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R18
「ん、んん 」
緊張で強張っていた彼の足がだんだんと開いていったのを見かねて星導は太腿を掴んだ。
ぐっと更に開かせて奥の壁によく当たるように動きを変える。
「うぁッ、ぁッ」
良さそうに腰をくねらす彼に目を細めた。普段の出で立ちからじゃ想像できない。蕩けた顔も甘さを孕んだ声も。
「ここ、気持ち良いでしょ」
コクコクともうそれ以上はいいから、というように頷く彼に欲が積もる。きゅうきゅうと締付けてくる感覚で頭がふわついた。
「はぁッ、う…やめ、それ」
刺激が強いのか彼は背中に爪を立てて睨んできた。快感で滲んだ目でそうしたってこちらを煽るだけなのに、彼はそれに気付かないでこっちを見上げる。
「だぁめ」
甘く甘くそう返して中を擦り上げた。もっと鳴かせたくて、もっと溶かしたくて背中を引っ掻かれても中を責め続けた。
眼下にいる彼に自分を見ていて欲しくて。
事後。
シャワーを浴び終えた彼はベッドの中に潜り込んできた。
ツンけんしているけれど割とくっつきたがりなのが彼の可愛いところだ。
「お前SなのかMなのか分かんないよな」
「え?」
ベッドに横になりながら頬杖ついて彼の濡れた髪を撫でていれば同じような体勢の彼が唐突にそう言ってくる。
「引っ掻いた時ちょっと嬉しそうだったから」
「あー、悪い気はしなかったよ」
「痛くないの?」
「痛いけど気持ち良い時に痛いの来ると倍気持ち良い感じしない?」
しない。と真顔で、なんならちょっと引き気味で言われて吹き出した。
「なんだよ」
「いや、笑っちゃうって今の反応は」
まぁまぁ気持ち悪いこと言ったかもしれないけどそんなに引かないでよ、と少し居心地の悪さを感じて指先が自分の顎をなぞる。
「ふふ」
それを見た彼が笑う。何処か懐かしむような柔らかい表情で目を細めて微笑む。
あぁ、これだ。
この顔が、なんだか胸がざわつく原因になった表情だ。
彼の目の前には俺しかいないのに誰か見ているような目が、浮足立ったような表情が、幸せを感じていた自分へ不穏な影を落としてくる。
そう思っていれば彼が顔を覗き込んでくる。
「るべ?」
訝しげに、心配げに不安を募らせた表情で言う。
「なんで泣いてんの?」
「え……」
遅れて彼の顔がぼやけて歪んでいた事に気がつく。頬を伝っていく涙を彼が手で優しく拭ってくる。
「どうしたんだよ」
そんなに風に触らないで。
そう言おうと思ったのに涙で言葉に詰まった。
最悪だ。
恋人の前で泣いてしまった。あろうことか自分で勝手に抱え込んで作り出した不安に潰されそうになって溢れてしまった。
彼の頬を包み込むように撫でてくる手が、不安げに心配する眼差しが温かくて、苦しくて、痛くて、堪らえようとしてもぼろぼろと溢れて止まらなかった。