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『大丈夫じゃねぇだろ』「……っ」
玲王の足が、一瞬止まった。
「玲王?」
凪がボールを持ったまま振り返る。
「……なんでもねぇ」
玲王はそのまま走り出した。
けど、さっきからおかしい。
いつもなら凪の動きを先回りして指示を出す玲王が、今日は何度も判断を遅らせている。
「玲王、今日遅くない?」
「そうか?でも最近ちょっと寝不足なんだよ」
「ふーん」
凪はそれ以上言わなかった。
その代わり、ずっと玲王を見ていた。
少しして、斬鉄が玲王の前に立つ。
「御影」
「ん?」
「お前、顔が白い」
「は?」
「白い」
「だから元からだっての」
「いや、今日のお前はさらに白い」
「なんだよ、それ」
玲王が笑う。
けれど、その笑顔も少し無理をしているように見えた。
「休んだ方がいい」
「大げさだって。これくらい平気――」
言い終わる前だった。
視界が、ぐらっと揺れた。
「……っ」
玲王がよろける。
「玲王!」
凪がすぐに駆け寄った。
「おい、大丈夫?」
「……平気」
「いや平気じゃないじゃん」
「ほんとに……ちょっとクラッとしただけ」
玲王は凪の腕を離そうとする。
その瞬間。
また身体がふらついた。
「玲王!」
今度は斬鉄が反対側から支える。
「だから言っただろう。休め」
「……悪い」
「謝らなくていい」
凪が玲王をベンチまで連れていく。
「座って」
「でも練習――」
「無理」
「凪」
「無理なものは無理」
珍しく、凪が即答した。
玲王が少し驚く。
「……お前、そんな顔すんのな」
「玲王が倒れそうだから」
「倒れてねぇって」
「倒れそうなのもダメ」
斬鉄が水を渡す。
「ゆっくり飲め」
「サンキュ」
玲王は水を飲みながら、少し黙った。
「……たぶん貧血だな」
「やっぱり?」
「前にも似たようなことあったし」
凪の眉が寄る。
「言ってよ」
「いや、たいしたことじゃ――」
「たいしたことある」
「……」
凪が玲王を見る。
「玲王ってさ」
「ん?」
「自分のことになると、適当だよね」
「お前にだけは言われたくねぇよ」
「俺はいいの」
「なんでだよ」
「玲王がいるから」
「……ったく」
玲王は呆れたように笑った。
斬鉄も真面目な顔で続ける。
「御影は周りのことばかり考えすぎだ」
「斬鉄まで……」
「だから今日は俺たちが考える」
「……」
玲王は二人を見た。
凪は隣に座ったまま動かない。
斬鉄も少し離れたところで様子を見ている。
「……分かったよ」
玲王が小さく息を吐く。
「今日は休む」
「ん」
「それでいい」
「お前ら、ほんっと過保護だな」
「玲王だから」
「俺だから?」
「うん」
凪は眠そうな顔で答えた。
「玲王が無理してると、嫌だから」
玲王は一瞬黙って――
「……そっか」
少しだけ笑った。
「じゃあ、今日だけ甘えさせてもらうわ」
「今日だけじゃなくていいよ」
「凪」
「なに?」
「……そういうことサラッと言うな」
「?」
斬鉄が首を傾げる。
「俺は意味を理解した」
「お前は理解しなくていい!」
玲王のツッコミが響く。
さっきまでの青白い顔にも、少しだけいつもの表情が戻っていた。
凪と斬鉄は、そんな玲王を見てようやく安心した。
次は偏頭痛!
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ごりちょん
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コメント
1件
美月ゆめか🌸だよ〜!!💕 第1話、読んだよ!!もうね、冒頭の凪の「大丈夫じゃねぇだろ」からの玲王の違和感、一瞬で引き込まれた😭✨ 凪が珍しく即答で「無理なものは無理」って言うとこ、めっちゃグッと来た…。普段あんまり言わないからこそ、玲王のこと大事なんだなって伝わるね😢💕 斬鉄の「お前の顔今日はさらに白い」も含めて、周りに支えられてる玲王が尊すぎる〜!! 次は偏頭痛!?続き気になるよ〜!!