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そうして一体、また一体。やがて10体ほどが倒された頃には、残っていたラージ級も全て”陥落”していた。そのタイミングで、周囲を警戒し始めた前衛に司令部より通信が入った。
『HQより、01小隊、突貫しろ。進路は02と03が開けてくれた。マークする。制圧して生き残りを確保しろ』
『01小隊、了解!』
『02と03より01小隊へ。後押しはこっちに任せて全然OKだから!』
ラージ級の壁が無くなった場所へと、01小隊は突っ込んでいった。間もなくその壁をうめようとラージ級やミドル級が集まってくる。それを防ぐべく、好戦的なディフェンスアタックだった。高機動で動きまわって財団兵器の意識を引き付けた。突出しているが故に、敵の密度はさきほどまでの比ではない。500m四方に中小合わせた化物が200に、人間が2。しかし人間の方も、ただ喰われるような“ヤワ”な者達ではない。
『こっちよ、下等生物!』
『口が悪くってよ。もっと優雅にやりなさいな。せっかくの美人が台無しですわ』
『あら? 焦らすのがお好み?』
『マンネリを避けるためにも、落ち着くのも必要ですわ』
常識はずれの機動はお手の物。大胆ながらも的確に敵との間合いを確保しながら、前衛としての責務を果たしていた。すなわち、敵の撹乱と撃破。落ち着きのない兎のようにあちこちへと飛び回りながら、すれ違いザマにミディアム級からミドルの首を刈り、時には点射でスモール級を一体一体を確実に仕留めていく。
『隙だらけ……』
『お二人のおかけですね!』
他のメンバーも負けてはいない。その高い射撃能力で的確にミドル級やスモール級をただのガラクタに変えていく。かし、数の差は大きく状況は圧倒的に不利。突撃を敢行した二人にしても、隙間がなければ機動を活かせるわけもない。じりじりと動くスペースが削られていく。数分後には、二人の四方、そのほぼ全てがヒュージのマーカーで埋まってしまった。そして完全な包囲が完成しようかという直前だった。包囲の最も外郭にいた財団兵器の頭部が、次々に爆ぜていく。常識はずれの制圧能力。悪夢のような精度と速度で、ミドル級が粉々に粉砕されて紫の花が咲いた。
『04小隊、追いついたよ!』
『助かった! 包囲の右をお願いする!』
『05小隊到着。なら私達は左ですね! 皆さん頑張りましょう!』
『いえーい! 皆殺し!! 皆殺し!!』
04小隊と、05小隊が到着する。36mm弾を盛大にばらまきながらそのまま1分後に追いついてきたのは。
『良く耐えてくれた。支援を開始する』
『さぁ、お待ちかねの狩りの時間だ! 全員! 死ぬなよ!』
通信が終わった後、動いたのはバラバラの方向だ。しかしそれは、ある意味で規則性に富んでいた。場所は違うが、意識は同じ。すなわち、包囲された二機の一時離脱と、この場の確保。そして、前衛4人のコンビネーションはこの基地随一であった。まるで同じ脳を持っている生物であるかのように動きまわり、気づけば包囲には穴が開いていた。
時間にしてわずか一分。分厚いデストロイヤーの壁は抜かれ、4人間は一時的に距離を離して、横並びになった。そして2人が前に、2人が後ろに。弾倉が交換される音は後ろに、残るシューティングモードで弾丸を叩きこむのが前に。間もなく前後が入れ替わり、その頃にはデストロイヤーとの距離は目と鼻の先にまでなっている。
だが、突撃を関する彼女達が、臆するはずもない。堂々と、ディフェスアタックは進撃するのだ。
『よし―――行くわよ!! 私に続け!』
『全く、指揮官は貴方ではないでしょうに』
『お、遅れないように頑張りましょう!』
