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――数分後――



「いらっしゃいませー。2名様でよろしいですか?」


「あ、はい。」


にこやかに出迎えられ、案内される。周りには家族連れや友達同士で来ている人達。


私達は、どう見えているのだろうか。途中、ドリンクバーの側を通りかかった。


「よーし、藤塚さん、何でも好きなもの頼んでいいからね。デザートも今日は奢っちゃうぞ。」


店長が、笑顔でメニューを差し出してきた。そこには、美味しそうな色とりどりの料理が並んでいる。


ここは、ファミレスだ。

…何故、店長と二人で来ることになったのか。


「あの…店長。」


メニューに目を落としながら、ぽつりと呟いた。


「ん?何かな?あ、もしかして食べたいのなかった!?」


「いえ。そうじゃなくて。何でこんなことになってるんですか。確か私…」


思い返すのは、少し前のこと。店長の下心を暴きたくて、誘惑してみた。


店長は、真面目な顔で「分かった。ついてきて。」とだけ言ったから、やっぱりな、と思ってそのまま店長の車に乗り込んで。


私はてっきりラブホテルに連れていかれると思っていたのだが…今に至る。


「うん、聞いたよ。寂しさを埋めるには、やっぱり美味しいものが一番さ。責任とって、ご馳走するよ!!」


「………」


その発想に、開いた口が塞がらなかった。この人は本当に健全な男なんだろうか。



精神年齢は、私より下なのかもしれない。


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