テラーノベル
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研究所。
電話を切ったその後の四季は
「いやぁ〜面白い反応をするね君の仲間」
「あ”ッやめろッ”」
「い”ッ…」
「うーん…多分明日にはここに来ると思うんだよね」「宣戦布告した訳だし」
「…ッ」
「僕もお出迎え 準備しなきゃね」
「その為に君の力を借りるよ」
「はッ…?」
そういうと違う部屋に案内された。
抵抗も虚しく鉄の椅子に座らされ点滴を取られた
「何すんだッ」
「黙ろうね」
次に、四季の体にはゴムベルトがきつく巻かれ、手足もゴムベルトで固定。そして頭には何か、口枷のようなものに管が沢山繋がり、そこからは桃の細菌の気配が感じ取れた
四季は思う
これはつけられたらもうダメだ
絶対に
壊れる
悟った。四季はもう諦めたかと思われたがまだ仲間。という希望は捨てていなかった
「やめろ!!!」
「くるな!それを!!近づけるなッ!」
「うるさい子には口枷を」
「やめろ!!!!!」
ゴッ
「ガッ……」
「外せッ…!!」
「ほらほらー僕の為にと思って 」
「死んだ方がマシだなッ!」
「なら死ね」
「僕の為に」
「…ッ」
「まずはこの薬を投与する。」
「眠れなくなる薬。これは普通に寝たら研究が台無しになるからね」
「次に、これ。」「何だッ」
「この薬は…君の今までの実験でできた**…鬼神の力**を無理やり引き出す薬」
「は??」
「はい。投与完了」
「あ”ッう”ぅ”ッ」
身体がやけるようにあつい。
「身体的に鬼神になっていないものの。鬼神の力は四季の体で増幅し、爆発的に力を引き出している」
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッッッ!!!」
「あ”つぃ”ッ」
「身体が。ッ!焼けそ”ッ」
「大丈夫。感覚だけだよ〜実際力はこの口枷の管で吸い取ってるから」
「は……ぁ”ッ?」
「あそこの液体タンクに君の力が貯蔵される。それを1つの薬にして…僕の体に…!」
「そうしたらテメェが死ぬんじゃ…ッねぇ”のか”ッ!」
「僕が?残念だけどそれはないね。この薬は僕専用と言っても過言ではない。だから死にはしない。自分から死にに行くわけないだろう」
「それじゃあ、君の仲間が来るまで頑張っててね」
「死なないでねぇ〜」
「あ”ッ」
カチッ
「あ”あ”ッあ”ッ!!!!あっ”つぃ”ッ!あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ!!!!!!」
「それじゃあ。最後の山場。頑張ろうね
「い”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あuあ”あ”あ”あ”あ”ぁ”ッッ」
身体が燃えそうだッ…
中から…じっくりあぶられている感覚。
死にそうでも…眠れないからッ
死ねない
喉がそろそろ枯れてきた
「あ”ッッぅ”ッが”ッッう”ぁ”ッこぇ”ッ」
「(あのクソ桃ォ。どこに行ったんだよッ、この装置…ッ止め…)」
「あ”あ”あ”あ”クソッ”あ”あ”あ”あ”__」
一方
現在時刻
16時
皇后崎達が出発するまで
残り2時間
そして
18時
皇后崎達は出発する
「あ”ッあ”あ”ッ…」
「やっほ〜ど?」
「こ”の”やろ”ッう”」
「声ガラガラ!ここ防音室だから全く聞こえなかった」
「この”ッゲス”野郎ッ”!!」
「パワー上げるか…」
「あ”ッ」
「がぁ”ッあ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ!やめッ”」
もうッ…意識がッ…薬のせいで…分からなッ___
19時
皇后崎達は後5時間でここに到着する
「…あ”ッう”あぁ”ッ 」
「意識は…無いね…でも反応し続けてる」
「面白い…資料を取っておこう」
「あ”ぁ”ッ」
何か。苦しい。息ができない
目の前は真っ暗
俺は何をしていた?