『大丈夫、彼女は私達を食べようとしてくるけど、チキンだから無理矢理はしてこない。私達に合わせてくれる』
『私がチキンですって? 食べるわよ!』
『ヒェッ、魔法カード発動! 身代わりの盾!』
『ひえええ!? 私が皆さんの仲に入るなんて恐れ多いことを!』
『はいはい、漫才はそこまで。真剣に、クソ財団兵器共を殺すわよ』
ディフェンスアタック達は互いに声を飛ばしながらまるでバンディットのように。だけど野卑な賊とは圧倒的に違う、密な訓練が透けて見えるほどの精錬された動きで、一斉に侵攻を始めた。
それは蹂躙であり、殺戮であった。一陣の突風のように連続で点射された弾丸がミドル級の頭部に、スモール級の頭部に、余波で小型種をばらばらに引き裂いていく。着弾点も計算しているのだ。時には倒れたミドル級にスモール級が巻き込まれていく。乱戦になっている場であっても、効果的な場所を選んで射撃し、一度に二度美味しいを実践しているのだ。耐えながら突出してきた馬鹿にはブレードをプレゼント。
切り裂き、前へすり抜け、その後方にいる敵へ36mm弾を叩きこむ。途絶える間もない連続攻撃。
財団兵器が倒れる地響きが、連続して鳴り響いた。派手な動きは、ない。ただ確実に、肉体の性能の限界値を出しながらも最適解を選び続けているだけだった。
即席小隊のため反応レスポンスの悪さを織り込むのは当たり前。その上で自分の機体の位置、周囲の財団兵器との間合いを見極めた最後にタクティクスを選択する。
基本的な方針は、”一方的にタコ殴り”。
反撃の糸口さえも封殺する。必要のない派手な動きは自身の未熟さを証明する証拠でしかないと、ただ早く。必要でない限りは堅実に、最も短く、より危険度の低い方法で安全に殺すのが最善であるというのが最終回答だった。速く殺せればそれで良し。ディフェンスアタックの精神的にも、司令部の機嫌的にも、それがベストな選択だと言えた。
そうして、戦闘が始まってやがて敵が半数になる頃には、一番奥へ切り込んでいた01小隊に05小隊までが追いついていた。
数にして47人のディフェスアタックは、最後に一斉射をした後、壁を抜けて更に奥へ――――ミドル級の後方にいるラージ級へと、突貫していった。
いくら財団兵器の行動が予測できないとはいえ、この状況はあからさまにおかしかった。四国から防衛線を突破してここに出現するまで、その存在を誰にも察知させなかったなど、到底考えられない。
もし隠密行動でここまでやってきたのだと仮定すると、何かの目的があって防衛線の戦力をことごとく回避してきた事になるが、そんな隠密行動を取ってきたにもかかわらず、丸腰とはいえディフェンスアタックが集まっているセクター51に現れたのも不可解だ。これではまるで、エリア51に来ることが目的だったかのようだ。
この状況に作為的なものが感じられないわけではない。まさかとは思ったが、反ディフェンスアタック連合軍か、或いは──。
しかし理由はどうあれ、こうやってセクター51のごく近くに財団兵器が出現した事は紛れもない事実。今は考えていても仕方がない。
網膜スクリーンに投影されたマップ上に財団兵器を示す赤い光点が次々と増え続け、それは即席小隊たちの周辺にもぽつぽつと現れ始めた。
とにかく大火力が必要だ。自衛のために最低限ディフェンスアタックに配備されている第一世代強化装備ではこの数は捌ききれない。第二世代以降の強化装備か、強化アタッチメント、更に補給コンテナが必要だ。
「01レギオン、02レギオンが連中を引き付けている間に、03、04、05レギオンは下がって、装備を補給してきてください」
『分かったわ。あなたも気をつけて』
「了解」
好戦的なディフェンスアタックは財団兵器の真っ只中に突っ込んで行った。それに呼応するように、周辺の財団兵器が群がり始める。
