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(あみか)「……ふぅ」
(あみか)「竜生」
(及川竜生)「嬢ちゃん、どうした?」
(あみか)「……そこに座ってて」
(及川竜生)「分かった。」
(タロー)「あみか……」
(あみか)「これはママから聞いた話。」
(あみか)「みんな、覚悟しておいて下さい」
私はママから聞いた全てを話した。
無戸籍児だったことも
実の両親から虐待されたことも
自分の名前を変えたことも
私に殺そうとしたことも
竜生のトラウマのことも
罪の償いとして私の名を呼ばないことも
竜生が私に感謝していることも
ママが竜生に言いたかったあの言葉も
全てを話した。
話し終えたあと、急に涙が出てきた。
何度も何度も拭っても止まらなかった。
すると、竜生が抱きしめてくれた。
(及川竜生)「……」
(及川竜生)「ありがとう」
(及川竜生)「……」
(及川竜生)「あたしの過去を知ってくれて」
(及川竜生)「本当ならあたしから言いたかったけれど、どうしても勇気が出なくてね。」
(及川竜生)「……また、助けられちゃったね」
(及川竜生)「ママさんも父さんもあなたも」
(及川竜生)「一所懸命に知ろうとして」
(及川竜生)「頑張ってたのね。」
(及川竜生)「……」
(あみか)「……竜生」
(及川竜生)「……」
(あみか)「もういいよ……」
(あみか)「許すから……罪を背負わなくていいよ……虐待から開放されても罪を背負わないといけないんだよ……竜生は悪くないのにね…」
(及川竜生)「……!」
(あみか)「辛かったでしょ……」
(あみか)「よく頑張ってきたね……」
(及川竜生)「……この16年間」
(及川竜生)「あなたを忘れた日は無かった」
(及川竜生)「あなたの成長を願ってた。」
(及川竜生)「あなたの幸せになるように」
(及川竜生)「そう、願い続けた。」
(及川竜生)「会えなくてもいい。」
(及川竜生)「それで良かったのに」
(及川竜生)「どうしても会いたくなるんだ」
ぽろ……
(及川竜生)「ごめんなさい……」
(及川竜生)「ごめんなさい……」
(あみか)「もういいのよ。謝らなくていい」
(あみか)「私が許す……」
(あみか)「……竜生、あなたはこれからは」
(あみか)「自分の人生で幸せにしてね。」
(あみか)「それがあなたの従妹として」
(あみか)「願いよ。」
(あみか)「あみか、竜生、おかえり。」
(及川竜生)「……!」
(及川竜生)「ただいま……」
あみかちゃん……