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星の子に生まれたボクたち
冬弥side
それが起きたのは、いつも通り学校が終わり家に帰る途中だった。
帰り道に見覚えのある人がいた。
「こんにちは咲希さん
今お帰りですか?」
「うん!
でも今はお母さんにお使い頼まれたからお店に向かってる途中なんだ 」
「そうだったんですか
良ければ俺も手伝いましょうか?」
そう聞くと咲希さんは、一瞬明るい表情になった後申し訳なさそうな顔をした。
「嬉しいけど… 時間かかっちゃうかもだし…」
「今日は練習がないので大丈夫ですよ」
そう言うとまた明る表情になった。
「じゃあ手伝ってもらっちゃおうかな!」
そして咲希さんと俺は、お店へと向かった。
気づけば俺たちは、お店に向かってる最中他愛もない話で盛り上がっていた。
すごく楽しかったのを覚えている。
そんな時、耳を塞ぎたくなるくらいのエンジン音を出した真っ赤で派手な車が目の前に見えた。
歩行者用の信号は青のままだった。
時間の流れがゆっくりに感じた。
今までの仲間との思い出や楽しかった事、様々な記憶が頭の中でフラッシュバックした。
そして視界が真っ暗になった。
その時微かに声が聞こえた。
しかしなんと言っているかまでは分からなかった。
そのまま意識を失ってしまった。
咲希said
学校帰り、頼まれていたお母さんからのお使いのためにお店に向かってる途中に とーやくんに会った。
お使いのことを話したら手伝ってくれるって言ってくれたから一緒に行く事にした。
お店に向かってる最中色んな話をした。
「お兄ちゃんってばさ〜…」
「司先輩らしいですね」
そんな話をしてた時急に体中が痛くなった。
体が全然動かない…
目の前には、だんだん広がっていく赤い液体とコンクリートの地面が見えた。
アタシ…死んじゃうのかな?
嫌だ…またみんなと一緒にいられたのに…学校にも通えてるのに…
涙が溢れてきた。
「お兄ちゃん…」
最後に声に出来たのは、その一言だけだった。
新たな人生
冬弥said
目を覚ますと見知らぬ天井が見えた。
左右には木で出来た柵がある事が分かったが、 この情報だけでは、ここは一体どこで俺は今どんな状況下にあるのかを把握しきれない。
なら声を出して誰かに来てもらい自分の状況を説明して貰えばいい。
そう思い俺は声を上げた。
「あう〜あうあぁ」
声を出してみたが、嫌な想像が頭をよぎった。
俺の声はこんなにも幼かったか?
いや…まだ頭が混乱しているだけだ。
そうに違いないと自分に言い聞かせ、もう一度声を出してみようとすると無性に泣きたい気分になってきた。
「ふぇ…うぅ〜」
泣くのを必死に我慢しようとするが泣きたいと言う欲が一向に辞む気配を見せない。
そんな時、いきなり右隣の方から鳴き声が聞こえた。
すると奥の方から足音と共に聞き覚えなある声が聞こえてきた。
咲希said
気がついたら目に見えていたのは全く知らない景色があった。
知らない場所に自分がいて、今どうなっているか分からない不安感から不思議とすごく泣きたい気持ちになった。
我慢しようとしても不安の気持ちが大きくなっていくばっかりで全然収まらない。
それどころかもっと泣きたくなってきた。
うぅ…もう我慢できない
「ふえ…う、うわあぁぁん!!」
自分でも驚くほどの大きな声で泣いた。
そしたらよく知ってる声が聞こえたうえに 急に体を持ち上げられた。
「どうしたんだ咲希?
怖い夢でもみたか?」
優しく問いかけるその声の主は多分、分かっていた。
けど、なんだか信じたくなくて、否定したくて涙でいっぱいになった目を開けてみるとアタシを抱っこしてたのは…
「「あう(司先輩)??/あぶば(お兄ちゃん)!!」」