「……今日、久しぶりに撮影で元貴の痣見たわ。」
夜。
ライブのリハーサルを終え、2人は元貴の自宅に戻っていた。
シャワーを浴び、部屋着に着替えたあと、
冷たいアイスを口にしながら、ソファで並んで座っている。
「痣見せて撮影するの、あんましてなかったもんな」
「あぁ、そういえばね。だいたいスラックスだったし。
今日の衣装、短パンで、しかも角度的にばっちり映ってたらしいよ。スタッフがちょっと気にしてた」
「本人が気にしてないのに?」
「そうそう。俺気にしてないのに逆にスタッフが気を遣ってくれて。生まれつきだし、 痛くも痒くもない。ただそこに“ある”だけって感じだしな」
元貴の声は、いつも通り飄々としていた。
あの痣がある左足――すねから足首にかけて、まるで日本列島のような形をした赤っぽい痣。
色の濃淡が重なり合っていて、肌より少し温度が高く見える。
「……なぁ、そこ、触っていい?」
アイスを舐めていた若井が、不意にそう言った。
元貴は、一瞬きょとんとして、目を丸くした。
「え、なんで……?」
「いや……なんか、今日見たら……前より綺麗に見えて。
前はただ“ある”って思ってたけど……
なんか、すげぇ好きだなって思って……。
だから……触らせて」
その真っ直ぐな声に、元貴はほんの少しだけ、息を飲んだ。
そして無言で、自分の左足を伸ばす。
部屋着の裾を少しまくり、痣のあるすねが露わになった。
「……はい、どうぞ。気が済むまで」
冗談めかして言う声とは裏腹に、耳の先が少し赤く染まっていた。
若井はそっと手を伸ばし、元貴の足に触れた。
ひんやりとした肌。
そこに浮かぶ、赤みがかった島のような形。
親指で輪郭をなぞるように撫でる。
「……触っていいって言ったけどさ、
まさか、撫でるとは思わなかった」
「だって……すごく綺麗なんだよ」
そう言って、若井はそのまま、
痣の上に唇を落とした。
「っ……な、何してんの……っ」
くすぐったさに、びくりと脚が震える。
けれど――
次第にその感覚が、笑いではなく“別の何か”に変わっていく。
唇が、痣の縁をなぞりながら移動する。
あたたかな吐息が、肌をなぞり、
元貴の心拍を静かに早めていく。
「くすぐったいってば……んっ……」
「……でも、気持ちいいんでしょ?」
「……っ」
返せなかった。
若井の舌が、今度は痣の中心に這い始める。
すうっと円を描くように、じっとりと、ゆっくりと。
「や……やば……っ、滉斗……なんか、変な気分……」
「変じゃないよ。
元貴のこの痣……俺はずっと見てた。
でも、触れたことはなかったから……
ちゃんと、知りたかった」
吐息がかかるたび、内腿が熱くなる。
若井は、痣から徐々に足首、甲、そして――
「ちょ、ちょっと待って……! 足の指は……っ!」
構わず若井の舌が、足の指を一本ずつ這い、吸い、
唇で包んでいく。
「んんっ……や、だめ……っ、なんか……っ、変な声、出る……!」
無視するように、親指に舌を這わせる。
そして――吸い上げる。
「っああっ……ま、待って……っ!」
ソファに沈み込むように身体を仰け反らせ、
元貴は顔を赤らめながら、吐息を漏らす。
音がするほど、強く吸われる。
ぬめった舌が、爪の根元をなぞり、指の間をじゅるじゅると音を立ててなめ尽くす。
「や、やめっ……て……そんなとこ……、あぁっ……!」
足の指を攻められるなんて、想定していなかった。
だけど、逃げられない。
「ふふ……気持ちいいんでしょ?」
「っ、くっ……ああっ……!」
足首を掴まれたまま、身動きが取れない。
なのに、身体はどんどん熱くなる。
そして、気づけば――
自分の右手が、無意識に下腹部へ向かっていた。
若井は、その様子を見ている。
でも、止めることはしない。
くすっと笑いながら、
足の人差し指と中指を同時に舐め始めた。
「っああっ……やば……イきそう……っ、あ……っ」
太腿が跳ねる。
扱きながら、腰が浮く。
そして、目の奥がチカチカしはじめる。
「……や、ば……イく……っ、あっ……!」
痣の痺れと、足指から這い上がる快感が繋がり、
元貴の体は、ソファの上で跳ね、 布越しに果てた。
指がピクリと震え、脚全体が脱力する。
ソファに深く沈み込む元貴。
胸が大きく上下し、息をするたびに余韻が全身を走る。
若井は、そんな元貴の左足をそっと撫でながら、
微笑んで囁いた。
「……元貴の痣、俺は大好き」
まるで告白のようなその一言に、
元貴は顔を真っ赤にしながら、タオルケットで自分の顔を隠した。
「……バカ。」
だけど、その言葉の奥には――
照れと、嬉しさと、愛が混ざっていた。
END
コメント
2件
今回もめっちゃずごかった!!!ദ്ദി ˃ ᵕ ˂ )