TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「それで、久しぶりに我々を集めるとは、一体どういった風の吹き回しだ?」

湯呑みをそっとおくと、怪訝な表情で菊はフェリシアーノを見つめた。その傍でいつもどうりルートビィッヒは眉間に皺を寄せ腕を組んでいた。


「にーちゃんがトマト野郎に攫われた」


「貴様の兄君が?どうして奴がそんなことをする?」


「ロヴィーノが奴のお気に入りだからだろう?」

普段口を滅多に開かないルートビィッヒが静かにそう言った。


「お気に入り?」


菊の眉はさらに眉間に寄った。フェリシアーノはグッと自分の唇を噛む。ルートヴィッヒはそれ以上話す気がないようで顎でフェリシアーノのに自分から話すようにと指した。


「昔、色々あったんだよ……前にもにーちゃんがあいつに取られたことがあって、長い間取り返せなくて……なんであいつがにーちゃんのこと好きなのかは知らないけど……うぇっ、想像しただけで虫唾が走る!!!」

「……で、本題は我々2人に貴様の兄君奪還を手伝って欲しいということか?」


脚を組み直しながらそう言うと再び湯呑みに口をつけ、静かに茶を飲んだ。


「うん。協力して欲しい……もちろん、タダでなんて言わない」


「「ほう?」」


菊とルートヴィッヒは眉を吊り上げ同時に呟いた。


「……お前がそんなこと言うなんて珍しいな」


「嗚呼。同感だ」


「ちょ?!2人とも!俺をなんだと思ってるわけ?!」


「能天気なお調子者」


ルートヴィッヒが答える。


「その上、節操がない」


菊がスッパリと言い捨て、2人はフェリシアーノのを見る。


「うぅ……。間違ってないけど……」


「報酬は?」


「うぅ、お前にしては直球な言い方だね。菊」


「今は呑気にあ?」


フェリシアーノは少し悩んだ後にこれでどうか。と提案してきた。


「俺の家と、お前らの家で取引した時の税を下げるのと、今後なんか会った時に絶対助ける……でどう?」


「そうだな……あと、私の家はいま少し貧しい。資金援助も追加で頼もうか」


「ゔっ……わかったよ……」


 菊はにっこり微笑むと頼んだ。フェリシアーノのに言う。菊が追加注文をしたことでここぞとばかりにルートビィッヒも口を開いた。


「……食糧援助」


「ゔぇぇ、んぁんまし、こっちもないよ?……それでもいいなら……」


 契約書を三人で書き終えると菊とルートビィッヒは満足そうに微笑んだ。その契約書に小さく(期限は3年)と書いてあるのも知らずに。貿易上手のフェリシアーノは小さくほくそ笑んだ。

この作品はいかがでしたか?

916

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