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閉店直後の名産品ショップ Fortress の中チバラキVの5人、北野、市役所の女性職員がパイプ椅子を並べて円形に並んで座っている。
職員「遅い時間に申し訳ありません。この度市役所で、子どもの貧困問題に重点的に取り組もうという事になりまして。ご当地戦隊であるみなさんにお手伝いをお願いしたいんです。あ、申し遅れました。私は児童福祉係の近藤と申します」
北野「お手伝いはかまいませんが、チバラキVが何をするんですか?」
近藤「市内の住宅地で週2回、小規模なショーをやっていただきたいんです。そうすれば自然と各地区の子どもたちが集まると思いまして」
玲奈「あの、異存はないんですけど。うちの市に貧困な子どもなんているんですか?」
近藤「うちの市の問題というよりは、全国的な問題なんです。厚生労働省の発表によれば、2019年度のデータに基づく子どもの貧困率は13.5%ですね」
智花「えっと、じゃあ、7人にひとりから8人にひとり? いくらこのところ人口が減少気味っていっても、そんなに深刻な状況かしら、うちの市って」
近藤「数字はあくまで全国平均ですから、地域によって状況は違うでしょうね。ただ、うちの市にいないとは言い切れないわけで。どのくらい貧困状態の子どもが市内にいるのか、まずそこから調べてみようというわけなんです」
北野「いただいた資料では、最初のイベントは夢見るニュータウンですね。みなさん、出動でいいですか」
沙羅「あ、悪い。あたしその日だけは欠席でいいかな。東京で働いてた時の知り合いの結婚式に呼ばれててさ。戻るのは夕方になりそうなんだよね」
倫「そういう事なら沙羅ちゃんは休みでいいよ。最初の回は4人でやるさ」
近藤「では、よろしくお願いします」
場面転換。
ニュータウンに向かうマイクロバスの中。既にコスチュームに着替えてマスクだけ付けていない玲奈、瑠美、智花、倫が座席に座り、北野が運転している。
倫「しかし、今さらニュータウン開発って、効果あんのかねえ? 東京都心あたりから人口が戻って来るなんて夢見てんのかね、市のお偉いさんたちは」
北野「それがあながち夢物語ではなくなったかもしれないんですよ。ほら、新型コロナウイルス騒ぎがあったじゃないですか」
倫「ああ、あの時は二年ちょっとの間、大騒ぎだったよね」
北野「あの時、在宅勤務やテレワークが推奨されたでしょ。人口密度が比較的低い郊外地域に引っ越した人が大勢いましたよね」
瑠美「金持ちは北海道とか長野とかに家買いまくってたな。海外移住なんて話もあった」
北野「そこまでできるのは裕福な人たちだけですけどね。2000年代あたりから、公共交通が便利になったんで、東京都内か、近県でもなるべく東京都心に近い場所へ人口が移動してたんですけど、コロナ禍がきっかけになって、また郊外回帰が始まっているらしいんです」
智花「そうか、うちの市って、その点では条件悪くないかもですね」
玲奈「千原城駅から快速電車なら、東京の上野駅まで40分ぐらいですもんね」
北野「そうなんですよ。東京都心に近過ぎず遠過ぎず。それでうちの市に移住してもらえないかと、そういう狙いらしいです」