テラーノベル
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ある夜――
♥️「……遅いな」
時計を見ると、すでに日付は変わっていた。
何度もスマホを確認する。
メッセージは既読にならない。
電話も出ない。
胸の奥がざわついた、その時――
ピンポーン。
インターホンが鳴った。
♥️「!」
慌てて玄関へ向かう。
ドアを開けると、
💙「……涼太」
そこには翔太と――
肩を貸されている蓮の姿があった。
♥️「えっ!?」
♥️「大丈夫!?」
💙「仕事で結構追い込まれてたみたいでさ」
💙「蓮のやつ、やけ酒してた」
♥️「まじか……」
思わず蓮を見る。
こんなになるまで無理していたなんて。
♥️「そんなの……俺には一言も」
💙「まぁ」
💙「涼太には心配かけたくなかったんじゃね?」
♥️「……」
確かに蓮はそういう奴だ。
優しいから。
だから余計に――
悔しかった。
翔太には話せるのに。
俺には話せなかったんだ。
その事実が胸に引っかかる。
──────────────
翌朝――
🖤「……涼太」
♥️「おはよ」
♥️「朝ごはん作っといたから」
♥️「昨日結構飲んだみたいだし、今日はゆっくり休みな?」
🖤「……ごめん」
♥️「……」
🖤「心配かけて…」
♥️「ねえ」
♥️「俺にもさ」
♥️「もっと愚痴とか吐いていいんだからな?」
🖤「……」
♥️「昨日さ」
♥️「ちょっと嫉妬した」
🖤「え?」
♥️「翔太には本音を話せたのかなって」
♥️「そう思ったら……なんか悔しくて」
蓮は黙り込む。
少しだけ視線を伏せた。
そして――
🖤「涼太には…言いたくない」
その一言が、
思った以上に胸へ刺さった。
♥️「……そう」
♥️「わかった」
あ、今…俺、
相当不機嫌な顔してただろうな。
♥️「じゃあ、俺仕事行くから」
🖤「……あっ、涼太」
呼び止める声を聞きながら、
俺はそのまま家を飛び出した。
──────────────
楽屋――
♥️「……あっ」
指輪。
普段は休みの日につけることが多く、
仕事の日は外している。
アイドルである以上、何かと気を遣わなければならないからだ。
いつもなら外して家を出るのに、今日はそんな余裕もなかった。
蓮との気まずさもあり、俺は指輪をつけたまま家を出てしまった。
左手の指輪をそっと外した。
きらりと光るそれを見つめ、
少しだけ蓮のことを思い出す。
♥️(……帰ったらちゃんと話そう)
そう小さく呟きながら、
指輪をそっとカバンへしまう。
──────────────
仕事を終えた俺は、タクシーに乗り込み家へ向かっていた。
ふと左手を見る。
そして、いつものように指輪をつけようとカバンの中へ手を入れた。
♥️(……あれ?)
見当たらない。
♥️(……は?)
♥️(うそだろ……)
慌ててカバンの中を探る。
ポケットの中。
書類の下。
財布の横。
何度も何度も確認する。
それでも――
見つからない。
♥️(ない……)
♥️(え、なんで……?)
鼓動が嫌な音を立てる。
頭の中が真っ白になった。
タクシーのシートの隙間まで必死に探した。
足元も確認した。
けれど、どこにもなかった。
そうしているうちに、家へ着いてしまう。
♥️(……どうしよう)
♥️(……蓮になんて言おう)
二人で選んだ、大事な指輪。
そう思った瞬間、視界が滲んだ。
気づけば涙がぽろぽろと零れていた。
──────────────
玄関のドアを静かに開ける。
ただいま――
そう言うこともできず、
俺は靴も脱がないまま立ち尽くしていた。
すると、
🖤「涼太?」
リビングから出てきた蓮が、俺を見るなり表情を変えた。
🖤「涼太!?」
🖤「どうした!?」
🖤「何かあったのか!?」
慌てて駆け寄ってくる。
その優しさに、余計涙が止まらなくなる。
♥️「……っ」
♥️「……指輪……」
🖤「指輪?」
♥️「……なくした」
そう呟いた瞬間、
また涙が溢れた。
♥️「ごめん……」
♥️「ほんとごめん……」
蓮は何も言わなかった。
ただ――
そっと俺を抱きしめた。
🖤「泣かないで」
♥️「……っ」
優しく背中を撫でる手が温かい。
🖤「明日探そう」
🖤「俺も一緒に探すから」
♥️「……うっ…」
🖤「大丈夫、大丈夫…」
そう言って、指先で涙を拭ってくれる。
🖤「…そんな顔しないで」
🖤「俺まで苦しくなる」
その言葉に胸が締め付けられた。
今日の朝のこともあって、
気まずかったはずなのに。
それでも蓮は、真っ先に俺の心配をしてくれる。
🖤「一人で抱え込むなよ…」
優しく額に触れ、軽く口づけをした。
♥️「……っ」
♥️「蓮……」
蓮の胸に顔を埋めながら、
俺は子供のように泣き続けた。
つづく。
コメント
19件

指輪見つかれ〜〜!
んんっ複雑!! 🖤の気持ちもわかるけど…んんっ! ❤️の落ち込む気持ちもわかる…! しょげ❤️可愛いけど、切ない…っ!んんんっ 明日も楽しみにしてますっ♡
ひぃ〜ん😭 コチラは切ない…(´;ω;`) 嫉妬から指輪をなくしてしまう傷心な❤️さんに私まで切なくなる〜(ノД`)シクシク 次回が気になります! 🖤❤️…幸せになって…。