テラーノベル
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※嘔吐・流血 表現あり
「Guest!」
「Noob」
俺はGuestと会うなり思いっきり抱きついた。
少しふらついて倒れそうになる彼が面白くて笑顔になる。
「今日の服装もおしゃれだね」
「だろー!?やっぱGuestに褒められると嬉しい!へへ!」
Guestは優しく微笑んで少し考えたあと、俺の手を握った。
「?……Guest?」
「Noob」
Guestは俺を近くに引き寄せて耳元で小さく囁いた。
「サプライズがあるんだ、ついてきて」
「マジ!?!?」
Guestは俺の反応を見て嬉しそうにまた微笑んで歩き出した。
俺はそのあとを着いていく。段々と人気がない場所になっていく。
(どんなサプライズなんだろ……!?)
楽しみで仕方ない。
「ここ入って」
「?Guestの家……じゃないよな?」
「……入って」
笑顔でそう言う彼に少し違和感を覚えたが、気にしなかった。
「ここに座って、ちょっとまってて」
「おっけー!」
椅子に座ってサプライズを楽しみに待つ。
かなり暗く不気味な空間。こんなところでサプライズだなんて、Guestらしくない気がする。
しばらくすると、明るい音楽と共にケーキを持ってこちらへ向かってくるGuestが見えた。
「Guest!!マジ?!……でも今日俺の誕生日じゃないけど……」
「知ってるよ これは誕生日ケーキじゃないから」
「じゃあ何……、え」
暗い部屋にロウソクで照らされたケーキ。
そのケーキには赤い液体と塊が散らばっていた。
ツンとするような鉄の香りで、これは血なのだと確信する。
「サプライズ、喜んでくれた?」
「ま、ぇ……こ、これだれの……血、なの、」
まさか、人を殺したのか?まさかそんな……
嫌な考えが次々と浮かび上がる。
「僕の」
「え」
「僕の血だよ、ふふ」
光の灯らない瞳が俺の背筋を凍らせた。
「最初はカッターで切ってちょっとだけしか入れないつもりだったけどね Noobにはもっと僕を感じてもらいたくて、Noobの一部になりたくて、だからね、包丁で腕沢山切ったの。血が沢山出て痛くてフラフラしたけど、これも愛だから、へへ、早く食べてよ 僕のケーキ」
吐きそうになって咄嗟に口を手で塞ぐ。
頭が痛い、苦しい。苦しい。
よく見れば、Guestの袖から見える腕には血の滲んだ包帯が巻かれていた。
「仕方ないなぁ ほら、あーん」
Guestは一切れのケーキをフォークで1口サイズに切って俺の口元に近づける。
「たべて」
「……う゛ッ、お゛ぇっ……」
我慢できずにその場で嘔吐してしまった。
一度吐いてもまた胃から込み上げてくる吐き気に涙が溢れた。
「Noob……」
Guestの心配そうな声に少しの安心を感じるけれど、ケーキのことを思い出すとそれは恐怖に変わった。
「あ、そうだ」
Guestはどこからか包丁を持ってきて俺の腕を掴んだ。
包丁が肌を切ってドクドクと血が溢れる。
「これを……こう!」
Guestは小瓶に俺の血を溜めると、ケーキに垂らした。
チョコレートのようにケーキに彩られる血が、何故か綺麗に感じた。
「へへ、美味しそうだね」
彼の笑顔を見ると、俺も笑顔になった。
「はは……」
ケーキにフォークを突き刺して、ぐちゃぐちゃにする。
「ああ……僕たちのケーキが……!」
「ふふ……はははっ……」
「血が混ざっちゃうよ……へへ」
真っ赤なケーキを頬張る。何度も、何度も。
苦くて不味くて最悪な味だった。でも笑いは止まらなくて。
「嬉しい?Noob」
「うん、最高だよ Guest」
崩れてぐちゃぐちゃで元の形には戻らなくなったケーキは、今の俺たちにぴったりだった。
コメント
9件
狂いきちゃあああああああ!!!!大好きです、嘔吐と狂愛は神ここテストに出ます
多分初コメ?失礼します!Guestくんとnoobくんがぁぁ( ´ཫ`)
狂っちゃった!!!!もっと狂え!!!!!!!!!!!