テラーノベル
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館の外は中より人が多かった。
たくさん歩いて疲れたので、そこにある椅子に座ってゆっくりすることにした。
「水族館すごかったな」
「そうだな」
外の光も本当に綺麗だった。イルミネーションは毎年感動する。
「写真撮ろーよ」
「?うん」
「いや、その、二人で」
「ああ」
青い光を背景に写真を撮り、ありがとうと言った。
「昨日、酒井が謝ってきた」
「、え?」
そういえば、私も昨日酒井に。
「駅の近くで会って、今まで悪かったって」
「そっか、よかった」
「花田に怒られたって」
酒井、そのことまで言ったのか。
「いや、別に怒ったつもりはなかったけど」
「どこまでいい奴なんだ」
「、誰が?」
「花田」
「、、そりゃー、ね」
萩原がこっちを向き、目が合った。
「友達なんだし」
「そうか」
萩原は、そうとだけ言った。
「今日は一緒に来てくれてありがとね」
方面が逆なので、駅の改札を通ったところでお別れだ。
「ああ」
少しだけ、寂しかった。
「これ」
萩原は何かを私に差し出した。
二つの綺麗な色のくらげのチャームだった。
「一個は西尾に渡しといて、チケットのお礼に」
「、、うん」
「もう一個は、、もらっていいの?」
「ああ」
「、、クリスマスプレゼント、的な?」
「諸々のお礼に」
こんなの、嬉しいに決まってる。
「、、ありがとう」
「もう電車来るぞ」
「あ、うん、じゃ」
ホームに上がる階段の前で、萩原に手を振った。
嬉しくて、嬉しくて、
好きで、仕方ない。
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