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【青桃】ハロウィン

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【青桃】ハロウィン

1 - ハロウィン

♥

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2024年10月31日

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初めまして!アセチルCoAといいます!


こちら初作品となっております。ご容赦ください…






⚠︎注意


・iris 青桃 BL


・夢要素ありませんが、主人公女性です。










────────────────








10月、都内某所にて。




「すっごい混んでるね…」


友「ねぇ〜!こんなの初めて!」



10月31日。


しがないOLの私は仲の良い友人と都内に繰り出し、街中で仮装大会が行われるのを眺めにやって来た。

人々のざわめき合う声がビルに反響し木霊する。



しばらく歩いていると、一際人の集まっている所を見つけた。


何があるのだろうと寄ってみる。



友「っは!?何あのイケメン!」


「えっなに、どこどこ?」


友「ほら、あっち」



友人の指さす方を見れば、現代の女の子に好かれそうな、今時のイケメン…が二人いた。


片方はドラキュラ、もう片方はキョンシーの仮装をしているようだ。

人混みに紛れていたが、周りまで来るとすぐ顔が拝めるくらいにはどちらも背が高い。


多くの人はそのルックスに感心して眺めているようだったが、一部厄介な人がいたようだ。



女「ねぇ、お願いだって〜」


女「連絡先交換しよ?」



そんなことを言いながら、二人の女性がお二方の腕に絡みついている。

正直、傍目から見ても気持ちの良いものではない。


周りを囲んでいた誰もが、今か今かと女達を取り押さえようとしていたが、その前に爆発したのは彼らの方だった。



🤪「ないこに気安く触んじゃねぇ!!」


女「ひっ、」



キョンシーの仮装をしていた、青髪の男性が突然叫んだ。


どうやら、怒りの矛先は自分を触っている女ではなく、「ないこ」と呼ばれたもう一人を触っている女に向いているらしい。よっぽど気心の知れた仲なのだろうか。



女「っちょっとくらいいいじゃない!大体、そんな格好して話しかけられないと思ったわけ!?」


🤪「それとこれとは話がちゃうやろ。いいからはよ離れろ。どっかいけ。」


女「…っ!」



青髪の男の人は関西人だったらしい。関西弁の調子と彼の怒気を孕んだ低音に押されて、女性は押し黙ってしまった。


それを見計らって、ヴァンパイアの仮装をした、ピンク色の髪の男性が口を開いた。



🍣「俺の友人がご無礼おかけして、申し訳ありません。」


🍣「俺たちはそういうつもりで来ているわけではないので、連絡先の交換は控えさせて頂きます。」



女「そ、そう……なんか………ごめんなさい。」


🍣「いえいえ、話しかけてもらえたのは嬉しいです。お互い、ハロウィン楽しみましょう!」



ピンク髪の彼はそう爽やかな笑顔と共に告げ、青髪の男性を連れてその場を後にした。


ギャラリー達もそれに合わせて散り散りになって行く。

だがきっと、皆心中では彼の対応に感服しているに違いない。


私と友人も、一安心してまたブラブラと歩き始めた。










────────────────










しばらく歩いて、小腹が空いたから何か食べようと思ったが、生憎あまりの混雑にどこも店内では食べることができないようだ。


歩行者天国となっている道のそこらじゅうで食べ歩きが行われている。



友人と共にクレープを買って、歩道脇の少し空いたスペースで食べていると、1メートル弱離れた横に例の男性二人組がいることに気がついた。


クレープを頬張りながら、会話を盗み聞きしてしまった。



🍣「まろ、折角来たんだしさっきみたいなトラブルは起こすなよ?」


🤪「でも、あれはアイツらが悪いんやん。」


🍣「けど話したら謝ってくれたし。すぐ喧嘩腰になんなよ…」


🤪「…」



むすっとしてるのだろうか。なんだかカップルの会話みたいで、思わず笑みが溢れた。



🍣「…まろ?」


🤪「だって…」


🍣「…?」



🤪「ないこ取られんの、嫌やもん…」


🍣「…」


🤪「こっちは心配やねん、やからないこを守ってんの。」



程なくして、ちゅ、と僅かにリップ音が聞こえた。




🤪「ないこ。俺から離れないで。」


🍣「〜っ!!///」




きっと彼の顔は赤いのだろう。


かく言う私の頬も、思いがけずキュンとするような場面に出会って流れ弾を喰らっている。




また沈黙が生まれた。


今度こそ好奇心が勝ってしまって、チラッと二人を盗み見る。



「…」



二人は長いキスをしていた。私がまじまじと眺められたくらいには。


青髪の男性の帽子についたキョンシーのお札が、いい感じに二人の接部を隠している。


それがまた、余計に私を惹きつける。




流石にこれ以上見るのはまずいと思って視線を元に戻した。


反対側にいた友人を振り向くと、彼女も興奮気味の顔をしていた。







「…帰ろっか。」









end

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コメント

1

ユーザー

ないちゃんが大型犬飼い慣らしてる飼い主みたいで最高に癖です。 素晴らしい作品ありがとうございます!!!!!

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