記念すべき一作品目は、
「のぞみぞ」!
いやー、まじユーフォいいですよ
吹奏楽強豪校のリアルが全て詰め込まった、青春アニメ!
結構人間関係がリアルなんで、苦手な方はいるかも笑
けどみんな可愛いし推せるからおすすめ!
とくに、現吹奏楽部の人!
まじでユーフォはいいぞ!
因みに皆さん、何の楽器吹いてますか?👀
私はユーフォなんです笑笑(いらない)
傘木希美 × 鎧塚みぞれ
つまりのぞみぞ
※重め?
※希美ちゃんがクズめ
※めっちゃ原作改変
※ネタバレあり
※時系列はリズと青い鳥より前くらい?
※約7000文字
その場面場面を長いこと書くのが苦手なので、直ぐに場面転換しちゃいます!すいません🙏
みんなユーフォ知ってるのかな🤔
*傘木希美
高校三年生。フルート担当。(コンクール自由曲「リズと青い鳥」の第三楽章「愛ゆえの決断」ではオーボエとのソリを担っている。)明るく活発な性格で行動力に満ち溢れている。(ピクシブ百科事典より)フルートは文句無しに上手い。才能はない。
*鎧塚みぞれ
高校三年生。オーボエ担当。(以下同文)常に無表情で感情を表に出さない、人見知り。(ピクシブ百科事典より)オーボエは高校生とは思えないほど上手い。才能持ち。
その他
*吉川優子
高校三年生。トランペット担当。
*中川夏紀
高校三年生。ユーフォニアム担当。私の最推し。
希美が、希美がそういうならなんだってする。
例え自分が苦しむ羽目になっても、例え自分が消える羽目になっても。
みぞれにとって、希美は全てだった。吹奏楽に携わってオーボエを吹いたのも、北宇治に来たのも、全て全て希美のため。希美がいたから、希美のおかげで今の自分がいる。そんな自分が酷く愛おしく、そして気持ちが悪かった。
「みーぞれー!!」
廊下の奥から嬉しそうに足音を立てて走ってくる希美。彼女が自分の、みぞれの名前を呼ぶだけで嬉しくて飛び跳ねそう。早く希美と話がしたい。早く希美の優しい香りを堪能したい。そんな身勝手な願望を叶わせるべく、みぞれからも覚束無い足で彼女に近付いた。
「希美、」
「ねーね、今日暇?ファミレス寄ろうと思うんだけどみぞれも来ない?」
心臓が飛び跳ねた。頬が紅潮した。喉が音を立てて喜んだ。
うれしい、うれしい。みぞれは酷く、喜んだ。
本来なら、女子高生にとってこれは日常。初めて自分で稼いだお金、親に無理を言って貰ったお金が入った財布を握り締め、皆で放課後遊びに行く。
然しみぞれはそんな経験、皆無に等しかった。みぞれには友達がいない。否、みぞれは友達を必要としていない。希美がいれば、他はなにも要らないのだから。
食らいつくように、首を縦に降った。そんな首とは違い、喉はなかなか声を作らない。早く喉よ、機能してくれ。一言だけの、肯定を作り出してくれ。逃げもしない彼女の言葉に縋るように手を伸ばそうとしたその時。
「希美ー、早く行くよ?」
遠くから声がした。その声は、みぞれを無理やり夢から現実へと連れ戻す。呆気に崩れたその希望を呆然と見つめ、声の方に目をやる。
その子はきらきらとしていて、元気なポニーテールを揺らしていて。顔は知らないけど、多分フルートパートの子なんだな、と脳内は安易に理解した。
「んー!まって!で、どーするみぞれ?」
「………いかない」
そっかあ、と肩を竦めて笑う希美。残念そうに苦笑する希美は声の方へと振り返り、いとも容易く踵を返した。一緒に揺れる高いポニーテールと、ひらりと舞う短く折られたスカート。みぞれとは違う、きらきらとした希美は嬉しそうにその子へ駆け寄った。
「じゃ、みぞればいばい!」
大きく手を振る希美。みぞれは振り返すのは気が引けて、ただ唖然として彼女を見つめることしか出来なかった。遠のいていく、愛おしい声。みぞれは希美しか見ていないというのに、希美は違う。みぞれにとって希美は唯一の友達であるのに、希美にとってみぞれは沢山いる中の一人の友達に過ぎない。
希美は、さほどみぞれに興味が無いのだ。
それをみぞれは理解していない。否、理解したくない。
華奢な身体が力無く踵を返す。そして、音楽室の方へと足を早めた。
刹那、大きな衝撃がみぞれの肩を襲った。
「わ」
「みーぞれっ、今日ファミレス寄ろうよ!」
