おはこんばんにちは
今回は3話?です
それではどうぞ⤵⤵
いざ教室へ
『なんで ”ヨイチ” が、この学園にいるんだって聞いている』
『……っ』
彼の発言に、頭が真っ白になった。
思わずごくりと、息を飲む。
俺……今、変装してるよな……?
なのに……ど、どうして、俺が ”ヨイチ” だってわかったんだ……?
ただじっと、俺を見つめたまま……答えを待っている彼。
どうしよう、まさかこんなに早くに、バレるなんて……っ。
俺は意を決して、恐る恐る口を開いた。
『……』
『……ひ』
『……』
『……人違いです!!!』
そう言って、彼から逃げるように校舎へ向かって走る。
お、追いかけてこない……今はとにかく逃げよう……!!
イケメンさん、助けてくれたのにごめんなさい……!!
心の中で、深く謝罪した。
困ったことになってしまった……。
職員室に向かいながら、無意識のうちにため息をこぼしていた。
まさか編入初日に、ヨイチだとばれてしまうなんてっ……。
でも、彼はどうして俺がヨイチだってわかったんだろうっ……。
理由が全くわからない……。
ガラスに反射している自分の姿を、じっと見る。
どこからどう見ても……ヨイチの要素は隠せているはず……。
俺は髪にアホ毛があって双葉のようになっている。
髪もメガネで隠しているし、気づく要素があるとしたら体型くらいだ。
でも、175センチなんて珍しくないだろうし、似たような体型の人なんていくらでもいるだろうから……うう、まったくわからない……。
とにかく、彼にはもう会わないようにしなきゃ……。
もし彼が、SNSとかで、俺を見たという情報を流したりしたら……もう、高校生活を送れなくなってしまうかもしれない……。
……いや、そんなことをするような人には見えなかったし……今、ここで不安になって悩んでも仕方ない……!
今はただ何もないことを願おう……!
そう気をとりなおして、職員室を探した。
……けど。
『しょ……職員室、どこっ……』
また迷子になっちゃった……。
この学校、広すぎるっ……。
もうあと5分で遅刻だ……編入初日に遅刻なんて、絶対ダメだっ……。
とにかく走って、それらしき教室を探す。
でも、職員室どころか、生徒の影すら見当たらない。
う……せっかく絵心さんが推薦してくれたから、好成績と皆勤賞をとりたかったのに……。
『こんなところでどうしたんですか?』
『……え?』
誰……?
驚いて振り返ると、そこにいたのは……。
心配そうに俺を見つめる美しい顔立ちをした男の人だった。
わっ……。
さっき学校まで送ってくれたイケメンさんとはまた違う、中性的な……まさに美青年という言葉がぴったり合う男の人。
あれ、でも……俺この人と、どこかで会ったことある気が……。
って、考えている場合じゃない!
『あ、あの、俺、編入生で……』
助けを求めるように、彼に駆け寄った。
なぜ彼は俺を見て、困惑しているように感じた。
……ん?
『あ、あの……』
『……ああ、すみません。知っている人と、声がとても似ていて……』
あははと、困ったように笑ったその人。
声……?
『編入生が来ることは聞いてます。あなたのことだったんですね。もしかして……迷子です?』
理解が早い彼に、こくこくと頷く。
彼は俺を見て、柔らかい笑みを浮かべた。
『災難でしたね。案内しますよ』
い、いい人っ……!
今日は朝からふたりも良い人に出会ってしまったっ……。
『あ、ありがとうございます……!!』
お礼を言って、彼の隣を歩かせてもらう。
時間、ギリギリだよな……。
『もう間に合わないでしょうか……?』
俺の質問に、彼はふわりと微笑んでくれる。
『いえ、間に合いますよ。職員室は近いですから』
よ、よかった……。ほっと、安堵の息を吐いた。
『ここはあまり使われていない旧棟なんです。でも、上の階に行けば職員室のある棟と繋がっている通路があって、それを渡ればすぐです』
そうなんだ……。広すぎて、毎日迷子になりそうっ……。
『編入早々大変でしたね』
いえ……あなたがいてくれて助かりましっ……。
話し方も柔らかいし、紳士的な人だなぁ……。
『そうだ。よかったら名前を聞いてもよろしいですか?これから関わることになるので』
『え……?』
関わることになる……?
あ、同じ学校に通うって意味か……?
『えっと、潔 世一です』
『よいち……』
彼は俺の名前を呟くように、復唱した。
『……いや、そんなはず有り得ません』
『あの……?』
『いえ、なんでもありません。素敵な名前ですね』
名前を褒められて嫌な気分になるわけでもなく、彼への評価は右肩上がり。
こんないい人がいるなんて、ブルーロック学園はきっといい学校なはず……!
『僕の名前は、アレクシス・ネスです。気軽に呼んでください』
『はいっ……!』
綺麗な名前だと思いながら、どこが引っかかる部分があった。
ネス……。やっぱり、どこかで聞いたことがある気が……。
もしかして……彼と、会ったことがある……?
『ここです』
彼……ネスさんの声に、はっと顔を上げる。
職員室と書かれた部屋の前にいて、もう着いたのかと驚いた。
『ありがとうございました、ネスさん』
『さん付けしなくてもいいですよ。これからも同じ学園の生徒として、よろしくお願いします』
『はい! えっと……よろしくお願いします、ネス』
『また困ったことがあれば、言ってくださいね』
微笑みながら、手を振って去っていったネス。
今度会った時にでも、以前どこかで会いましたか?って聞いてみるか……。
それにしても、ネスが案内してくれて本当によかった……。
改めて、お礼しないとな。
そう思いながら、職員室のドアに手をかける。
━━━ガラガラガラッ。
『遅くなってすみません、編入生の潔 世一です……!』
す、すごく見られてるっ……。
職員室内にいた先生全員の視線が、俺に集まっていた。
『あの子が……』
『ははっ、随分勉強ができそうな子が入ったね』
な、なんだかこそこそ言われている気がするっ……。
『あぁ、潔 世一待っていたぞ』
手を上げてそう言った先生を見つけ、急いで駆け寄る。
『俺が担任のノエル・ノアだ。よろしく』
かっこいい先生だ……20代後半くらいか?優しそうな人に見える。
『よろしくお願いします……!』
『教室に行くか』
さ、さっそく……!
『は、はい!』
元気よく返事をして、先生と一緒に職員室を出る。
うわ……き、緊張するなぁ……。
先生の後ろを歩きながら、心を落ち着かせようと深呼吸をする。
『……』
ん?なにか言いたそうな先生を、じっと見つめた。
『潔 ”世一”なんて名だから、勝手にどんな生徒かイメージしてしまってな』
え?ど、どういう意味なんだ……?
『名が可愛いっていうのも、大変そうだな』
あ、あれ……もしかして、貶されてる……?
『あはは、はは……』
確かに、俺の格好が地味だっていう自覚はあるけど……
可愛いのか……?
『ここが教室だ』
そう言って、教室の戸の前で立ち止まった先生。
中からは、ざわざわと生徒たちの話し声が聞こえてきた。
ここが今日から、俺の通う教室っ……。
『それじゃあ、少しここで待ってろ』
先生が先に教室に入っていき、俺は呼ばれるのを待つ。
『潔、入ってこい』
聞こえた先生の声に肩がびくっと跳ねあがった。
よし……い、行こうっ……!
友達、たくさんできますように……!!
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ ♡ 3 0 0
コメント
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神様ですか?それとも神様ですか?とりあえず1000いいねにしときました👍🏻続き楽しみにしてます