「今です!!」
『了解ッ!』
自己紹介すら未だのディフェンスアタック達がエネルギーの水平噴射跳躍で戦線を離脱してゆく。それを確認すると、噴射跳躍で空中に躍り出た。上空から財団兵器の種類を確認しようというのだ。
もしレーザーを撃てるギガント級がいたとしても、とりあえずは緊急回避で避けられるので問題は無い。
上空からざっと地上を見渡すと、確認できたのは全種だ。レーザーが好戦的なディフェンスアタックを狙う。
市街地跡での戦闘になるので、ラージ級の優位は若干薄れるだろう。その代わり、小回りの効くスモール級には気を付けなければならないが。
次に友軍を確認すると……やはり、突然の出来事に混乱している。
特にエリア51に在中する機械化歩兵部隊の展開が鈍く、常人にも扱えるアーマードキャバリア弐型の優位性を活かせないまま、撃破されてしまうケースが見てとれた。
「いくら財団兵器を撃破できる兵器を搭載してても、使う奴が腑抜けてちゃ話にならないわね」
悪態をつく好戦的なディフェンスアタック。と同時に対ギガントレーザーの緊急回避プログラムが作動し、脳内で警告を鳴らす。体を動かす。それまでいた場所にレーザーが通り抜けていく。
好戦的なディフェンスアタックは噴射降下を行い、地表に降り立った。
「ギガント級は厄介だけど乱戦に持ち込めば……いや、そうなると今度は味方が邪魔になるかわね……仕方ない」
好戦的なディフェンスアタックは通信回線を開いた。
「01小隊、HQ、友軍機後退させてリリィの武器の補給に向かわせて。その間は私が囮になる」
『こちらHQ鮮花、了解。思う存分に食い散らかしなさい』
「流石、先生! 話がわかりますね!」
『HQより展開中のアーマードコア弐型へ通達。即時ハンガーへ後退し、戦闘用装備へ換装後、ディフェンスアタックへの装備を運搬せよ。繰り返す──』
「これでよし……と」
「何が、良し、ですの? 孤立するなんて危険すぎますわ」
「ならついてきてよ」
「最初からそのつもりですわ」
研究所付近に展開していた機械化歩兵部隊と入れ替わりに、好戦的なディフェンスアタックが手持ちの装備で財団兵器を撹乱しながら戦域に突入していく。財団兵器たちはその陽動に引っかかり、彼女達を敵と定め、方向転換して追い始める。
友軍がエリアからいなくなる頃には、二人はすっかり孤立する形で財団兵器に囲まれていた。
……しかしこの状況こそ、二人が狙っていたものだった。この手の戦いなら、もっと不利な状況を嫌というほど経験してきている。時間稼ぎをするくらい、どうという事はない。
だからと言って、二人はそれだけで終わらせるつもりはなかった。
高等部一年生とはいえ練習機ではない正式な強化装備が配備されている。第一世代の強化装備は改修を重ねられて、昔とは比較にならない程のエネルギー効率と弾の威力とブレードの切断力を得た。間違いなく、出来る事は昔よりも格段に多くなっているのだ。
「ついてこれまして?」
「ふふっ、誰に言ってるのよ。貴方の方こそついてきなさい!」
完全な乱戦になっているので、地上戦ではギガント級のレーザーを無力化したも同然だ。しかし、だからと言って無視できる存在でもない。ギガント級がいる限り立体的な戦闘が出来ず、機動力が激減してしまうからだ。
ディフェンスアタックになる時の手術に埋め込まれる高性能チップには対レーザーの緊急回避運動プログラムがある事からも分かるように、ギガント級が狙いを定めてからレーザーを発射するまで、若干のタイムラグがある。そこが狙い目だ。
好戦的なディフェンスアタックは対レーザーの緊急回避機能をオフにすると、エネルギーの噴射跳躍で宙に舞い上がった。
