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ショッピくんside


チーノが攫われた

裏庭でピコと戯れてたらインカムがなり、告げられた


インカムがなった途端俺は


壁を伝って会議室へ飛び込んだ


生憎早すぎたため大先生しか来てなかったが


今はそれだけで十分


「大先生」


「わかっとるよぴーくん」


この短い言葉ですぐに通じる

数十秒したら他の皆が来た


グルッペンさんが口を開く


「我らの新人が攫われたらしい」


低く、それでも聞き取りやすい威厳を持った声で発する


「…鬱」


「もう終わっとるよ」


おそらくチーノの居場所がわかったんだろう


「チーノが攫われた場所はここ」


大先生がモニターに映し出された建物を指さす


「ここは残党の溜まり場になっとるけど実際はβ国のスパイの隠れ家」


「β国ってあれやろ?幻覚作用のある薬物を作っとるとこ」


さすが情報管理室に監視のためにいつもいるだけある


すぐ、β国がどのようなところか脳内で照らし合わせてる


「そう、最悪記憶もいじられる」


「そ、それって、チ、チーノが俺らのことわ、忘れるんか?」


そうかもしれない


でも…俺らにとっては最悪なパターンも有り得る


チラッと大先生を見る


大先生も俺の事を見て頷く


さすが兄さん


「誰が助けに行く?」


グルッペンさんが周りに問う


「お、俺が、「俺が行きます」…シ、ショッピくん?」


ゾムさんの言葉を遮り俺がそう告げる


「ゾムの方が戦力が…「分かってます。それでも俺が行きます。」…分かった」


わかっている


ゾムさんの方が上手くやりそうだなんてことは


それでもごめんなさい


今はただチーノを


俺の…俺達のどうしようもないくらいにかわいい


弟を助けたい


「グルちゃん今はショッピくんと僕に任してくれんかな?」


「あ、あぁそれは構わないが…」


「大丈夫、ちゃんと連れて帰ってくるよ 」


「大先生、早く行きますよ」


早く


手遅れになる前に


あいつが


考えば考えるほど最悪なことしか思い浮かばない


「ぴーくん」


頭の中がごちゃごちゃしてくると兄さんが昔の名称で呼んでくれた


「…兄さん」


「大丈夫、チーノは生きとるよ」


まだ不確定要素が多くあるが兄さんがこう言うなら大丈夫だろう


「向こうさんは多分チーノの昔を知っとる」


「は?」


それはやばい


急がないと


いやだ


また


同じ苦痛を…?


やだ


思考がグルグル


頭で考えてるはずなのにまとまらない


「ぴーくん


落ち着いて」


「…でっでも」


「僕が弟に嘘ついた時なんてあった?」


兄さんは冗談は言うけど嘘は絶対に言わない


「ね?大丈夫、もう終わった作戦をたてれたから」


「…うす」


「そうと決まったら早く行くよ」


「俺、車運転するんで」


「ありがとね」



〜〜~~〜~~~〜~~



「ぴーくん、ここ、着いた」


しばらく走っていると兄さんに言われ車を止めて建物を見ると


よくヤンキー漫画とかに出てくる倉庫のようなとこだ


…確かに隠れ家にはちょうどいいな


「…兄さん俺が先陣突っ切るので援護お願いします」


「りょ〜かい」


気の抜けた返事のようにも聞こえるが


目の奥にあるものはそんな生易しいものでは無い


「…じゃあカウント始めます」


「3 」


「2」


「1」


言い終わると同時に倉庫の扉を蹴り開ける


「?!?!誰だ?! 」


「…名乗る名はない」


いつもだったら連絡を取られる前に仕留めて終わりだが


俺も苛立っているらしい


わざと連絡を取らせ八つ当たりに付き合ってもらおう


どんどん出てくる


あぁ!


楽しい!


いいなぁ!


ほら、もっともっと


チーノはもっと苦しんだんだから


ほら!


見て!


兄ちゃんお前のために頑張ってるよ


「…ぴーくん」


あれ?


「もう終わり、もう誰もいないから」


「よく頑張ったね」



またやってた


「…すみません」


まただ…


兄弟に何かあるといつもこう


「大丈夫、僕はわかってるから」


あぁ、やっぱりにいさんは優しい


「早く行きましょ」


「そうやね、確か地下牢はこっち」


兄さんについて行く


階段を下るにつれてどんどん血生臭くなる


重厚な扉を開けるとチーノがナニカを壊そうとしているのが見えた


「チーノ!!!!」


『「大先生!チーノ見つけました!」』


『了解すぐ行く!』


あぁ、こんなに叫ぶなんてキャラじゃないな


それでもいい


いつものふわふわとした


撫で心地がいい水色の髪


太陽みたいに明るい橙色の目


大丈夫だよ、


兄さんが今来たからな


お願いだから


どうか


思い出すな


「あ゙」


良かった声は出るようだ


「ちのさん?!もう大丈夫ですから!」


なるべく刺激にならないように


「にぃ…に?」


「え?」


あっ、やばい


チーノが


思い出す


俺は、ちゃんとした兄になれなかったのに


「俺…、頑張…った、よ」


「……ッッ」


あぁ、よく知ってるよ


本当によく頑張った


ごめんなぁ


「ホメテ」


あぁ、不安だったんだな


ごめん


「いくらでも褒めてあげますよ」


動揺が顔に出ないように務める


あぁ、どうしよう


混乱しているとチーノがキョロキョロし始める


多分兄さんを探してるんだろう


「にぃさんはあとから来ますよ」


できるだけ安心されるように


ごめんなさい、俺、守れなかったよ


「 チ ー ノ ! 」


兄さんだ…やっと来てくれた


多分俺は酷い顔をしてるのだろ う

まずは兄さんが来たことチーノに伝えないと


『ほら』


できるだけ安心させるように


兄さんが目に入ったのか


チーノは顔を綻ばせる


「にぃに達だぁ」


ごめんなさい


俺守れなかった


「…は?」


兄さんがこんなに困惑した声


久しぶりに聞いた


「ホメテ…?」


「ええよ、褒めたる」


…いいなぁ


違う


今はチーノが最優先


「まずは、 よう頑張ったな」


本当に


「もう、母さんはおらん」


おれはチーノではないけど


やっぱり、知らずに体を硬直させていたらしい


“母さんはいない”この言葉に


思わず安堵してしまう


「ゆっくり眠れ』


無駄にいい声でチーノに言う


兄さんずるいよ


俺まで寝たくなるじゃん


チーノは眠気に抗ってるようだ


どーせ無駄足なのにな


「僕らはどこにも行かんで?」


俺も「兄さん」なんだから


ちゃんと兄らしく


「そうですよ、だからちゃんと眠ってください」


大丈夫


声は震えてない


チーノが眠りに堕ちていくのを見て


俺は大先生を見る


「大丈夫、ちゃんとモトドウリになるよ」


「ほんまですよね?」


「もちろん」


「じゃあ俺、チーノ連れて車行くんで」


急がなきゃ


「後でぴーくんもホメテあげるよ」


「…ありがとう、にぃに」


普段はこんなの言えないが


今日だけはいいだろう


俺は疲れた

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