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雷は一言私に云った。


________3日後には殺しに行くよ。待ってて。




目は黒かった。

死んでいた。


太宰「っ、どうだろうね。雷にわたしが殺せるかい、?」



私には、無理だよ。


そう云いたくても云えなかった。


何にでも勝る”恐怖”が私を支配するように。

身体はその”恐怖”に負けるのだ。


そこまで云うと、雷は手を離して何処かに行ってしまった。


太宰「はは……真逆、自分の弟に負けそうになるとはね…。ミミックのとき以来だよ……。」


私は乾燥した声で笑った。


私はこの世界にそれほど関心がある訳でもない。

唯、何によりかも「弟」と云う存在は私にとっての”恐怖”そのものだった。


こんなにも怯える相手が居るのは自分でも初めて知った。


いいや、





________逃げていただけだ。



唯、私は何にも変わらない人間のように逃げ、異能に縋っていたのかもしれない。


“異能があるだけでいつ自分が人間と変わらないことを確信していた?”


私は恐怖から逃げるように川に足を沈めた。


いつもよりも冷たかった。

冷たく感じた。


““人を救う側になれ””


頭の中で反響する。


太宰「…織田作……」


私は、彼を、弟を、雷を。



________どうやって救えば、救う側に、すればいい?






気がつけば、肩まで川の水で濡れ、水の中で彷徨っていた。

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