死柄木「…で、お前について色々聞かせろ」
「個性とか…まあ色々」
『……なんて言えばいいんだろ…』
私が言葉に詰まると頭の中でフッと”ある言葉”がよぎった。
『…薬物中毒…』
黒霧「薬物中毒…ですか?」
『治癒もできます…』
死柄木「ヒーラーか…最高じゃねぇか…!」
“ヒーラー”であることが余程嬉しかったのだろう。
死柄木はそう言って強く抱きついてきた。
『…そういえば…私は何をすれば…?』
死柄木「あー…決めてなかった」
先生「…なら雄英に行くのはどうだろう?」
『雄英…ですか?』
雄英高校。
有名ヒーローを多数輩出する、ヒーロー科の中でもトップクラスの名門校。
『……嘘じゃないですよね…』
正直言うとヒーローは嫌いだ。
ヒーローを持ち上げるこの社会も。
死柄木「オールマイトが雄英教師になるって噂、知ってるか?」
『最近噂されてるやつ』
黒霧「我々の目的はオールマイトに息絶えて頂くこと」
死柄木「その為にも情報が欲しい」
『だから私に託す…ってこと?』
死柄木「あぁ」
『分かった』
死柄木「流石」
『頑張る。うっかり退学なったらごめん』
死柄木「それは許さねぇ」