実験台にされて…?
ここは夢か?
息がッ…
「がぁッあ”ッはッ!あ”あ”ッはッ」
「おお、意識が戻った」
「あ”ッッ”あ”ッ」「このッ”」
「面白い…!反応をもっと!!」
「もっと!!!!!」
「あ”あ”あ”あ”あ”あッッがッ」
「美しい
液体タンクに鬼神の力、赤い力が注がれ貯まって行く瞬間は幾度みても素晴らしいな!」
「あ”ッ。」
「もう声も出ないかい?死にそうだね。声もでなければ喋れもしないね。」
「点滴を増やそう。薬ももっと投与しよう、死なれては困る」
「回復の薬も調合してこようか。君専用のね。死なないでくれよ」
「君には生きてもらわなきゃ。今日までは。」
「僕が強くなる為に。」
「僕は君を研究出来て楽しかったさ。なんの恨みもないし何をされたわけでもないけどまぁ許してくれ。ね?」
「さぁ薬を持ってこよう」
「はい、薬。点滴を増やすと共に薬も入れておこう」
「どうだい?もう死にたいかい?まぁ死ねないけど。君の仲間は本当にポンコツで馬鹿だね」
「だまッぃ”ッ…!」
「無理して声出さなくていいよ。話すの面倒臭いし」
「まぁ話すことも無いか」
「(てめぇが声からしたんだろ…)」
「まぁあと何時間か…頑張ってくれ…
死なないでくれよ
まぁ死ねないだろうけど」
「ッ…」
22時
到着まで2時間
「あ”あ”ッあ”っ」
「おやおや声が枯れているのに無理やり出したから口枷から漏れてしまうほど吐血しているね」
「が”ッ」
「おひょぉー唆る顔しないでくれないかい」
「痛ぶりたくなる」
「…ッ」
「僕は資料整理に戻るね。仲間に見捨てられて可哀想な四季くん。頑張って」
「ッ」
バタンッ
あー、死にたい
でも死ねないもんな
薬のせいで
あー、苦しい、痛い、もはやなんか痛みも感じないわ
麻痺ってる
ヤベーな
いや、なんかどうせ死ぬなら皇后崎と話したかった
こうだけじゃない、みんなと、むだせん、真澄隊長、も、チャラせんだって、
他の皆も、みんな良い奴で、見捨てるなんて
ある訳
あるのか。
実際そうだもんな
あーくそ、諦めろよ俺
もう無理なんだから
何夢見ようとしてんだよ
諦めろよ
無理だって
何回いいきかせたよ
馬鹿四季
毎回皇后崎に言われてたな
かえりたい
考えるな
もう出られないんだ
希望を捨てろ
もう無理だって、
でも、なんか、夢見ようとしてんだよ、
皇后崎達が、助けてくれるとか、思ってんだよ、馬鹿だな
もしかしたらって、無理無理
いや、可能性があるのか?