振り返れば、大きなリボンをつけたトランペットパートの吉川優子がいた。
彼女はこんな自分とよく一緒にいてくれる。同情なのか、はたまた違う感情なのかはみぞれには分かりうることは無いが、居心地がいい。(因みに本人は友情と公言している。)にこにこと含羞む彼女に困惑の眼差しを向ければ、彼女は大きくため息をついた。
「今日はトランペットの子と一緒に食べに行こうと思ってたのに、皆予定があって」
はぁ、と肩を下げる優子がみぞれの隣に並ぶ。大きなリボンとふわふわな髪が、優子が歩く度に揺れ動く。校則は大丈夫なのかと突っ込みたい気持ちを堪えてぶっきらぼうに、そう、と反応した。
「でさぁ、だから今日は甘いものが食べたくって。一緒に食べてかない?もしかして予定ある?」
「……ない」
「そっか!!じゃーいこぉ?」
みぞれよりも一歩前を歩き、みぞれに顔を合わせて歩く。所謂後ろ歩きだ。みぞれとは違い、大きな一歩は彼女が気が強いということを強く強調していた。それと、短すぎるスカート。みぞれのスカートの裾は歩く度に膝小僧にぶつかる。みぞれ自身そういう知識は皆無に等しいので、膝小僧にぶつからない彼女のスカートは、矢張り折っているのだろう。露出した白い肌を見ながら歩いていれば、不意にその足は大きくバランスを崩した。
「わっ!?」
「いったぁっ、」
ゆっくりと顔を上げ、もう一人を確認する。すればまたもや白い肌に、短いスカート。それから、ツンとつられた目、かき集めるように束められたポニーテールが目に入った。そう、彼女はユーフォニアムパートの中川夏紀だ。
「ちょ、アンタどこ見て歩いてんの!?」
「避けれたでしょ!?アンタこそどこ見て歩いてんの?」
夏紀が声をあげれば、優子は煽るように笑う。さすれば夏紀のきつい印象を強めるつり目がさらに歪められ、優子を写した。紫色に光るその美しい目からは不快だと言わんばかりの負のオーラが出ている。夏紀の寛容さを知らない人物は皆怯むことだろう。
ぎゃいぎゃいと言い合う二人の声が廊下に響き渡る。残されたみぞれだが、どうしてか、寂しい気持ちにはならなかった。
「そこ、オーボエ、もう少し出ることが出来ますか?」
「はい」
滝昇。彼は昨年吹奏楽顧問としてこの学校へと赴任してきた、若き教師。彼の父親もまた、強豪校だった北宇治高校吹奏楽部の顧問であったらしく、父子ともに才能のある家族だ。彼は若いと言うのに、その指摘はほかの強豪校吹奏楽顧問には劣っていない。つまり言うと、彼は才能の塊であり、信じれる顧問であるのだ。
滝に指摘されたところを、メモ書きする。どんどんと増えていくメモ書きに、譜面は黒くなっていく。
滝が他のパートにも指摘を終わらせたところで、みぞれはオーボエを持ち直した。クラリネットに似ていて、似ていないこの楽器。ダブルリードだと言うだけで凄まじい違いだ。
そんなことを悶々と脳内に巡らせていれば、滝は右手をあげて体制を取った。その右手に合わせるように、音が入っている者は楽器を持ち上げ、構えた。部員全員の視線が滝の右手に集中し、ピリついた空気が部屋を流れる。それを破るように、滝は腕を大きく振り上げた。
「さん、し、」
音楽室内に、オーボエの音が響き渡る。
今年の自由曲、「リズと青い鳥」。その第三楽章である「愛ゆえの決断」は、ほぼオーボエのソロや、フルートとのソリで埋まっている。二人の音は複雑に絡み合い、高校生とは言い難い高度な曲を仕上げていた。
けれど、唯一つ。彼女らの音は、何故か完璧に交わりきらない。混ざらない。まるでひとつの容器の中に入った、水と油だ。
一見すると仲の良い二人。然し、その中にはどこか分厚い壁があるようで、二人の演奏を邪魔している。要するに、彼女らはぎこちない。とても仲の良い二人とは言い難い。
そんなことを知っている、否、知ってしまうみぞれは勘がいいのか、演奏技術優れているのか。そっとみぞれは目を伏せた。この事実を直視してしまわないように、敢えてぼかすために。
二人の音に、休符の書かれてあるパートの一部の者は、不安げに顔を合わせていた。吹奏楽を長年やっている者は、理解しているのだ。このままでは全国は危うい。
