「んー!ないくんの家久しぶりかも」
『そうだね、今日は何したい?』
「…これ、まだあったんだ」
『あー、それ?だってりうらがくれたでしょ?くまのぬいぐるみ』
「ふふ、やっぱり気づいてなかったんだね」
背後から低く響く声に、ないくんが振り返る。
『ん、?』
「りうらね、隠してたことがあるの」
りうらは笑みを浮かべながら、手にしたスマホの画面を見せる。
そこには、俺とまろの何気ない日常の映像が映っている。
「これ、あの時あげたぬいぐるみの中に入ってたカメラの映像だよ」
『な、なんでそんなことを…』
俺は声は震え、背筋が凍る。
その瞬間 静かながらも強い眼差しで俺を見つめる。
「ねぇ、俺のこと、ちょっとは意識してくれた?」
りうらの声は甘く、けれどどこか冷たい。
「ずっと壊したかったんだよね、ないくんたちの“恋人ごっこ”を」
『….ごっこ、?』
俺の胸は激しく揺れ、言葉にならない恐怖と戸惑いが渦巻く。
りうらの冷酷な笑みと、攻めの切なげな独占欲。
二つの視線が絡み合い、逃げ場を奪う。
「なんで別れないのかな?」
「ないくんの話すぐバラすし、殴ってくるんでしょ?」
『ちがう、それはりうらが…』
「酷いなー、全部….ないくんの為にやったのに」
『俺の、ため…?』
りうらの手がそっと俺の頬に触れ、その指先が震えているのをりうらは見逃さなかった。
けれど同時に、その手の温もりが逃げ場のない檻の中で甘い鎖となって絡みつく。
「はぁ、可愛いよ。ないくん」
「俺がこれから沢山、愛してあげるからね」
俺は震えながらも、その恐怖に抗えなかった。
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