分からない
でも
信じたい
信じれなくても
信じたい
信じてる
俺が生きる理由はこれか
むりしてでも
待ってたい
どうか
まだ見捨ててくれてないのなら
どうか
まだ信じてもいいのなら
どうか
どうか
お願いだ
まっているから
ずっと
だから
助けてくれ
_______________
24時
00時00分
「いいか先程言った通りに動け」
「必ず四季は助ける」
「動くぞ」
ダッ
バッ
「確か。四季は地下か?」
「ああ」「入り組んでわかんねぇ、 」
「馨も入り組みすぎて細かくは分からなかったと。確か向こう側に居たと言う」
「四季は。生きてんのか」
「必ず」「生きてるに決まってんだろ!」「あいつの強さ舐めんな、」
「分かってる」「だから先を急ごう」
_______________
「おいクソガキ共。」
「わかってんなァ」
「一ノ瀬あんな目にした奴の仲間ァ、ぶっ飛ばす準備!!」
「「「おう!!!」」」
「行くぞ!!」
「わ、私は後ろでお姉ちゃんと援護します!」
「これ僕何も出来ないよね?探索系能力だよ??」
「てめぇは桃の配置を教えろ!」
「ハイ!!!!!」
「右の部屋から5人!」
「左の廊下の先には3人!」
「奥に2人です!!」
「テメェらまだまだやんぞ」
「舞おう。」
「ロクロじゃねぇ…」
「ロクロこんな目にしやがってテメェら!!」
「行こうお姉ちゃん!!」
_______________
「くっそこいつら少ねぇ癖につえぇ!」
「特に透明なやつがヤベぇ!」
「おい!もう___がァッ」
「まだまだやれんだろォ」
「クソガキ共は奥の部屋を探索しろ。ここは俺一人で十分だ。」
「わかりました!」
「行くぞ」
「まだまだだなぁテメェら桃はぁ」
「クソッ!こいつ強すぎんだろ!」
「テメェはキレてると力も強くなっちまうことをよく理解してねぇみたいだな」
_______________
「ここの資料は処分してしまおう」
「あ!この書類は私達鬼に役立つんじゃ?」
「ナイス屏風ヶ浦さん」
「はい…!」
「ここの資料たちは全部処分しよう…」
「ロクロが言うなら処分しようか。疲れたな。膝枕はどうだ?」
「遠慮する……」
「ッチ!!!!!」
「ひぇ……」
「四季さん……」
_______________
「おいここ桃が多すぎねぇか!! 」
ゴッ
「仕方ない。ここは大規模だからな」
ガッ
「四季はどこだ!!」
ザシュッ
「とか言いながらこの鬼たち全員無傷で倒しやがった…!ヤベぇしかも無陀野だ!」
「お前達桃は大切なときで逃げるのか。俺の生徒の方がよっぽど立派だ。」
「…」「…?!」
「キモいこと言うなよ」
「…」
「いいから行くぞ」
_______________
「おいクソガキ移動するぞ」
「はい」
_______________
_______________
_______________
音がする
何かあったのか
まさか
皇后崎
?
なわけないか
もう何も感じない
意識は…ないのだろうか
ただ力が抜けてゆく
ここは3階の右奥だ…気づいてくれるのか
あの桃はどこに行った?
苦しい
_______________
_______________
タッ
「止まれ。」
「こんな広場みたいな、いや、でもここちょっとした、バカでかい研究部屋か?」
「何十メートルあるのか……?」
「おい。」
「あ?」「あれをみろ」
「…、」
「!」「?!」
「やぁ…君達は本当に…馬鹿だな」
「クソ桃ッ」
「前の電話はただのおふざけ。ここから四季くんを見つけるのは無理じゃないかな」
「ここはとても広いからね。地上はあれほど狭くても地下はとても広いさ。全部見るのに3日はかかるよ」「ここは実験の結果を試す場所 」
「だから天井も高いし全部鉄とガラス」
「そんでもってとっても広い」
「…そうか」
「僕はやっと作り上げたのさ」
「鬼神の力を僕でも使える薬を、」
「…、!」「は?」「?!」
「そんなもの…」
「無陀野!君はとてもいい!とてもいいサンドバックさ。」
「…そうか」
「さぁ、まずは四季くんに手伝ってもらったことをちゃんと君たちに教えないと…」
ガタッ
「あ”?」「真澄?」