吹奏楽は、一人のミスが全員のミスへと成り代わる。小さなミスが命取りであり、一発勝負のその舞台は、優しくしてくれない。皆の心が通わないと上手くいかない。それでも上手くいかないことがあるのに。
気付けば長い長いオーボエとフルートのソリは終わっていて、途端に様々なパートが増え、音を分厚く広げてくる。紅潮する頬に、疲れたと叫ぶ頬の筋肉、腹筋。くらくらするほどの酸欠は、皆、今の高揚感で忘れていた。
皆が皆を考え、音を作り出していた時、滝は右手を素早く握り込み、皆に視線をやった。
そうして彼は、口を開いた。
「はぁ〜、疲れたぁ」
希美が大きく息を吐く。そうやって言いながらもフルートの手入れする手は素早く動いており、彼女がどれ程フルートのことを大切にしていて、そして慣れているのかは一目瞭然だ。そんな希美に近付いて笑う後輩達。どれ程厚く信頼されていて、尚且つ好奇の想いを寄せられているのは人間関係に疎いみぞれでも、嫌という程分かった。
みぞれは何となく、彼女を見つめていた。彼女を見るだけ高ぶるこの気持ちは、一体なんたのだろう。希美がこちらの存在に気付き、小さく手を振る。そんな希美にみぞれは手を振り返すことも無く、再度楽器に目をやった。
いつも通り、希美と一緒に階段を上がる。踊り場でくるくると舞うスカートは、希美の無邪気さを主張していて、みぞれは何となく、そのスカートに目を惹かれた。ゆっくりと階段を上るみぞれと、愉しげにリズム良く上がる希美。気が合うのか、合わないのか。みぞれの爪先が、白く染った。
「ねぇみぞれ。みぞれはどう思う?」
顔を上げたみぞれに微笑む希美。可愛らしい彼女の背後から朝日が照っており、天使なのかと錯覚してしまうほど、彼女は魅力的で。喉が震えた。
「オーボエとフルートのソリ。」
希美が困ったように眉を顰める。その声は探るような、確かめるような、信頼されていない感じがして少し不快に感じてしまった。そして、おずおずと口を開いて一言。
「良くない……と思う」
みぞれの不安げに揺れるその声を聞いた希美は、納得したように声を漏らした。その納得の裏には、みぞれに対して落胆したような、そんな溜息が混じっている。みぞれは何故か、嫌な感じがして声を荒らげた。
「で、も、悪いのは私…、希美は、悪くない。だから、だから…、」
息が冷たい。指が震える。冷や汗が額を濡らす。
希美に、希美に嫌われるのは絶対に嫌だ。縋るように希美が立つ、みぞれより0.5階高いところを見上げる。アホ毛が、希美に食らいつくように動くことで
一緒に揺れるのが邪魔だった。焦るみぞれをみた希美は少し意外そうに瞳を大きく開ける。けれど直ぐに何時もの笑顔になって
「そっか」
と、微笑んだ。
あまりにも普通で、それで無機質で。みぞれは小さく震えた。
「早く行こう?私、練習したいなー」
くるりと踵を返した彼女に急かされる。踊り場から早く足を退けて、追いかけるように階段に足を乗せる。希美が待ってる。希美が早く練習したがってる。だから早く、早く。兎に角希美の傍を離れたくなくて、身体を前へ前へと進ませた。
西日が水槽を照らして、フグがきらきら光ってる。水槽を乗せいているその机の上に座る希美もまた、西日に照らされて髪が白く輝いている。水色のスカートから伸びる白い足を守るようにして足を包んでいる、黒い靴下が机の影によってさらに黒く、闇に沈んでいた。遠くからは、暖かいユーフォニアムの音色が楽しげに音を奏でている。そんな中、希美はつまらなさそうに口を開いた。
「みぞれはさ、炭酸ジュース好き?」
余りにも素っ気なく吐かれた言葉。触れたら切り傷が出来てしまうから、触れられない。けれど、みぞれはそれさえも愛おしく感じてしまう。だから、逃がさないようにそっと触れて、閉じ込めてしまおうと掌で包んだ。
「好き」
「そ?じゃあさ、買ってきてよ」
苦しそうに顔を歪ませた希美。肯定しないと、何処かに逃げてしまいそう。だから、逃がさないために頭を大きく振る。リズが、青い鳥と別れないために。青い鳥が、飛ばざるを得ない状況になる前に。
「わかった、ソーダでいい、?」
「うん」
早く行かなきゃ。早く、早く。足を大きく、一歩を早く。踏みしめるように、足を前に出した。
