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しつこいくらいに舌を何度も絡ませる。
深く、深く、キスをした。
「…..ん、っ…….ん、…」
「…..っふは、…とろとろやん」
唇を離すと、ゆっくりと開く奏斗の瞼。瞳には涙が浮かび、表情はとろとろに溶けていた。
いつもよりキラキラで、眩しい瞳を見つめる。
「…..っそんなに、…見、んな…..」
「なんで?綺麗よ」
じっ、と見つめすぎて、奏斗が目元を腕で隠してしまう。もう少し、見ていたかったのに。
腕を掴み、顔から退ける。そして再び、キスをし始める。
「んぅ、…..ん…..」
そろそろ、もう少し奥に入っても良さそう。と、キスをしながら入れていく。
キスに意識がいっているお陰で、先程よりもゆるゆるで、簡単に入っていく。
「…..ぁっ…..ん、…..」
「…..っ、く」
奏斗が、キュッと締め付けてくる。その度に一回動きを止める。キスも、中断。
「…..っ…….ひ、…ば…….」
奏斗が、か細く俺を呼ぶ。
手が伸びてきて、俺はその手に指を絡ませ、握る。それに答えるように、奏斗もギュッと力を入れてきた。
「も、少しで…….」
「…….っは、ぁ…..」
奏斗が少しでも痛みを感じないように、ゆっくり、ゆっくり奥へ。少しキツめの中を、進んでいく。
度々、ギュッとお互い手に力を加えながら。
「…..っはい、った…」
「っ…..ぜんぶ、…..?」
「…….ん、」
何故か、上手く返事が出来なかった。
目尻に熱が集まって、視界がじわじわと歪んでいく。 コレがなんなのか、分かるまでに少し時間がかかった。自覚が無かったから。
「…..ひば、…?」
目から落ちた雫が、奏斗の頬に落ちる。そこでやっと、俺が泣いていることに気付いた。
「…..っあれ、…?」
「…..ひば、?…泣いてんの?」
「…..っう、…….」
自覚してしまえば、なかなか止めるのは難しい。奏斗の顔に、ポタポタと落ちていく。繋がれてない右手を、急いで目元まで持っていく。
「…..っごめ、…..奏斗、」
「…..っふ、…..よしよし」
そう言いながら、優しく頭を撫でてくる。それがあまりにも暖かくて、余計に涙が込み上げた。このままじゃ、奏斗もキツイだろうに。
早く止めたくて、目をゴシゴシと強めに擦る。
「ちょ、…..そんなに強く擦ったら痛くなるよ?」
「…..っだってぇ、…..止まらんもんんん」
「………止まらなくても、…っいい、っしょ」
奏斗の声が震えていた。鼻を啜りながら、目を擦る手を止め奏斗を見る。
「…..奏斗も泣いてる?」
「…….泣いて、…ない」
「…..嘘やん」
顔を逸らしているが、嘘がバレバレだ。
奏斗の目尻に優しく触れる。涙を拭ってやる時、奏斗はギュッと瞼を閉じた。
「…..っお前のが移ったの!」
「ははっ、…..」
たまらなく、愛しい。
潤んだ瞳を、じっと見つめる。先程は逸らされたが、今回は見つめさせてくれるようだ。逸らすことなく、見つめ合う。が、そんなに長くは続かず、奏斗がふいっと横を向いてしまった。
「…..奏斗、」
こちらを向いて欲しくて、呼ぶ。俺に感化されて、泣いてしまった奏斗。可愛くて、可愛くて。本当に愛しくて。
奏斗の顔を、クイッと無理矢理向かす。溢れ出す感情に身を任せ、ゆっくり瞼を閉じる。そして、口付けをした。
「っんぅ……ん…..」
「奏斗、…..好き…..」
唇を離し、高ぶる感情のままそう告げる。同時に、ギュッとハグをする。
恋人とはいえ、普段から伝えることはお互いあまり無い。ふざけあったりする仲だから、素直に言うのは本当に照れくさい。
こういう時こそ、もっと言ってもいいよな。
「動いてもいいか?」
「っ…..!」
「…っわ、…急に、締めんなよ…..」
「っだ、…って…..」
奏斗の顔は、真っ赤に染まっていた。
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