「なんか…きちゃった」
「…はぁ、」「お前。ここに来るように仕向けたろう?」
「バレたか」「テメェは…!!!」
「まずは四季くんの栄光について話そうか」
「彼はなんの実験にも協力してくれたさとても優秀さ」
「今回は四季くんの鬼神の力を特集なパイプ管で吸い取って液体タンクの中に貯蔵。そこから僕の天才的な脳みそが鬼神の力を操れる薬を作った」
「そんなの…四季は生きてんのかよ」
「さぁ?もうかれこれ5時間以上やってるし…多分死んでてもおかしくないかも」
「「「「!!!!」」」」
「一応監視カメラが動いてればまだ見えるかな」
ザーッ…_____
ザザザザ
ブッ
嫌な砂嵐の音の後には
四季が映る
古臭いモニターで画質も最悪。
ところどころ線も入り、四季を捉えるので精一杯
「あ”…??」
そこには拘束され薄暗い部屋。口には鉄の管が繋がれた口枷で顔の半分は全く見えない
「鉄のマスク…?」
「おぉ映った」
そこには下を向き完全に意識はないだろう。
点滴が何個もあり横には心拍を表す電子版が
コツ。コツ。と鳴る
「四季…!?」
「生きているようだな」
「へぇー奇跡ー」
「この野郎!!!」
「ふざけんな!!!」
「お前は…桃である以前に人の心がないようだな。」
「君は鬼だろ?無陀野君はゴミなんだから人以前にねぇ?」
「そんなこと言われても人じゃないものから言われたってー?」
「…」
「もういい。この前の森の中での事忘れてねぇぞ」
「おやおや」
「この人が…、四季さんを…」
「お前ら。鬼神の力を使うということは…
四季と戦う と思った方がいいだろう」
「…わかった 」
「行くぞ」
「さぁお手並み拝見かな!!」
ボォッ
「ガチで四季の…ッ」
「馬鹿四季あんなんにしたんだ!」
「仲間あんなにされて黙ってられるか!!!」
「このクソ桃ォ……あの時はよくやってくれたな」
ガッ
「何?!」
「この炎はとても素晴らしいね」
「屏風ヶ浦、ロクロ!、遊摺部。外に行き情報をつたえ 」
「その後四季を探せ」
「はい!」
_______________
「テメェ皇后崎!手だすな!」
「テメェこそ!」
「おい!目の前の敵に…」
「「う”がぁ”ッ」」
ガンッ
「遠くに飛ばされたな」
「広すぎんだろこの部屋…」
「四季を探さなければ」
ボォォォンッ
「くッ…」
_______________
「あ”…?」
ボォォォンッ
ん?!
何だこの音
『こ_さ___き』
「こ、さ?き?」
こ、さき?誰だ?
なんかむだせんと声が似てる
こ、こう……さ、
さき…
こう、が、さき?
皇后崎…?
な、ッ
なんで
まさか
俺?
でも。なんでッ……
いや、なんで…でもッ
俺はあそこに帰らなきゃ
こんなものッ
「うぁ”ッ!」
「取れねぇ”」
多分口枷から力を取ってるのか…
なら口枷を取るために…ゴムベルトを…ッ焼く!
ボォッ
ジュァッ
よし!
「あとは…ッ」
ガチャガチャ
「やっぱ取れねぇ…」
「鍵か…」
「これも溶かせるか試すか…」
ボォォオォォッ
「うぅん…あんま力が出ない」
「もう壊すか」
ガンッガンッ
ガッ
ゴッ
ガチャッ
「取れた。」
ポタポタ
血が出て…
あ。…
意識…
血が出すぎたか…
バタッ
_______________
「おい!無陀野!」
「なんだ」
「どうにかなんねぇのか!」
「この施設は脆い。故に俺が血蝕解放をしたら施設は崩れる」
「自慢かよ…」
「無駄口たたくな!」
「まだまだ行けるぞ___」
ボタッ
ポタボタボタボタ
「血が…?あのクソ桃何を…?」
「あ”?」「え?”なんで___」
「鬼神の力が使えない、?まだ吸い取ってるはずなのに」「まだ四季くんの鬼神の力を取ってるはずなのに」
「もしかしたら…」
「皇后崎!矢颪!」
「「わぁってる!」」
ゴッ
「がぁ”ッぅ”」
「よっわ…なんだったよ今の」
「とりあえず拘束して俺はこいつを外に連れていく」
「3人で四季を探せ」
「はいよ 」
_______________
「…いるか?」
「いないない」
「右奥の部屋…」
「…?」
「あそこ異様に扉がでかくないか?」
「行ってみるか」
ガチャッ
キィィ
「四季〜」
「いる…か?」
「「「?!」」」
