突然だが好きな教科はあるだろうか
地理?古文?数学?音楽?
まぁ、なんだっていい
数学が好きで古文が苦手
そういう人がいれば理系に進むだろう
わかんないけど
体育が好きでバスケが好きならバスケ部に入るのではないだろうか
わかんないけど
とにかく、何かに一生懸命になることは素晴らしい
学生時代、夢中になったことは誰しもがあるのではないか?
俺は現役だけど
ここからは俺の話をしよう
俺は男子校に通う高校1年生
高校の大事な3年間、勉強なんて捨てる気でこの学校に来た
勉強なんかやってる暇じゃない
もっと大事なことがある
中学の時の友達と約束した
次に会う時は友達の人数倍にしてろよって
でも中学のときは考えもしなかった
科学がこんなに面白いなんて!!!!
今年の4月
俺は科学研究部に入部した
両親からはどういう風の吹き回しかと思われたに違いない
高校に入るまで俺は勉強をしたことがなかった
興味が無かったし
でも!この高校の部活紹介の時雷に撃たれたような衝撃が走った
科学研究部だけ実験室での部活紹介だった
中学では触れないような専門的な科学
危ないからと触る機会はなかった薬品
中学よりもずっと広い実験室
こんなに心が踊ったことはない
なんでもこの高校は科学に力を入れているらしく、設備も整っている
俺は一目惚れして科学研究部に入部することを決めた
その数日後。担任から衝撃的なことを告げられた
なんと科学研究部は限られた人数だけが入れる特別な部活だと言う
しかも入るには条件がある
1、偏差値70以上
2、入学試験全教科70点以上
3、科学研究部入部試験に合格
1、2は既にクリア済み
問題は3
科学研究部入部試験は順位ではなく点数で判断される
合格点は85点
入学試験、理科と数学は90点代だったけどさすがに心配だ
俺は初めて科学研究部入部試験に向けて自主的に勉強をした
範囲は中学3年間の内容
試験まであと1週間
まぁ…いけるっしょ!!!
なんやかんやあって今日が試験当日
大丈夫、やれることはやった
はず
なんとかなる
「それでは、試験を開始します」
「よーい…始め」
ん?これ、全部記号問題?
次の実験から分かる結果と考察のレポート…
これ、中1の問題では?
密度の計算?被子植物?
もしかしてこの部…
頭悪い…?
まぁ、そんな衝撃をうけて結果発表日
どうせみんな95点とかだろ…
「では、1位を発表します」
俺、100点とれてるよね?
もしかしないよね?
「得点100点、白上千隼(しらかみ ちはや)」
よかった…
やっぱりそうだよね
みんなとれてるよね
「同率1位、葉崎拓哉(はざき たくや)」
俺の予想だと10人はいると思う
そんな人数絞られないと思うけどなぁ
「同率1位、南陽斗(みなみ はると)」
「同率1位、八木奏太(やぎ かなた)」
「同率1位、往川風太郎(よしかわ ふうたろう)」
ふうたろうってかっこいいな名前
「以上5名、科学研究部入部試験合格です」
「え?合格点は85点じゃ」
「えぇ。85点以上の方は2次試験に進むことになります。実験室の前に順位表と2次試験の内容を張り出しておくので今日中に確認お願いします」
「そして、合格者5名の方1限目実験室に来てください」
「以上で発表を終わります。自分の教室に戻ってください」
状況が掴めないまま実験室に押し込まれた
意外と扱いが雑い
「さぁ!ようこそ科学研究部へ!!この部にきたら毎年恒例!!この高校と科学研究部についての説明をさせてもらう!!」
「まずは自己紹介だ!!僕は科学研究部4年リーダー。安達海(あだちかい)だ!!敬語もさんづけも要らない!!同学年と思って話してくれ!!」
「そして隣が、」
「副リーダーの高田綾(たかだあや)でーす!!」
「じゃあ1年生の自己紹介も聞こうかな?」
「白上千隼です。よろしくお願いします」
「葉崎拓哉でーす!よろしくお願いします!」
「南陽斗です!お願いします!」
「八木奏太です。お願いします」
「吉川風太郎です。よろしくお願いします!」
「おぉー。いいねぇ!じゃ!この高校について紹介しよう!」
「この高校。上風(かみかぜ)工業高等専門学校は国の中でもトップに入れる高専だ!」
「設備は勿論!入試の難しさも日本1!君たちよく合格してきたよ!」
「その中でもこの科学研究部に入れるのは極わずかな人数!ま、それは後で触れるけど」
「まずはこの学校の設備を具体的に説明しよう!」
「あやちんよろしく!」
「はいよー!まずこの図をみてくれ!」
「実験室が5つ…?」
「そう!この高専には実験室が5つある!」
「高専と1括りに言ってもいくつかの『科』にわかれてるからね!」
「その中でも君たちが受けたのは応用化学科。倍率がものすごく高いらしいね!」
「ま、いいや!君たちが今いるこの棟は応用化学科の第1棟!第2棟には実験室がまた5つある!!」
「詳しくは配るプリントに書いてあるから後で目を通しておいてね!」
「ありがとうあやちん!じゃあ次はこの科学研究部についてだ!」
「この科学研究部。通称科学研には学年ごとにリーダーがいる!」
「その代わりに部長がいない!これが他の部活と異なる点だ!」
「そして!リーダーは科学研入部試験の最後の問題!レポートの書き方で決まる!」
「じゃあもう決まってるから早速発表するよ!」
「1年生のリーダーは…」
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