃ綺麗」
萩原の服も買って、17時頃に水族館に入館した。やはり夜前なので人が多い。
「予想以上にすごいな」
萩原も案外ちゃんと鑑賞してくれているようで安心した。
光が水に反射して、水に色があるように見える。
「魚光ってるよ」
「魚は光ってねえけど」
「見てくらげ!」
私が指さして言うと、萩原はいつもの何ともない顔でおお、と言った。
「くらげって危ないんだよな、かわいい見た目してるけど」
「刺されたらな」
「あこの魚かわいい!」
「、、なんなんだよお前」
あーだこーだ話しながら見回っていると、館内の鑑賞はもう終盤に近づいていた。
「久しぶりだ」
突然萩原が小さい声でそうつぶやいた。
「ん?」
「水族館なんて小学生以来行ってなかった」
「なかなか行かないよな、水族館って」
「、、そもそも」
何かあるのかと思ったが、萩原の言葉はそこで止まった。
「、、そもそも?」
「誰かと出かけんのも、もういつぶりなのか覚えてない」
萩原は、過去に何かあったような感じがする。前にも一度思ったことがある。
「、、楽しい?」
私は微笑みながら聞いた。
「意外とな」
「楽しくなるって思ってなかったのかよ〜」
心中は、こんなもんじゃない。
胸が熱い。