テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
聞く役目
家の中は静かだった。
夕方の光がカーテン越しに薄く差し込んでいる。
👁️🗨️はソファの端に座り、膝に手を置いたまま動かない。
その隣に、Ი𐑼がいる。
いつも通り。
表情は一切変わらない。
ただ、逃げない距離でそこにいる。
しばらくして、Ი𐑼が口を開いた。
「👁️🗨️。」
「……はい。」
声は少しだけ掠れている。
「話せ。」
短い命令。
でも、いつもの“強制”とは少し違う。
「今日のことだ。」
👁️🗨️は視線を落とす。
少し沈黙。
そして、小さく笑うように息を吐いた。
「……別に、大したことじゃないです。」
「家族と普通に話してました。」
「いつも通りに。」
言葉が途切れる。
Ი𐑼は遮らない。
ただ聞いている。
👁️🗨️は続ける。
「ちょっと、心無いこと言われて。」
「でも、笑ってました。」
「そうしないと、空気悪くなるから。」
「怒ってるって思われるのも嫌で。」
手が少し震える。
それでも笑おうとしてしまう癖が抜けない。
「……何もなかったことにした方が、楽だったので。」
沈黙。
部屋の空気が少し重くなる。
Ი𐑼はようやく言う。
「それで。」
👁️🗨️は少し驚く。
「それで……?」
「お前はどう思った。」
その問いは責めではない。
でも逃げられない。
👁️🗨️は口を開くまで少し時間がかかる。
「……苦しかったです。」
「でも、言えなかったです。」
「言っても変わらない気がして。」
声が小さくなる。
「また、私が悪いってなるのが怖くて。」
最後はほとんど消えそうな声。
Ი𐑼は表情を変えないまま、少しだけ間を置く。
そして言う。
「ここでは、笑わなくていい。」
短い言葉。
でも逃げ道を一つ消すような確かさがある。
「続けろ。」
👁️🗨️は一瞬だけ目を閉じる。
そして、少しだけ本音が出る。
「……本当は、帰ってきてすごく疲れてました。」
「何も考えたくなかったです。」
「でも、誰にも言えなかったです。」
言葉が途切れる。
部屋は静か。
Ი𐑼はただ言う。
「それでいい。」
「ここでは、隠すな。」
「話せ。」
命令というより、“許可を奪うための指示”ではなく、隠すことをやめさせるための言葉。
👁️🗨️はゆっくり息を吐く。
少しだけ、肩の力が抜ける。
「……はい。」
その一言は、さっきより少しだけ軽かった。
コメント
1件
みぅです🤍🥀 第27話、読み終わりました。 「話せ」って短いのに、ちゃんと“聞く”ための言葉になってたのがすごく印象的でした。👁️🗨️が無理に笑ってしまう癖、本当にわかる。家族に心ないこと言われても、空気壊したくなくて笑っちゃうって、その胸の痛み、伝わってきたよ。 でもᲘ𐑼が「ここでは、笑わなくていい」って言ってくれたとき、なんかホッとした。自分の気持ちを話せる場所があるって、どれだけ大事か……。 最後の「はい」が少しだけ軽かったの、ちゃんと感じられてよかったです。続きが気になります🌙
47
106