※微病み要素有
〈赧side〉
明日から、高校生、らしい。
そんなに喜べない_いや、というか、
嫌な予感がするのはなんでだろうか。
なんとなく、これまでの平和な生活が
いつもの日常が壊れてしまう気が_
そこまで考えてやめた。これ以上何か
考えたら現実になる気がしてきた。
ふと、スマホを見るとグルラに通知が
一件。しかも2分前。こ.さ.め.から、
「今暇ー?」ときていた。
寝た体勢のままに、「暇」と送ると、
み.こ.と.が「暇.な.つ.だけに?」と
送ってきた。ジョークも可愛いと思え
るって結構やばいな、と心の底で思い
ながら、「うるせーよw」と打つ。
この気持ちは勘付かれたくない。
知ってほしくない。知られてしまった
ら、もとの生活には、今の関係には、
戻れない。
そんな気持ちで、いつもの会話みたい
なテンションで話す。
ラインをしながら、今日は寝ないで
おこう、と思った。
エナドリを口にして、適当にお菓子
を持って、できるだけ、夜が続くよう
に、と願いながら。時間が過ぎるのを
待っていた。
赧 : 「ねむ、、、」
結局しっかりオールした。途中で母
が帰ってきて、ただいま、と小さく
言って、自分の部屋に戻って行った
今日はきっと、遅く出るんだろう。
ボロボロの中学の制服の代わりに、
新品で綺麗な高校の制服に腕を通し
た。鞄も新調_というか学校指定の
ものに変えたので、まだ禿げてもい
ないし、綺麗な状態だった。
唯一変わらないのはチャリ鍵くらい
だろうか。
高校も中学と変わらない、チャリ通
勢。同じ町内なんだから、断然こっ
ちが一番効率がいい。(ギリギリでも
間に合うってのもある。)
赧 : 「さて、ぼちぼち行くか。」
赧 : 「いってきます。」
返事なし。でも、これでいい。父さん
が死んでから、一番頑張ってるのは、
母さんなんだから。
赧 : 「よいしょっ、と…」
学校指定の駐輪場にチャリを停め、
足早に体育館へ向かう。グルチャに
「俺もう着いたわ」と送っておく。
あいつらは当分まだだろう(10分前)
赧 : 「これ、来た順なのか…」
入学式にしては雑だな。と思いなが
ら席に座る。隣のやつは椅子に座り
ながら寝ている…緑頭だった。その
隣の紫髪と黒髪はやたらと騒がしい
(多分喧嘩してる)。
百 : 「す.ち. ~ !!い.る.ま.がさ ~ 」
黒髪_に前髪だけピンク色の奴が、
隣の席の緑頭に話しかける。見た目
に反して五月蝿ぇ奴、なのもそうだ
が、俺は、そいつの口から出てきた
名前、に引っかかった。す.ち.に…
い.る.ま. … ? 俺の頭をずっと悩ませ
てきた二人と、全く同じ名前だ。
翠 : 「どしたの、、、」
緑色に、黒のメッシュ、赤い目。
そして_「す.ち.」という名前。
俺の中で、嫌なピースがはまった
気がした。
_いつだって、そいつのことを語る
時のみ.こ.と.は楽しそうだった。
黈 : 「す.ち.君はな、めっちゃ、
綺麗な目しとんの!」
黈 : 「赤くて、キラキラしてて
可愛い笑顔とすっごく、
マッチしてて、」
黈 : 「す.ち.くんはいっつも昔
パーカー着てたんよな…
寒がりなんかな…」
み.こ.と.が楽しそうにそいつの話を
するたびに、俺の心は醜い嫉妬で
溢れていた。
泣き虫で、時々泣いてしまう所も
好きだ、と言っていた。
心から、「す.ち.」が好きなんだろ
うな。きっと。
羨ましいなぁ、愛されて。
翠 : 「ぁの、、、」
赧 : 「はい、?」
翠 : 「スマホ、落としましたよ、」
赧 : 「あ、ありがとうございます」
翠 : 「いえ、、、(微笑」
赧 : 「…」
綺麗に、笑う人だな、と思った。
こんな人が好きなんだな、なんて
この人が_み.こ.と.の想い人なん
て確証はないのに、思ってしまっ
た。
翠 : 「もうすぐ、始まるので、
鞄置いておいた方がいい
かもしれないです…」
翠 : 「ぁ、すいません、、、
差し出がましくて…」
赧 : 「いや、ありがとうございます」
赧 : 「すみません、こちらこそ…」
そのとき、ブーっと音がして、入学式
が始まった。俺は、そんなことがどう
でもいいくらいずっと、横の三人に
気を取られていた。
入学式が終わり、一年生はそれぞれ
クラス分けの貼り出しを見に行く。
翠 : 「ぁの、よかったら、一緒に
見に行きませんか、?」
百 : 「いいじゃん!大人数で行った
方が迷いにくいし!!!!」
紫 : 「四人だけどな…w」
赧 : 「いいですよ。」
紫 : 「あー敬語使われんの嫌いだし
タメでよろしく」
百 : 「俺も ~ !」
翠 : 「じゃあ、俺も…」
赧 : 「おけ、俺もタメでいい」
紫 : 「名前 何?」
赧 : 「暇.な.つ. 。」
紫 : 「な、、つ、、?」
百 : 「な.つ.ね!俺桃咲蘭!」
翠 : 「翠月沙知だよ ~ 」
紫 : 「紫乃原或魔。」
赧 : 「い.る.ま…?」
百 : 「珍しい名前だよね ~ !」
翠 :「そうだね…w」
紫髪に、初恋の人の面影が重なった
のは、どうしてなんだろうか。
黈 : 「ぁ!な.っ.ちゃん!!」
瑞 : 「な.つ.くん!!!」
赧 : 「よ ~ す」
紫 : 「友達 、 ?」
赧 : 「中学の同級生。」
黈 : 「黄坂御琴です!!」
す.ち.が小さく、「ぇ、」と言った
ように聞こえたのは、なぜだろう。
瑞 : 「雨乃こさめですっ!!」
百 : 「ッ、あ、、、」
翠 : 「翠月沙知…です、」
黈 : 「ぇっ、、、」
百 : 「桃咲蘭…、で、す。」
瑞 : 「ら. 、ん. 、くん… ?」
紫 : 「紫乃原或魔…です。」
_あぁ、そういうことか。
コメント
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はっはっはっはっはっ 会っちゃったぁぁあ .. ! 続き が 待ちきれねぇぜ ..