みぞれが居なくなった教室。一人、希美は息を吐いた。落胆した、その溜息は、誰に対してのものなのだろうか。みぞれ?はたまた、…自分に対して?希美にはそれは分かり得ない、深すぎる問題であった。
「最近希美とみぞれ、なんかあった?」
「え?」
誰もいない、音楽室。ピアノの上に広げたこれからの予定表を目にしながら、優子は呟いた。二人の間に沈黙が訪れても尚、優子のシャーペンを動かす手は止まらない。半ば呆れながら、夏紀はため息をついた。
「質問するならまず目を合わせれば?」
「はいはーい、で?なんかあったのあの二人」
適当に交わした優子の手からシャーペンを奪い取る。反論する優子のことを無視して、二人のことについて頭を捻らせた。
元々、あの二人は拗れている。
希美のことを”友人”として、大切で特別なみぞれ。反してみぞれを”奏者”として特別視している希美。それに、みぞれは純粋な好意を持っており、希美は無自覚の嫉妬を持っている。
正直、相性は最悪としか言いようがないだろう。
「特に、ないと思うんだけど」
「本当にそう思う?」
やいやいと突っかかってきた優子が急に真面目な顔をする。優子の真剣な様子に、夏紀は少し面食らった。優子のふわふわな髪が、自身の手を擽る。
「聞いちゃったの。……希美がみぞれに、荷物を持ってきてって。」
「……はぁ?」
聞いちゃったの。なんて言うから、さぞかしとんでもないものが来るんだろうな。と思ったら。拍子抜けした。そんなの、友人同士の他愛もない会話じゃないか。それでも、優子は至って真面目な顔。矢張り、部のことについて考えすぎた結果、少し頭が錯乱してしまったのだろう。この錯乱デカリボンを一刻も早く寝かせねば。こっちにも頭痛がしてきた。
「あ!アンタ今、私の事、「錯乱デカリボン」って思ったでしょ!!ポニテ野郎!」
「えー、部長ってば、私のポニテの魅力気付いちゃった?」
「はぁ!?アンタのポニテ邪魔くさいのよ!」
「はいはい、嬉しい嬉しい」
右手で口元を抑えて小馬鹿にするように笑い、左手でひらひらと交わす。そんな夏紀の姿に優子は更に顔を赤くさせ、両手を強く握りこみ、右足の地団駄と共に地面へと殴りつけた。むきー!と効果音が出そうな、何時もの調子に夏紀は少し、安堵した。
そんな夏紀と一緒に、抜い優子ももう一度顔を暗くして、真面目に顔を近付けた。同じ背丈だと言うのに、少し上目遣いのように見えるのは、彼女の睨み方が下からという癖なのだろうか。
「でも、覚えといて。
……あのままじゃ、あの二人____」
「壊れちゃうよ、」
希美が制す言葉に、みぞれはその手を止めた。
みぞれの繊細で綺麗な爪が、炭酸飲料を開ける際に先が綻んで、赤く腫れている。みぞれは不安そうに、希美を見上げる。そんな仕草は矢張り幼子のような感じで、守ってならねばと思ってしまう仕草で。希美は、みぞれを自分の顎で操っているようで、優越感に浸った。
「爪、大事なんじゃないの」
「いい、希美の為なら、希美が飲みたいって言ってるからいい」
希美のことになると、饒舌になるみぞれ。拙い声が、探るような不安な声が、今、主導権は希美の掌にあるということを強く主張している。
みぞれは、演奏に関しては、誰にも負けない。それこそ、フルートパートのエースである、希美にも。
そんな希美が抱く無自覚の強い嫉妬を発散させる唯一の方法は、これだった。
みぞれを使うこと。
みぞれ自身、希美の望むことをやれているのだから問題は無いし、希美は嫉妬をぶつけることが出来る。どちらもWin-Winで。
それでも、やっぱり優子は許してくれなくて。
みぞれを強く思い、守ろうとする優子に、希美は自身が踏み躙られたような気がして、腹のわたが煮えくり返る程の怒りを覚えた。
だから、だから
「みぞれ、次はさ」
「次は、そのジュースに合うお菓子を買ってきてよ」
「わかった」
みぞれは、ひとつ返事で希美の思うがままに、足を動かした。
コメント
4件
2人の関係がまじ愛してる🫶💓(?) 大好きすぎた(( 好き過ぎてちょっとね?大声で叫びました。ちなみにうちはアルトサックスやってます()
のぞみぞ大好きなので嬉しいです…🥹🩷 (元Flパート) 続きものんびり待ってます🫶🏻🎀🤍