テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
小説書いてみたよー
設定はいをりの参加型 自己紹介に載ってるよー
下手だけどよければ見てねー
私、レース王国ことレースは過去の事を思い出す。
私は物心ついた時から、両親の仕事場である仕立て屋が大好きだった。色とりどりの布や、きらきらと光るスパンコール、繊細なレースが、私にとっては宝石のように思えたんだ。特に、レースやフリルがふんだんに使われたドレスを見ると、心が躍った。
でも、外の世界は違った。男の子は、強くて、たくましいのが良いとされている。小学生の頃、初めて自分で作った可愛いらしいお菓子をクラスの皆に配ったら、「女みたいだ」って笑われたことがあった。お菓子を受け取ってくれた子もいたけど、その時の「男の子なのにね」という、何気ない一言が胸に刺さったんだ。
その日から、私は自分の好きなものを隠すようになった。男の子らしい服を着て、男の子らしい遊びをして、自分を偽って生きていた。でもある日、父が私に、小さな糸巻きをくれたんだ。それは父が昔、初めて母のために服を作った時に使ったものだった。「大切なのは、誰かを喜ばせたいという気持ちだよ。それが形になるなら、どんなものでも素晴らしい」と父は言ってくれた。
父の言葉を聞いて、私はもう一度、自分と向き合うことを決めた。誰かのためじゃなく、ただ自分の好きなものを、自分の手で形にしたい。そう思って、私は再びお裁縫道具を手に取った。誰が何と言おうと、私の「好き」な気持ちは、誰にも奪えない。
私は『好き』を貫き通すことにした。
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