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天使か悪魔か
十五時。
短い休憩。
外の喫煙所は、
少し風がある。
ポケットの中のスマートフォン。
既に、
返信が来ているのは分かっていた。
開く。
もしよかったら、
うちの子も連れて行こうかなって思ってます。
お友達ってことで会えたら、
自然かなって。
……。
一度、
最後まで読む。
意味が、
うまく繋がらない。
もう一度読む。
子どもを、
連れて行く。
友達として会う。
自然。
そこで、
理解が落ちる。
なるほど。
都合がいい。
思ってしまった。
友達と出かける。
そこに子どもがいる。
偶然を装える。
嘘が、
嘘らしくなくなる。
肺いっぱいに、
煙を吸い込む。
いつもより、
深い。
長い。
吐き出す。
彼女は、
悪魔か。
いや、
天使か。
罪悪感を、
薄める提案。
こちらの事情まで、
考えている。
女性は、
怖い。
そこまで、
計算しているのか。
それとも、
同じだけ、
溺れているのか。
分からない。
分からないまま。
気づけば、
二本目に火をつけていた。
煙の向こうに、
二週間後が浮かぶ。
薔薇。
笑う彼女。
子どもの声。
その中に、
自分がいる。
これは、
浮気だ。
分かっている。
でも。
都合がいいと、
思った瞬間に。
もう、
決めている。
煙が、
風に流れる。
僕は、
溺れる準備をしている。
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