そこには血だらけ…傷だらけで意識のない四季が倒れていた
「四季!?」「四季だ!!」
「なんで…?!」「口枷が取れてる…」
「まさかこいつ自分で取ったのか。」
「クソ桃ッ、!!!!」
「あいつ殺さねぇのかよッ!」
「一ノ瀬…」「連れて帰るぞ」
「でもッ」
「いいから、皇后崎と矢颪は外の桃をやれ」
「「ぁぁ 」」
ザッ
「一ノ瀬」
声をかけても反応はしない。モニター越しに見ても酷い怪我、血溜りだったが自分の目を通して見るのでは訳が違う。匂いも、感覚も、音も、現状全てが
地獄と化していた
「脈は弱いがあるな…」
「遅くなっちまってすまねぇ」
「あの時守れなくてすまねぇ」
「助けに来た」
「帰るぞクソガキ。」
背負っても身長的に足りないため止むを得ず姫抱きをする
「重ェな」
「すぐに京夜に治療してもらおうな」
腕や口からたくさんの血を流す四季を見ながら真澄は苦しながらに部屋を出る
「お前ら!!行くぞ!」
「「四季、!」」
_______________
「大丈夫?だのっちー?」
「あぁ、」
「桃の量えぐっー」
「四季君は……?」
「真澄が見つけてるだろう」
「怖いなぁ、」
「四季さ__あ!」
「「もどってきた!!!」 」
「四季く_ッ」
「「あぁ”?」」
「……」
モニターだけで見た無陀野でさえガチギレをする程、顔は青白く眉はぴくぴくと。
「ふぅぅぅぅ……」と息を吐き落ち着きを取り戻そうとする
花魁坂は初めてこの状態を見る。
「え”ッ…四季……君、?」
「…」
勿論ガチギレ
顔は赤く。今にでも燃えちぎれそうな。
「落ち着け。まずは治療だ」
「あ、っあぁ、」
真澄は花魁坂に四季を渡す
「俺は四季くん連れて本部に戻るよ」
「僕も行きます」
「ありがとうー」
「さてと俺らは…」
「「「「このクソ桃をぶっ飛ばそう」」」」
「や、やめろ!!!」
「鬼神の力を我がものにしようとしただけだ!!!あれほどの犠牲はしょうがないであろう!!」
「実際僕は素晴らしい実験をできた身だ…」
「黙れテメェは俺らに殺される運命でしかねぇんだ」
「クソガキが…」「桃に逆らうなど」
「うるせぇ」「やっちまうか」
「「覚悟してろよ」」
_______________
暖かい
何か
体が包まれてる感覚がする
あれからどのくらいたったのか
落ち着く匂い
保健室のハーブの香りがする
とうとう幻覚まで
今日は嗅覚の実験か?
懲りないな
結局皇后崎…も幻覚か
助けて、なんて、届くわけもねぇ、
でも
今はただこの温かさに寄りかかっていたい
_
あれから2週間が経つ
全く目を覚まさない四季に全員は心配していた
「今日は俺が見舞いにいく!」
「おめぇは前行ったろ!」
「みんなで行こうよ」
「ッチ」
脈は戻っているものの力を失いすぎて取り戻すのに時間がかかっていると花魁坂は言う。
ただこんなに時間がかかるのは少々おかしい
「多分…憶測だけど、四季くんはもう意識はあるのかも。何も見たくないだけで、現実から、体が逃げようとしてるのかも…だから声も届かない…」
「そんな…どうやったら目を覚ますんだよ」
「地道に…四季くんが意識を現実に向けてくれるのを待つか…話し続けるか…これは肉体的に、って感じかな」
「…」
四季はまだ眠っている
眠る必要はもうないというのに
「もうテメェ何回朝迎えたと思ってんだボケ一ノ瀬」
「四季くん。もう眠る必要も無いよ。みんな待ってるんだ」
「四季…バカがいないとつまんねぇよ」
「てめぇに助けられた人が沢山いんだぞ」
「起きてよ」
「もう夜遅いから俺は寝るね」
「まっすーも部屋行こう」
「だのっちも資料整理してるから呼びに行かなきゃ…」
ガタガタガタ
全員出ていった
残ったのは皇后崎
「起きろって」
「そうだ。今日は流星群なんだ」
「ここの窓は綺麗によく見える」
「そんでもって満月だ」
「綺麗だ」
「今日は風も気持ちいいんだ」
「お前は夜忍びでてよく外にいたな」
「星が綺麗だ。と言っていた」
「なぁ…起きないのか?このまま」
「お前は…起きなきゃいけねぇだろ」
「まだまだやりたいこととか…あるじゃねぇか」
「なぁ?」
…?皇后崎の声がする
起きなきゃいけない?