それにギガント級が照準を合わせ、照射体勢に入る。この場には好戦的なディフェンスアタックしかいないので、狙ってくるタイミングはバカ正直なまでに見え見えだ。そのタイミングを計りながら噴射跳躍をキャンセルし、すぐさま水平噴射跳躍でラージ級の一体に向かって突進した。
財団兵器には絶対に味方を誤射しないという性質がある。そのため、地表に降り立って他の財団兵器を楯にする事で射線を著しく制限し、また逆にギガント級以外のヒュージの動きも、ある程度コントロールする事が出来る。
それを利用して好戦的なディフェンスアタックは正面の敵に集中した。
レーザーが照射される瞬間、好戦的なディフェンスアタックはラージ級の頭上をすり抜けて背後を取る。そのままラージ級の顔面に、後ろからブレードを叩きつけると、照射中のレーザーを別のラージ級に向けた。ありえないはずの味方誤射を誘発出来ればそれで良し。そうでなくとも、眼の前のギガント級を行動を抑制できればもう一人が動きやすくなる。
「高出力弾装填、チャージ完了、目標レーザー照射被膜、狙い撃ちますわ!」
ドォン!! と光の弾丸が発射されてギガント級のレーザー照射被膜を破壊する。第一世代の改修機とはいえ第一世代。最大出力でもギガント級を倒すことは出来ない。しかしレーザー照射だけは封印できた。
「ナイス! 次々行くわよ!」
「次弾装填、チャージ開始」
他の財団兵器の攻撃を躱しながら、そのパターンを何度か繰り返し、まずは把握している限りのギガント級を駆逐して、とりあえずの制空権を確保した。
「ギガント級は大体今ので全部か。後は雑魚ばかり」
敵戦力の中核を成すミドル級が、好戦的なディフェンスアタックに向かってきた。
「死にたいのはまずは貴方達からね」
好戦的なディフェンスアタックはミドル級の前腕から繰り出される攻撃を巧みな動きで避けながら、一瞬の隙を突いて噴射跳躍で、ミドル級の頭に取り付いた。脇に抱え込んで腕でがっちりとホールドすると、間髪入れずにエネルギー放出跳躍の出力を最大まで持っていく。
するとホールドした箇所を軸をに回転を始め……そして、ミドル級は頭を捻じ切られ、その活動を停止した。
ミドル級に止めを刺した阿頼耶に、間髪入れずスモール級が突進してくる。
それをひらりと躱し、背後からブレードで叩き切り、再び突進してくるスモール級の群れに向き直った。
高速で突進してくるスモール級をギリギリまで引き付ける。そして激突の直前に噴射跳躍で跳び、ひらりと躱しながら空中で方向転換、スモール級の背後に降り立った。
そしてブレードモードの強化装備にエネルギーを込めて、眼の前のスモール級の群れめがけて、全開噴射突撃を仕掛けた。
一瞬のうちに両者の間合いはゼロとなる。阿頼耶が通った場所はスモール級の死体の山となっていた。
そうやって大物を撃破していくと、今度は建物の陰からミディアム級がわらわらと集り始めてきた。それシューティングモードにしたCHARMで撃ち殺していく。もう一人の援護も入り、やがてその数が減ってくる。
纏わり付いてくるスモール級を建物の残骸にぶつけて振り落としながら、その中の一体を掴み、既にレーザー照射が出来なくなったギガント級に向けて、勢いよく突き出した。
好戦的なディフェンスアタックに掴まれたスモール級は、モース硬度15以上を誇るギガント級の装甲殻に強烈に叩き付けられ、柘榴のように弾け飛んだ。
一年生であるにも拘らず、最低限の装備によってもたらされた驚異的な機動を武器に次々と財団兵器を撃破していく。もう一人は火力不足ながらもギガント級の視線を釘付けにして補佐をする。そうやってしばらく戦っていると、補給に戻っていた小隊が、第二世代以降の汎用CHARMを携えて戻ってきた。
『ごめんなさい、待たせたわね!』
二人は汎用第二世代強化装備を受け取り、二機連携を組んで、改めて財団兵器に向かっていく。その殲滅速度は先程までの比ではない。
