TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

青年と旅人は海沿いを歩いた。対面にアジア大陸が現れる。この辺からがボスポラス海峡だ。

足元にサッカーボールが飛んできた。隣を歩く旅人の指す方を向くと、トルコ人少年が手をあげている。青年はボーリングを投げる要領で転がすと、ボールは平らな面をまっすぐ転がり、地面の小さな石にぶつかってはずみ、意図せぬ方向に向かった。少年は走って取りに行く。青年のゴメンという声は届かなかったが、少年のありがとうございますという声は海風に乗って届いた。

雲が太陽から離れていく。シャツの背中が汗ばんだ。ジャケットを脱ぐ。

「でも、」隣に歩く旅人は言った「一体誰が最初に、地球が丸いって気づいたんだろう」

「それなら知ってるよ」と青年は言った「古代ギリシャの、俺と同じ名前の哲学者だよ」

青年は振り返って、マルマラ海を指した。

「彼は、あれを見たって聞いてる」

水平線に浮かんでいた突起物が、今はタンカーのアンテナ塔だとわかる。

「上から出て来るんだ」

旅人が、首をかしげている。

あれが、地球が球面な最初の可能性だったようだ、もし丸くなければあんな出方はしないからと青年は付け加えた。

「君は、文明人の端くれだね」と旅人は言った。

遠方にガラタ橋が現れ、サバサンド屋らしき小船が揺れている。

「あそこからアジア側へ渡ろう」と青年は言った。

天国のアリストテレス

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