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ころさな
803
49
甘夏 桜
60
4,990
夜22時15分。
雨は止み、街には静かな風だけが吹いていた。
KING本部を出た六人は、一台の黒い車で指定された場所へ向かう。
目的地は――港湾倉庫地区。
裏社会では、違法取引が頻繁に行われる危険地帯だった。
車内は静かだった。
みことはノートパソコンを見つめながら口を開く。
みこと「目的地まであと五分。」
こさめ「周辺の監視カメラは?」
みこと「全部確認した。でも、人の姿はない。」
なつ「逆に怪しいな。」
いるまは窓の外を眺めながら呟く。
いるま「敵は俺たちが来ることを分かってる。」
らんは静かに頷いた。
らん「だからこそ慎重に。」
「今回は敵を倒すことより、情報を持ち帰ることを優先する。」
「みんな、無茶はしないで。」
「了解。」
五人の声が重なった。
車が止まる。
目の前には古びた巨大倉庫。
灯りは一つもついていない。
風が吹くたび、錆びたシャッターが軋む。
なつ「不気味だな……。」
こさめは耳に小型イヤホンを付ける。
こさめ「周囲確認。」
「……人の気配なし。」
みこと「赤外線反応もゼロ。」
すち「本当に誰もいないの?」
いるまはゆっくり拳銃を抜いた。
「……いや。」
「見られてる。」
その一言で全員が武器を構える。
らん「突入。」
六人は倉庫の中へ入った。
中は真っ暗。
足音だけが響く。
ガラン……
鉄パイプが転がる音。
なつ「誰だ!」
返事はない。
その時だった。
倉庫中の照明が一斉に点灯した。
眩しい光に全員が目を細める。
すると正面の大型モニターにノイズが走る。
ザー……
画面に黒いフードを被った人物が映った。
???「ようこそ。」
???「KING。」
なつ「お前が招待状の……!」
???「そう焦るな。」
???「今日は挨拶だけだ。」
らん「姿を見せなさい。」
???「まだその時じゃない。」
画面越しに不気味な笑い声が響く。
???「君たち六人は確かに強い。」
「でも……」
「強いだけでは王にはなれない。」
みこと「何が目的?」
???「知りたければ、生き残れ。」
その瞬間。
倉庫全体が激しく揺れた。
すち「爆発!?」
天井から瓦礫が落ち始める。
なつ「崩れるぞ!」
こさめ「出口が塞がれる!」
みこと「東側に非常口!」
らん「急いで!」
六人は走り出す。
しかし、その途中。
一発の銃声が響いた。
全員が足を止める。
いるま「……。」
床を見ると、一枚のカードが撃ち込まれていた。
黒いカード。
そこには赤い文字で書かれている。
『次は本気で殺す。』
いるまはカードを拾い、静かに握り潰した。
いるま「……いい度胸だ。」
六人は崩れ落ちる倉庫を脱出する。
外へ出た瞬間、背後で倉庫全体が崩壊した。
轟音が夜空に響く。
しばらく誰も話さなかった。
やがて、らんが静かに口を開く。
らん「敵は俺たちを試してる。」
みこと「しかも、こちらの動きを完全に把握してる。」
こさめ「次はもっと危険になるね。」
なつは拳を強く握る。
「絶対に見つけ出す。」
すちは小さく頷いた。
「みんなで帰ろう。」
いるまは崩れた倉庫を見つめながら呟く。
「……ゲームの始まりか。」
遠くのビルの屋上。
黒いフードの人物は、KINGの六人を見下ろしながら静かに笑っていた。
???「期待しているよ。」
「KING。」
「次は、本当の絶望を見せてあげる。」
コメント
12件
初コメ失礼します! いつも楽しく見させてもらってます! 書き方が上手で尊敬してます! これからも無理せずに頑張ってください
この作品好きすぎます!!なんかもう役割から神作とわかるしいるまくんが最後に紙を握りつ♡♡♡の好きすぎる!! 今後の展開が予想できないです!!これからも頑張ってください!!次回楽しみにしています!!フォロー失礼します
ゆあさん、第4話お疲れさまです!暗い倉庫で一気に照明がつくあの演出、すごく緊張感があって息を呑みました。黒いフードのキャラの余裕ある口調が不気味で、『次は本当の絶望を見せてあげる』という捨て台詞もゾクゾクします。六人の連携と個々の警戒心が伝わってきて、仲間同士の信頼関係もじんわりと良いですね。次が気になります!