わかってる
きっと
これも幻覚か
どんだけ好きなんだ
帰ってこれた…なんて思いたくない
自分をこれ以上夢見させたくない
あまりにも哀れだ
泣きたくなる
感覚が分からないから意味無いのか
皇后崎
みんな
会いたい
おかえり
そう言われたいだけだ
「あー、涼しい。こんな日は夜でも明るいな。てめぇの顔がよーく見える」
何言ってんだ???
夜?
ここは地下三階だ
夜なんて分からない
妄想癖とか言われたら殴っちまいそうだな
皇后崎。俺助けに来てくれたって思いてぇんだ
でもそんなことないと思ってる
思ってた
でも実際ずっと声がすんだ
みんなの
真澄隊長の謝る声
みんなの悲しい声
お前の、皇后崎が話してくれる声
これが幻覚とはどうもいいがたい
そうも言わないと自分が崩れそうだから
なぁ
俺信じていいのか
信じたいよ
「…!」
「なんで泣いてんだよ…」
「テメェ…四季は声聞こえてんのか?」
「聞こえてるなら…」
「てめぇの事。嫌いな奴なんていねぇ。俺でさえ…な」
「てめぇの人柄がそのもの好きなんだ」
「もう何もない。お前は人体実験なんてされていないんだ。これも」
「幻覚じゃねぇ」
幻覚じゃない
その言葉が妙に安心する
安心してしまう
どうしよう
目が覚めてしまいそうだ
どこからか、花の匂いがする
目を瞑り暗闇だが…瞼の外では光り輝くものがあるみたいに…眩しく思う
ハーブの香りがするけど、外の花の香り
羅刹と同じ
少し
目を開けて
信じたい
見てもいいのか
信じてもいいかな
皇后崎
信じる
「…」
「あぁ、何も嘘じゃねぇじゃん…」
「、!、!」
「四季…!」
「皇后崎のうるうるのおめめはじめてみた」
「黙れクソ四季…!」
「一応ずっと寝てた身だぞ」
「あー!」
「いい匂い…」
「空が綺麗なんだ。見てみるといい」
「おお、流星群かー」
「満月でいいな」
「無陀野を読んでくる」
「待って」
「もう少し」
「話さねえ?」
「…付き合ってやるよ」
「っしゃい」
「今日みたいな日に目覚めてよかったー!嵐とか気分下がる」
「そこかよ」
俺らはいつも通り話した
次はみんなと話したい
今はただずっと話したい
この傷ついた喉を
話して癒したい
今日はきっと寝れないな
そうしたらみんなで夜会しよう
お菓子も食べたいな
やっぱり
みんなと一緒に居れればいいかな
俺はずっと話していた
皇后崎はずっと話して、聞いてくれた
「、皇后崎…ありがとう」
「、ッ」
「無事で良かった」
「テメェもなッ」
「言われる筋合いねぇ」
「そうかよ〜」
これから
ずっとこんな日が続きますように
四季の心が癒されるように
あー……
もし起きた四季を見たらどんな顔するかな…第一声はみんななんだろう…
_______________
_______________
_______________
「「「「四季。」」」」
「「「「「「おかえり!」」」」」」
コメント
3件
天才来た

かみさく