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高校生の佐藤麻衣は、SNSで人気の投稿者だった。フォロワー数は10万人を超え、毎日の投稿が日課になっていた。
ある日、麻衣は見知らぬアカウントからメッセージを受け取った。
「いつも楽しく拝見しています。今度、直接会ってお話しできませんか?」
麻衣は丁重に断ったが、その後も同様のメッセージが増えていった。
数日後、下校途中に背後から声をかけられた。
「麻衣ちゃん、やっと会えた!」
振り向くと、見知らぬ中年男性が立っていた。麻衣が驚いて後ずさりすると、男性は慌てて言った。
「ごめん、びっくりさせるつもりはなかったんだ。僕、麻衣ちゃんのファンなんだ。毎日の投稿、楽しみにしてるよ」
麻衣は恐怖を感じながらも、ファンサービスの習慣から笑顔を作った。「ありがとうございます。でも、突然声をかけられて驚きました」
男性は麻衣の制服姿を熱心に眺めながら言った。「麻衣ちゃんの日常が見られて嬉しいよ。学校での様子も知りたいな。クラスの雰囲気とか、好きな先生とか」
麻衣は冷や汗を流しながら、急いでその場を去った。
その晩から、麻衣は自分の投稿を見直し始めた。学校の様子、友達との写真、行きつけの店…自分の日常のすべてがさらされていることに気づいた。
翌日から、麻衣は投稿を控えるようになった。しかし、フォロワーたちは麻衣の日常を求めてメッセージを送り続けた。
「今日は学校どうだった?」 「あの制服、かわいいよね」 「明日の予定は?」
麻衣はスマートフォンの通知音に怯えるようになった。外出するたびに、誰かに見られているような感覚に襲われる。
ある日、麻衣は全ての SNS アカウントを削除した。しかし、その直後、玄関のドアをノックする音が聞こえた。
「麻衣ちゃん、元気? みんな心配してるよ」
ドアの向こうから、複数の声が聞こえてきた。