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あれよ、これよと注文されてやっと解放されたのはもう夜中の0時近くだった。もう精神が力尽きた……ずっとスマホさえも触ることが出来ずやっとスマホを確認すると美桜からのメッセージが届いていた。急いで返信をし、帰宅するともう寝ていると思っていた美桜が仔犬のように小走りで駆け寄ってきてくれた。癒しでしかない美桜に寄りかかると、やっぱりこの子だ、と思える程のしっくり感。美桜から香るシャンプーの匂いが心を落ち着かせてくれる。何度も何度も嗅いでしまうほど癒される。

――煙草臭い。


そう指摘された時はドキリと心臓が波打った。姫咲が部屋で煙草を吸うから服に匂いがついてしまったみたいだ。咄嗟に親父のと美桜に嘘をついてしまった。いくら自分が姉にこき使われて男と絡んでいるところをバレたくないからって……罪悪感に押しつぶされそうになりながら煙草の匂いを抹殺すべくシャワーを浴び全身をゴシゴシと力強く洗った。


寝室に戻ると気持ち良さそうに背を丸めながら今度は猫のように丸まって寝ている美桜。全てが愛おしい。そっと身体にタオルケットを掛け隣に寝転ぶ。ぷるんと綺麗な唇にそっと自分の唇を重ねた。


「好きだよ」


きっと寝ている彼女には聞こえてないと思うけど。

彼女の温かい身体を抱き寄せて、明日のことは考えず、今はただ美桜の温もりを感じながら眠りたい。

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