テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
衝撃波がびりびりと肌を刺す。
今度こそ守はやられてしまったのではないかと思えるほど、空気が重い。
屏風ヶ浦が震えながら口を開いた。
「守先生、大丈夫ですよね…?死んじゃったり、してませんよね…」
土煙が消えない中では守の無事を確認することもできない。
それでもまだ守が生きていると希望を持てるのは皆を守るために張った防御壁が形を保っているからだった。
「おねえちゃん…」
小さく呟きながら、桃華は馨と繋ぐ手に力を込めた。
その時だった。
「いってぇ…」
土煙が段々と止んでいく。
そこにあったのは擦り傷はあるものの殺気にまみれた守と血塗れで壁にめり込む桜介の姿。
桜介は意識を無くしているのか動かない。
「もう大丈夫だよ」
障壁がどろどろと形を無くしていった。
きっと何度も壁に桜介を叩きつけたのだろう。手首をぷらぷらと痛みを紛らわせるために軽く振っている。
馨が軽く守の肩を叩いた。
「立派な先生になったね。守ちゃん」
守は少し驚いたように目を丸くすると、悪戯っぽく目を細める。
拳を馨の胸に軽くぶつけ、笑いながら言う。
「馨君、もう俺酒飲める年齢だよ?当たり前じゃん」
「それもそっか」
笑っていると屏風ヶ浦と桃華が勢いよくしがみついてきた。
桃華は鳩尾に頭をぶつけてきたため、じわじわと痛みが襲ってくる。
「おねえちゃ…よがっだぁぁ」
「先生!命大事にしてください!協力とかできたじゃないですか!」
大泣きする二人を「ごめんって」と優しく撫でる。
ロクロと漣も心なしか安心したように胸を撫で下ろしている。
「先生、格好良かったっしょ?」
お茶目にウインクすると馨に「心配されるようじゃまだまだだよ」と拳骨を落とされる。
唇を尖らせて「なんだよぉ…」と文句を言うと、皆が笑った。
その中で矢颪だけが守の背中の、もっと後ろを見ていた。
つられて守達も同じ方を見る。
「…?」
かつ、かつとヒールの音を立てて、白いジャケットを羽織って優雅に歩いてくるのは純白に細く黒いボーダーのスーツが似合う美しく揺蕩う淡い金髪を持つ桃太郎の女。
女は桜介を見ると「そう…」と少し悲しそうに目を細めた。
「桃角君はやられちゃったのね…。あら?」
守に視線を写すと女は口角を上げた。
形の良い唇が横に引き伸ばされ、檸檬色の瞳が懐かしそうに弧を描く。
見つめられた守は青ざめた顔で「なんで」と呟いている。
女は嬉しそうに引き伸ばした唇を動かした。
守も震える唇を動かした。
「久し振りね、守」
「何でお前が桃の側にいるんだよ…凛」
かつての友は、今日の敵になりうる。
守はそれを「ありえないものだ」と、「大丈夫だ」と思っていた。
_そんな保証なんて、どこにもないと分かっていたのに。
こんにちは、作者です。
ついに二人が出会ってしまいましたね。ここからどうなるのか見守ってあげてください。
…あとこれ、2期の放送に絶対間に合いませんよね。間に合わせたいなぁ…。
いつもいいね、ブックマーク、ありがとうございます。励みになっております。亀更新ですが、読んでいただけたら幸いです。
では、また。
れい
1,192
- ̗̀推しが尊い ̖́-
3,206
コメント
1件
こんなのズルすぎるよ…!😭💔 守と凛がまさか敵同士で再会するなんて思わなかった…「久し振りね、守」の台詞だけで心臓ぎゅってなった。かつての友が今は敵の側にいるって、守の気持ち考えると切なすぎるよ…。でもそんな中でも皆を守ろうとする守先生、本当に格好良かった!屏風ヶ浦ちゃんと桃華が泣きながらしがみつくシーンにもう私も涙腺崩壊しそうになった。2期の放送、間に合わなくても待つからね!ゆっくりでもいいから続きが読みたいです🌸💕