ギガント級を真っ先に袈裟斬りで全て排除して、ラージ級の殲滅する。そうすれば空中を攻撃出来る固体は存在せず、つまり空中にいれば一方的な攻撃が可能。
喰い放題だった。
二人のエネルギーを使った飛行によって空中からの爆撃のような容赦ない攻撃によって、レーダーに記された財団兵器のマーカーが次々と消えてゆく。
そして、担当エリア内の敵を九割方撃破した頃に、ナカマにに訊ねた。
「……他の地区は大丈夫でしたか?」
『は、はい。多少のショック症状は見られたけど、みんな無事です。『死の八分』……ちゃんと乗り越えました』
「そう……良かった」
安堵の表情を見せた。『死の八分』とは【財団兵器が存在する生命体の平均生存時間】だ。これにはディフェンスアタック、サポーター、アーマードコア、民間人が含まれている。
まだ依然として戦闘は続いている。すぐに緩んだ気を引き締めた。
データリンク情報で戦況を確認したところ、広がった方面も、あらかた片がついている。
『さ、お喋りは終わりにして、残りを片付けちゃいましょ』
「了解ですわ」
そして、再集結した01小隊は残存ヒュージを虱潰しに狩り、まもなく戦闘は終了した──。
◆
アレクシアは夕日を浴びながら、戦場となった場所を歩いていた。財団兵器の死骸は既に爆散して液体となっている……が、そこかしこに散らばった人や建物の残骸は、未だ残されたままだ。それは戦闘の熾烈さを物語っていた。
残骸の中には、アーマードコア弐型というディフェンスアタックではない者が財団兵器と戦う為のエネルギーコンデンサーや防御バリア展開装置とそのマバッテリーを搭載していたはずの機体が数多く含まれている。
入学式中の無防備なところを突如襲われたのだ。そんな状況下、戦闘兵装を装備していない式典用の丸腰のアーマードコア弐型でどれほどのパイロットが難を逃れられたのか分からない。
仕方がないと言えば、そうなのかもしれない。
しかし、納得出来る結果でもなかった。
バッテリーとコンデンサーを搭載したアーマードコアは防御性と機動性が非搭載機に比べて格段に跳ね上がる。いくら式典仕様のアーマードコアだからと言って、数分程度なら、丸腰でも機動だけで時間稼ぎ出来るくらいのポテンシャルはあるはずなのだ。にもかかわらず、実際はこうして斃されてしまったアーマードコアが多い。
これが機体の性能不足で起きた事なのか、それともパイロットたちの練度が低かったために起きた事なのか、アレクシアには分からない。
「……ただ数百程度の財団兵器でこの被害」
話にならない……と思いながら、鈴夢は歩みを止め、改めて周囲を見渡した。そこに通信が入る。
『どう? アレクシア。戦場は』
「アーマードキャバリアは直接的な戦力としては数えられません。期待外れ、です。援護や物資運搬が主な仕事になると思います」
『そっか、ディフェンスアタックの方は?』
「……彼女たちなら」
『やっていけそう?』
「死神を恐れない強靭な精神と戦闘力があると思います」
『わかった。あの人達に貴方の護衛を任せる』
「お願いします。すみません、わざわざこんな自作自演まで」
『貴方は極東防衛戦の要よ。財団兵器を誘引する特異体質だもの。全ての戦力をここに集中できることがどれほど世界に貢献しているか……貴方はその体質を嫌うでしょうけど』
「最近、好きになりました。貴方と出会えて、私のこの欠点としか言いようのない特異体質を人を傷つける研究組織とは違い、守るために活用してくれる。生きて良いと言ってくれる。だから好きになりました」
『……貴方の魅力は特異体質だけじゃないよ。それを忘れないで。私はアレクシアが好きなの』
「私も、鮮花先輩のこと好きです」
『ふふっ、両思いだ』